新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の国内感染拡大の影響を受け、急遽オンラインで行われたCIEC春季カンファレンス2020。Special第22回は、オンライン開催に至ったその過程を、委員長の菅谷克行さん (茨城大学) が振り返る形でお伝えします。
会長が自らインタビューを行う企画の第6回。今回は、若林会長と同じ職場(京都大学)の飯吉透さん(京都大学教育担当理事補/高等教育研究開発推進センター長・教授)にインタビューを行いました。

これまでの一覧

2022年3月19日(土)に開催された「CIEC春季カンファレンス2022」にて、一般募集論文(査読付)7本の中で特に優れた論文が「論文賞」として表彰されました。またU-18発表論文10本については、論文に加え発表も審査対象として、最優秀賞1件、優秀賞2件、奨励賞2件が表彰されました。Special第27回では、各賞に輝いた皆さんの「喜びの声」をお伝えします。

CIEC春季カンファレンス2022論文賞

茨城大学 人文社会科学部 現代社会学科
戸塚芽依・菅谷克行
「オンライン授業内での議論における非言語情報の影響」


CIEC春季カンファレンス2022論文賞受賞者の菅谷克行さん(写真左)と戸塚芽依さん(写真右)

この度は素晴らしい賞をいただき、誠にありがとうございました。この研究では、オンライン授業内でのディスカッションに非言語情報がどのような影響を及ぼしているのかについて、実験を通じて調査・分析を行いました。オンライン環境や仮想空間への興味をきっかけに始めた研究ですが、この成果が今後のオンライン授業やメタバースにおけるコミュニケーションの進展に少しでも貢献できれば、この上ない喜びです。

カンファレンスを運営してくださった関係者の皆様や、ご指導、ご協力いただいた方々に深く感謝申し上げます。


CIEC春季カンファレンス2022 U-18最優秀賞


群馬県立高崎高等学校
佐藤弘基・伊藤俊介・山本航紀・渡部翔太郎
「CO₂濃度と在室人数の同時測定システムの開発と数理モデルによる解析」


CIEC春季カンファレンス2022 U-18最優秀賞受賞者の(写真左から)渡部翔太郎さん、伊藤俊介さん、山本航紀さん、佐藤弘基さん

この度は、最優秀賞に選んでいただき、誠にありがとうございます。私たちは社会課題の感染症対策として換気に着目し学校生活における教室での換気を促がしたり、CO₂濃度と在室人数との関係を調べたりする目的で、「RaspberryPi」を用いて、局所的な環境データと在室人数を同時にモニタリングできるシステムを開発しました。開発したシステムを教室や自習室に設置し、換気に対する効果を検証する実証実験を実施したいと考えています。

発表会を開催してくださった関係者の皆様、このような貴重な経験をさせていただきありがとうございました。

CIEC春季カンファレンス2022 U-18優秀賞


群馬県立高崎高等学校 高田悠希
「スマート盲導杖「みちしる兵衛」‐AI搭載白杖による視覚障害者歩行支援‐」


CIEC春季カンファレンス2022 U-18優秀賞受賞者の高田 悠希さん

この度は優秀賞をいただき、また何よりオンラインでの発表会において貴重なアドバイスをいただき、本当にありがとうございます。本研究は視覚障害者の歩行中の事故を、カメラと画像認識AIを搭載した白杖によって防ぐというものであり、論文を出させていただいたもののまだまだ途中の研究です。

頂いたアドバイスは専門的な知見に基づくものであり、非常にこれからの研究の参考になるものでした。改めましてありがとうございました。


東広島市立川上小学校 出口優人
「感覚情報処理障害(SPD)があっても学びたい
 ‐自分実験を通じての異空間同時双方向学習の効果の検証‐」


CIEC春季カンファレンス2022 U-18優秀賞受賞者の出口優人さん

この度は優秀賞をいただきありがとうございました。

今回の発表を通じて全国のSPDや様々な理由で学校で学べない人達に知ってもらい、学校とつながりを持てるきっかけになれば嬉しいです。

今後は、ICTを活用し、SPDの感覚をわかりやすく説明するため、光度や音量の数値データをとり、動画などで説明できるような研究をしたいと思います。

そして、対策法を見つけて自分実験を続けて事例を蓄積していきたいと思います。


CIEC春季カンファレンス2022 U-18奨励賞


玉川学園高等部 浦田大智・齋藤ゆい 
「お手伝いロボットの研究‐現代版茶運びロボットの開発‐」


CIEC春季カンファレンス2022 U-18奨励賞受賞者の齋藤ゆいさん(写真左)と浦田大智さん(写真右)

この度は、全国発表の機会をいただき、ありがとうございました。また、奨励賞をいただけて、うれしく思います。私たちは、ペットボトルの緑茶をカメラで認識し、運んでくるロボットの研究を行いました。カメラで物体認識によってペットボトルを見つけるのは、かなり近い距離でないとできなかったため、色による認識で探すように工夫しました。今後は、ライトを付けて明るさの影響を受けないようにしたり、タグを付けて複数の物を認識できるようにしたいです。


兵庫県立小野高等学校 
石井友基・稲岡歩望・岡田聖冬・堀尾将吾・宮下恭一 
「Pythonを用いたカモの識別」


CIEC春季カンファレンス2022 U-18奨励賞受賞者の(写真左奥から時計回りに)堀尾将吾さん、岡田聖冬さん、稲岡歩望さん、宮下恭一さん、石井友基さん

この度はこのような賞をいただき、誠にありがとうございました。私たちはカモの識別という作業において、AIを使って人間の負担を少なくできるように試みています。

私たちに研究・発表のご指導くださいました株式会社BRAINの方々と先生方に心より感謝申し上げます。今後は今回頂いたご指摘を踏まえ、より実用的なシステムを作り上げるために、遠距離かつ多数のカモの写真を問題なく検証できるように研究を続けていきたいと思います。


受賞者の皆さん、おめでとうございます。
2022PCカンファレンスにおいても、一般部門・学生部門・U-18部門の表彰をご用意し、たくさんの論文投稿をお待ちしております。是非ふるってご応募ください。


2022PCカンファレンスの公式サイトがオープンしました。各企画の紹介のほか、分科会発表等の募集も開始しました。

すでにお伝えしていますように、2022年のPCカンファレンスは 8月11日(木)・12日(金)・13日(土) の3日間、つくば国際会議場で開催予定です。企画の続報なども上記サイトで公開していきます。どうぞご期待ください。


2022年度学会賞の選考を学会表彰規定(PDF)に基づき、以下のとおり募集、実施します。

表彰の種類

学会賞 功労賞

  • コンピュータ利用教育にかかわる研究調査、啓発普及もしくは出版文化活動において、顕著な功績があったと認められる者及び団体。
  • コンピュータ利用教育に関し、画期的な業績によって特に貴重な学術貢献をなしたと認められる者。

学会賞 論文賞

  • 本会の会誌に論文を発表し、コンピュータ利用教育の発展に独創性および将来性をもって寄与したと認められる者。

表彰選考の方法と条件

  1. 功労賞は、所定の推薦書による公募を行い、表彰選考委員会により、表彰規定に基づき総合的に審査する。
  2. 論文賞は、前年度発行の会誌に掲載された論文を対象とし、表彰選考委員会にて審査する。
  3. 功労賞受賞候補者は本学会の会員でなくても認める。

表彰について

  1. 表彰は、表彰状を授与して行い、副賞を添えます。
  2. 表彰は、CIEC定例総会の場において行います。

応募方法

資料「受賞候補者推薦書」をダウンロードして、ご記入の上、事務局 (jim@ciec.or.jp) 宛に送信してください。

公募スケジュール

公募開始2022年4月1日(金)
公募締め切り2022年4月30日(土)
審査終了2022年5月31日(火)
表彰者の決定2022年6月19日(日)
表彰2022年8月12日(金) CIEC 定時社員総会

資料


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CIEC学会表彰規定


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受賞候補者推薦書


CIECサタデーカフェにご参加ください!

新型コロナウイルス感染症の影響で、あらゆる学会や研究会が対面で開催されなくなって1年が過ぎました。CIECでは予定していた夏のPCカンファレンス2020もオンラインで開催されるなど、新しい様式での学会や研究会を開催してきているところです。小中高部会でも毎年約3回ほど研究会を行ってきましたが、昨年度は開催方法等を世話人で議論し、なんとかオンラインで2回行いました。

対面の良さを味わえない研究会に落胆している中、逆にオンラインだからこその発見もありました。なかでも日本全国幅広く多くの方々に気軽にご参加いただけることは大きな発見でした。オンラインだとその場でリアルタイムに全国の方とつながることができることを実感できました。

そこで、通常の研究会ほどフォーマルではない気軽に参加できる会をオンラインで開催してみてはどうかという話になり、今回サタデーカフェの開催に至りました。サタデーカフェの概要は次の通りです。

  • サタデーカフェは通常の研究会やPCCとは異なり、小規模でインフォーマルな研究会として開催します。
  • 内容は小中高に関わる「情報教育」や「情報科学」から、「授業デザイン」や「未来への学び」までCIECに関係するものならどのようなものでも扱います。
  • 具体的には、スピーカーを立てて、その方の取り組みや実践、また現場で困っていることなどお話をうかがい、その後参加者と交流できればと考えています。
  • 定期的に行うこととし、原則的に毎月第3土曜日の20:00〜21:00で開催します。
  • 最初の15分はスピーカーからの話題提供、その後45分間はフロアとのディスカッションを行います。
  • 参加者の皆さんでスピーカーの話を聞きながら、いろいろな意見を出し合い、お互いの教育力向上を目的とする研究会とします。
  • 開催時間も遅いですので、おやつや飲み物、また食事などの持ち込みも問題ありません。
  • CIEC会員・非会員に関わらず、興味のある方ならどなたでもご参加いただけます。

第11回目は2022年4月16日(土)20時から、オンライン(Zoom)にて開催予定です。ZoomのIDやパスコードなどは申し込み時に自動返信される確認メールに記載されています。発表プログラムおよび参加申し込み方法は、告知ページでご確認ください。

会員・非会員を問わず、多数のみなさまのご参加をお待ちしております。

次回のサタデーカフェ

第11回
テーマ:デマ・フェイクニュース・ディスインフォメーションそしてネタ
開催日:2022年4月16日(土) 20:00 - 21:00
話題提供者:山田 夕子 氏(社会医療法人愛仁会)

過去のサタデーカフェ

第10回
テーマ:ICTの3文字の中で大切なのはどれでしょうか?
開催日:2022年2月19日(土) 20:00 - 21:00
話題提供者:伊藤 正徳 氏(聖徳学園中学高等学校校長)

第9回
テーマ:町の高校生が考える地域の魅力化
開催日:2022年1月15日(土) 20:00 - 21:00
話題提供者:石谷 正 氏(北海道霧多布高等学校)

第8回
テーマ:学校教育でのクリティカルシンキング 教科教育、生活指導、プロジェクト(総合)
開催日:2021年12月18日(土) 20:00 - 21:00
話題提供者:若林 靖永 氏 (CIEC会長、京都大学経営管理大学院経営研究センター長)

第7回
テーマ:プログラミング教育における、はじめの一歩~子どもたちの現在と未来を考えた教師の可能性~
開催日:2021年11月20日(土) 20:00 - 21:00
話題提供者:慶徳 大介 氏 (3rdschool)

第6回
テーマ:主婦と変人が創り出す新たな学びとは
開催日:2021年10月16日(土) 20:00 - 21:00
話題提供者:河口 紅 氏(NPO法人さんぴぃす理事長、兵庫県立大学非常勤講師),大脇 巧己 氏(NPO法人さんぴぃす事務局長)

第5回
テーマ:高校生が「海女」の魅力をVR映像を制作・発信するまで
開催日:2021年9月18日(土) 20:00 - 21:00
話題提供者:黒田 昌志 氏(三重県立鳥羽高等学校教諭),水野 拓宏 氏(㈱アルファコード代表取締役CEO兼CTO)

第4回
テーマ:小学校におけるプログラミング教育の取り組み ~高校情報Iへどうつなげるか~
開催日:2021年7月17日(土) 20:00 - 21:00
話題提供者:森棟 隆一 氏(白百合学園中学高等学校),壁谷 祐亮 氏(白百合学園小学校)

第3回
テーマ:公立高校でのGIGAスクール構想実現への取り組み
開催日:2021年6月19日(土) 20:00 - 21:00
話題提供者:高瀬 敏樹 氏(市立札幌旭丘高等学校)

第2回
テーマ:BYODへの長い道のり
開催日:2021年5月15日(土) 20:00 - 21:00
話題提供者:吉田 賢史 氏(早稲田大学高等学院)

第1回
テーマ:公立高校でのGIGAスクール構想実現への取り組み
開催日:2021年4月17日(土) 20:00 - 21:00
話題提供者:平田 義隆 氏(京都女子中学校高等学校)