2018PCカンファレンスの全体テーマ「ひらめき ときめき はばたき」は、「AI時代において人間とは何か、人の学びとは何か」を意識して名づけられました。PCカンファレンスが誇る伝統の一つ「イブニングセッション」は、まさに人間ならではの「交流」や「想像」の創発をねらった参加者自主企画です。Special第17回では、今回の全体テーマを象徴する「イブニングセッション」の報告を、順次公開していきます。ぜひご覧ください。

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大学生協の電子書籍ビューワを活用し新しい教育を創造するには

主催者:板倉隆夫(鹿児島大学・名誉教授)
共催者:藤井諭(大学生協九州事業連合・事業推進部学び事業推進グループ)


2018PCCイブニングセッション【交流型】「大学生協の電子書籍ビューワを活用し新しい教育を創造するには」


ラーニングスタジオ「電子書籍プラットフォームVarsitywave eBooksを活用した電子教科書授業体験」を受けて、大学生協の電子教科書や講義資料配信などの機能を利用して、学生にどのような学びを提供できるかを、「教える側(教員)」「教わる側(学生)」「システムを作り、サポートする側(大学生協)」「コンテンツを作る側(出版社)」といったステークホルダーでフリーテーマでディスカッションした。ラーニングスタジオで模擬授業を行った3名の教員を囲み、交流した。

参加者からの、電子教科書を使った教育の効果についての質問を契機に、使用した教員の作業についての感想/学生の反応/より学生に本に興味をもってもらうにはどうしたら良いか/学生の本の読ませ方/より本を読んでもらう、電子教科書を活用してもらうためのVarsitywave eBooksビューアの改善点/Varsitywave eBooksプラットフォームで困っていること/ビューアではなくコンテンツの方でできることがないか、など幅広いテーマで活発な議論が行われた。


電子教科書を使用した成果としては、付箋やグループワークとの組み合わせなどにより、学生が授業で何を得たいか意識が高まったり、教員間での意見交流が活発になった、などの意見が出された。

また学生の学び方は自由であり、紙の書籍でも電子書籍でもどちらでも良いのではないか、という意見から、電子書籍をより活用するためのビューアの改善点、また勉強という意味では、ノートも今後電子に変わるのでは、という意見も出された。電子書籍ビューアの改善点という点では、スマートフォンに慣れた学生たちにとっては、縦スクロールの方がなじみやすい、また、ページという概念が、電子書籍の自由さを制限しているのではないか、という意見が印象的だった。

学生に本に興味を持ってもらう、より本を読んでもらうには、というテーマでは、教員自身が電子教科書を使った授業でワクワクしている、その姿を学生も見ているという教員と学生の内面や、マーカーの引き方など本の読み方のコツは教えられる、という技術的な意見も出された。またコンテンツを提供する側への要望として、一定のページまでは無料にしてそれ以降は有料となる、など電子書籍ならではのサービスができないかなどの意見があった。

話題が尽きることなく、大いに盛り上がったセッションだった。一定の結論はなかったが、参加者一人一人が電子書籍を活用した大学生の学び方に大きな可能性を感じたものと思われる。(文責:藤井)

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