• CIEC TypingClub

    製品情報 製品名 CIEC TypingClub for Windows 発売元 (株) 大学生協事業センター 対応OS http://www.varsitywave.jp/typing/typingclub/index.html 参照 特長 ネットワ...

  • 一般社団法人化にあたって

    「メディア社会における学び」を学術的に探求・実践し,新法人体制を活用して,より社会貢献の進展を進めよう ~ CIEC 法人化にあたって,会員の皆様へ ~ 一般社団法人 C...


  • CIEC第106回研究会の報告書を公開

    CIEC第106回研究会が、6月6日に開催され、その報告書を公開しました。報告書は、告知ページからごらんください。

  • CIEC第106回研究会

    開催趣旨 文部科学省のリニューアルされた「教育の情報化」Webサイトには、「ICTの活用等による新たな学びの推進」が掲げられ、教育の質の向上を目指しています。しかし...


  • 第1回 CIEC 新会長挨拶

    CIEC 新会長挨拶 一般社団法人CIEC 会長理事 慶應義塾大学環境情報学部教授 熊坂賢次 このたび妹尾堅一郎会長の後任として、その重責を担うことになりました。最初の職...

  • 部会の組織及び運営に関する規則

    2004年8月3日 1. 部会の設置 本会は、CIEC会則第3条の事業を遂行するために、各専門領域の更なる進展と活性を期し、部会を設置することができる。 2. 部会の申請 部会設...


  • 専門委員会の組織及び運営に関する規則

    2012年8月3日 1. 本規則の性格 本会は、CIEC会則第31条 (本会には、第3条に定める事業を遂行するため、専門委員会を置くことができる。 2. 専門委員会の組織及び運営に...

  • 支部の事業及び運営に関する規則

    2012年12月2日 1. 支部の設置 本会は、CIEC会則第2条の目的のための事業を地域で行うため、会則第32条にもとづき、以下の地域に支部を設置する。 北海道支部 九州支部 2...


  • 会則

    本会則は、1996年から2013年までの任意団体CIECの会則です。2013年以降は、一般社団法人として法人化しています。 2011年8月7日改定 第1章 総則 第1条 本会の名称は、C...

  • CIECware宣言

    1998年9月30日 CIEC (コンピュータ利用教育協議会) CIEC (コンピュータ利用教育協議会) は、教育・研究の現場において価値が認められる、あるいは、利用の可能性が認め...


CIEC春季カンファレンス2020(オンライン)のお知らせ(3月16日)<br/>

CIEC春季カンファレンス2020「現地開催中止」のお知らせ(3月5日)<br/>

「小中高生ポスターセッション中止」のお知らせ(2月28日)

 春季カンファレンスでは、学びとコンピュータ・ネットワーク利用に関する実践・研究,ICTを活用した新たな学び・教育方法などに関する実践・研究論文とその発表がおこわれます。さらには小中高生によるポスター発表では,授業内外でおこなった探究活動・調査活動・プログラム作成など,幅広い分野・対象における成果の発表が行われます。

CIEC春季カンファレンス2020 プログラム[21日]

12:50~13:00   開会の挨拶

セッション1  座長 : 鈴木 大助(北陸大学)

13:00~13:20
萌芽論文「eラーニングの学習履歴ログデータを用いた試験成績ランクの推定手法の作成」

獨協大学 李 凱

13:20~13:40
萌芽論文「各学生が課題解決を提案する協創的学び‐立命館大学理工学部の「環境科学」を事例に‐」

立命館大学 笹谷 康之

13:40~14:00
萌芽論文「ICTを活用した2教室間における大規模講義向けアクティブラーニング」

小樽商科大学 田島 貴裕・大津 晶


休 憩 ( 14:00~14:10 )

セッション2  座長 : 李 凱(獨協大学)

14:10~14:30
萌芽論文「動画エフェクトを体験するための動画制作学習支援システムの開発と評価」

⾦沢⼯業⼤学 杉原 ⼤介・萩 隆亮・齋藤 亮太・鎌⽥ 洋

14:30~14:50
論文「データ処理課題の解決における情報検索の有効性」

くらしき作陽⼤学 松本 隆⾏ / 摂南⼤学 栢⽊ 紀哉

14:50~15:10
萌芽論文「美術科の鑑賞教材における全天球カメラの活用に関する一検討‐実物大提示・多方向からの鑑賞および教材作成の簡便さの評価‐」

⼭形⼤学学術研究院 ⾅井 昭⼦ / 東北⼤学⼤学院 佐藤 克美・堀⽥ ⿓也


休 憩 ( 15:10~15:20 )

セッション3  座長 : 立田 ルミ(獨協大学)

15:20~15:40
萌芽論文「洋服とWebサイトを題材にした配色学習システム」

⾦沢⼯業⼤学 鈴⽊ 君弥・久保 亮汰朗・新佐 明⼤・鎌⽥ 洋

15:40~16:00
萌芽論文「Webページの色彩デザインとプログラミングの学習システム」

⾦沢⼯業⼤学⼤学院 ⾕ 拓実・鎌⽥ 洋

CIEC春季カンファレンス2020 プロクラム[22日]

セッション4  座長 : 橘 孝博 (早稲田大学高等学院)

9:30~9:50
論文「開国前後の授業筆記で探る能動学習法の深化形成過程 ‐理数工学習データ解明とICTを活用した再創成を目指して‐」

新潟⼤学 ⼩林 昭三 / 東京理科⼤学 興治 ⽂⼦

9:50~10:10
萌芽論文「情報社会における大学教員養成コースでの知財教育の学習レディネス調査に関する考察」

四天王寺学園⾼等学校・中学校 吉⽥ 拓也 / 武蔵野⼤学 荒⽊ 貴之

10:10~10:30
萌芽論文「うつ病治療iCBTの現状と今後の展望」

⽇本⼤学 菱⼭ 佳純・⽊川 裕

10:30~10:50
萌芽論文「ポイントカード登録における個人情報利用とプライバシー問題」

⽇本⼤学 廣澤 綺菜・⽊川 裕


休 憩 (11:00~11:10 )

セッション5  座長 : 大岩 幸太郎(大分大学)

11:10~11:30
萌芽論文「情報収集行動の違いが意思決定に及ぼす影響‐学生を対象とした調査実験の結果より‐」

茨城⼤学 ⾼松 仁美・菅⾕ 克⾏

11:30~11:40
論文「小学校における「世界の言葉プロジェクト」の試みについて‐ICT支援遠隔複言語学習の一例‐」

⼤阪⼤学 岩居 弘樹 / ⻲岡市⽴東別院⼩学校 広瀬 ⼀弥 / 備前市⽴⽇⽣⻄⼩学校 藤⽊ 謙壮

11:40~12:00
萌芽論文「BYOD 環境下でのプロジェクト型英語授業の要件に関する考察」

立命館大学 木村 修平



CIEC春季カンファレンス2020 ポスターセッションプログラム[22日]

コアタイム:パネル番号 奇数:13:00~13:50 偶数:14:00~14:50
コアタイム中はポスターの前で発表をしてください。

発表者一覧

No.1 : 中学生
    早稲田大学高等学院中学部 岩村 陸・岡田 浩毅
    Watsonを使用したチャットボットの構築

No.2 : 中学生
    早稲田大学高等学院中学部 坂本 俊一朗
    Raspberry Piを用いたネットワーク型WBGT計測システムの構築

No.3 : 高校生
    成城高等学校 黒坂 怜央 / 駿台甲府高等学校 嶋津 弘太郎 / 八千代松陰高等学校 髙橋 将吾
    気象センサーを用いた部屋環境の快適度を測る装置の作成

No.4 : 高校生
    和歌山県立向陽高等学校 榎本 考・阪井 大雅・田中 隆冴・御前 賢斗
    小型通信機を用いたレスキューシステムの開発

No.5 : 高校生
    東京工業大学附属科学技術高等学校 川越 滉太・渋沢 賢・須藤 英公・宮﨑 耕輔・山口 正勝
    小型発電機の位置情報共有システムの開発と運搬用リヤカーの製作

No.6 : 高校生
    大阪府立岸和田高等学校 佐藤 陽紀
    WebサービスAnswerBoxの制作とプロセス
    ‐Webサービスの時代考察によるアイデアとその思想,そして自分が感じたプログラミングの壁から考察する各言語との接し方‐

No.7 : 高校生
    福島工業高等専門学校 佐藤 龍熙・岸本 篤・草野 和樹・布施 雅彦
    没入型VR ヘッドセットで利用する3DCG によるVR 科学教材の開発
    ‐VR 学習とテキスト学習の比較‐

No.8 : 高校生
    東京工業大学附属科学技術高等学校 星谷 凜磨・髙杉 真由子・髙木 美佑・櫛田 凜音・吉村 恒志・遠藤 信一
    男女の意識差を体験するWeb教材の開発

No.9 : 高校生
    兵庫県立小野高等学校 住本 圭
    冷蔵庫内の食品の解析管理
    ~画像認識システムの実践的利用~

No.10 : 高校生
    兵庫県立小野高等学校 亀田 友弥・真鍋 文月・山口 夏巳
    兵庫県播磨地方におけるシハイスミレと変種マキノスミレ
    ‐分布調査,形態分析と分子系統解析‐

No.11 : 高校生
    長崎県立長崎南高等学校 田中 海舟・川添 綾・堀川 遥夢・山口 竜ノ介・山﨑 一輝
    児童虐待問題を解決するために
    ‐児童相談所 へのインタビューと 高校生意識調査をもとに‐

No.12 : 高校生
    長崎県立長崎南高等学校 小川 杏奈・渡邉 ひまり・内田 有里・河原 美桜
    小さなシジミが世界を救う
    ‐シジミの水質浄化能力について‐

No.13 : 高校生
    長崎県立長崎南高等学校 原田 華菜子・市丸 優華
    食材摂取による体温変化の研究

No.14 : 高校生
    長崎県立長崎南高等学校 小島 梨央
    腸内環境再現実験でのキクイモイヌリンによる善玉菌増加の検証

No.15 : 高校生
    長崎県立長崎南高等学校 西川 周汰・宮上 陽向・白水 萌・井ノ口 翔一・松尾 侑紗
    魚肉細胞の培養
    ~培養肉で食糧難の解決を目指して~

No.16 : 高校生
    東京学芸大学附属高等学校 松村 あんず・吉村 慧都・大谷 康治郎・小境 久美子
    辛みの簡易的測定方法の開発

No.17 : 高校生
    東京学芸大学附属高等学校 酒井 彩夏・岳 七海・小境 久美子
    植物の色素は日焼け防止に有効か
    ‐花の色素の紫外線吸収効果について考える‐

No.18 : 高校生
    東京学芸大学附属高等学校 長尾 信孝・鈴木 雄大・森田 凪・大谷 康治郎
    細菌の施用による農業生産力の増強
    ‐光合成細菌の効率的な運用を目指して‐

No.19 : 高校生
    東京学芸大学附属高等学校 古屋 結・坂井 英夫・成川 和久
    ゴールドキウイとグリーンキウイの味の違いの原因について

No.20 : 高校生
    東京学芸大学附属高等学校 池田 瑞貴・桒原 智美
    最も食材の保存性を高められる味噌はどんな味噌か

No.21 : 一般
    金沢工業大学大学院 佐々木 駿・高橋 英輝・竹田 圭佑 / 金沢工業大学 鎌田 洋
    基礎からのプログラミングの体系的学習システム

No.22 : 一般
    都留文科大学 小河 智佳子
    文系大学生の高等学校情報科における知識習得の現状

No.23 : 一般
    茨城大学 出雲 来実・菅谷 克行
    美容系メディア利用の現状と教育活用への可能性
    ‐大学生を対象とした調査結果より‐

No.24 : 一般
    敬愛大学 阿部 学/ ストップイットジャパン株式会社 谷山 大三郎
    動画教材活用による「SOSの出し方に関する教育」の実施方法について学ぶ研修プログラムの試み

No.25 : 一般
    株式会社KIBI 山本 洋平・飯島 美帆
    異文化理解教育におけるeラーニングを用いたナラティヴ・アプローチの実践
    ‐外国人留学生のための就職支援講義を通じて‐

No.26 : 一般
    静岡大学 安冨 勇希・塩田 真吾 / 早稲田大学大学院 小野田 弘士
    デジタルストーリーテリングを導入に用いた多様な若者の相互理解ワークショップの開発と評価
    ‐社会参画を目指した SDGs 教育の萌芽的研究‐

No.27 : 一般
    金沢工業大学 井上 和司・荒河 拓哉・菅原 吏輝・鷹合 大輔・鎌田 洋
    色カードを用いた双方向授業システムにおけるデータベース機能の改善

No.28 : 一般
    日本大学 矢沢 洋樹・木川 裕
    リハビリテーション分野へのVR導入による可能性

No.29 : 一般
    日本大学 池田 賢太・木川 裕
    Jリーグのチケット価格について‐AI によるチケット価格の算定‐

15:30(予定) 表彰式,閉会の挨拶

新型コロナウイルス感染症に関する「春季カンファレンス 2020」の対応について

 新型コロナウイルス感染症の対応として、今後の感染拡大状況および政府・自治体等の対応状況に応じて、「春季カンファレンス 2020」を中止とする場合があります。その際には、本学会のWebページに掲載するとともに、会員向けにCIECニュースでお知らせいたしますので、開催・参加前には、必ずご確認ください。

 小中高生(引率者・付添者)につきましては、学校(指導教員)による参加/不参加の判断を尊重いたします。 ※不参加の場合も、提出済みの論文は論文集に掲載し、成果として認めます。

「春季カンファレンス 2020」参加者の皆さまへのお願い

CIEC春季カンファレンス2020「現地開催中止」のお知らせ(3月5日)<br/>

  • 発熱や呼吸器症状がある方は、出席をご遠慮いただきますようお願いいたします。
  • 新型コロナウイルスへの感染の疑いがある方は来場をご遠慮ください。
  • 感染予防のため、スタッフはマスクを着用している場合があることをご了承ください。
  • 風邪や季節性インフルエンザ対策と同様、咳エチケットや頻繁な手洗い、手指消毒など感染症対策に努めるようお願いいたします。

論文集編集委員(研究委員会委員)

委員長:
菅谷 克行(茨城大学)
副委員長:
布施 雅彦(福島工業高等専門学校)
委員:
大岩 幸太郎(大分大学)
落合 純(新潟経営大学)
小野田 哲弥(産業能率大学)
鈴木 大助(北陸大学)
橘 孝博(早稲田大学高等学院)
立田 ルミ(獨協大学)
三浦 靖一郎(徳山工業高等専門学校)
森 夏節(酪農学園大学)
吉田 賢史(早稲田大学高等学院)
李 凱(獨協大学)

2020PCカンファレンスの特設サイトがオープンしました。

http://gakkai.univcoop.or.jp/pcc/2020/

開催日時:2020年8月18日(火)19日(水)20日(木)
開催場所:同志社大学(京田辺キャンパス)

随時情報を更新してまいります。
みなさまお誘い合わせのうえご応募・ご参加ください。

分科会発表募集要項

分科会発表受付開始 2月20日(木)
分科会発表受付終了 4月30日(木)
論文投稿受付開始 6月1日(月)
論文投稿受付終了 6月15日(月)

イブニングセッション募集要項

受付締切 4月15日(水)

CIEC団体会員発表セッションのご案内

受付締切 5月10日(日)
新規団体会員も受付中です。是非ご紹介ください。

教育・ITフェア出展のご案内

受付締切 5月31日(日)
(ブースが埋まり次第締め切りとさせていただきますので、お早めにお申し込みください)


CIEC会長の若林靖永教授 (京都大学経営管理大学院経営研究センター長) が、CIEC会員を中心にユニークな研究や実践に取り組む方々をインタビューする企画。第5回を公開しました。

会長インタビュー #5 松下慶太さん (CIEC理事, 実践女子大学准教授)

今回のお相手は、ソーシャルメディア時代のワークスタイルを研究する松下慶太さん (実践女子大学人間社会学部准教授) です。また、新たな試みとしてビデオ収録を行いました。ぜひ臨場感あふれる映像もお楽しみください。


若林靖永会長(京都大学経営管理大学院経営研究センター長)が、ユニークなCIEC会員を中心に自らインタビューを行う企画の第5回。ソーシャルメディア時代のワークスタイルを研究する松下慶太さん(実践女子大学人間社会学部准教授)です。今回、新たな試みとしてビデオ収録を行いました。ぜひ臨場感あふれる映像をご覧ください。

(編集: CIEC広報・ウェブ委員会 角南北斗、小野田哲弥)

1.サバティカル滞在先としてなぜベルリンを選んだのか

松下さんは京都大学文化学研究科、フィンランド・タンペレ大学ハイパーメディア研究所研究員などを経て現職。博士課程時代の研究テーマは「情報教育」(教育の情報化)だったが、当時から教育工学的アプローチ(教育効果の測定)よりも「建築学的観点」(場所や空間の構成や変容)に関心が高かったという。実践女子大学の教員になってからの主たる研究テーマは、博士課程時代の研究を発展させた「ワークスペース」、そして勤務校の所在地である「渋谷の街」。渋谷はかつての「若者の街」というイメージに加え、現在はコワーキングスペースをはじめ、新しい働き方の先端を走る街になっていることが背景にある。


2018年度はサバティカルを取得してベルリン工科大学へ。留学先として「ベルリン」を選んだ理由は、渋谷との対比として興味深かったから。ベルリンは政治的首都でありながら産業面に弱いため、「デザイン」や「ICT」といった新産業の育成に積極的だ。ロンドンやパリと比べて比較的物価が安く、ビザも取りやすいため、ヨーロッパ中から先進的な若者が集まる街でもある。さらに現在、東ベルリン地区の再開発も進んでおり、「空間をどう使うのか」というリノベーションの観点からも、ヨーロッパの中で最もアグレッシブで面白い都市だと考えた。

2.コワーキングスペースの意義をどう考えるか

若林会長のコワーキングスペースに関する「誰が?何のために?」という質問に対して、松下さんは、第一に「越境」、すなわち学習論や経営イノベーション論でよく語られる「セレンディピティ」(偶然がもたらす幸運)への期待を挙げた。続いてユニークな説明が語られる。それは「孤独」への着眼だ。松下さんは孤独にも「積極的孤独」と「消極的孤独」があると語る。オフィスの中で忙殺されるビジネスパーソンが持つ一人で集中したい欲求が前者、フリーランスといった新しい働き方をする人々の寂しさを解消する目的が後者の代表例だという。


松下さんがベルリンでの観察から感じたのは、コワーキングスペースにおける「実践共同体」と「スタイル共同体」という2つの類型の存在であった。実践共同体は目的志向のプロジェクトを典型とした「正統的周辺参加」であり、他方、スタイル共同体とは、新しい働き方を肯定・共有するための交流の場だという。また松下さんは、「正統的周辺参加」の対として、新参者がコミュニティを先導する「ゲリラ的中核参加」という新概念を提示する。この説明に若林会長も、コワーキングスペースが持続的に成長発展していけるかどうかの分岐点がまさに「ゲリラ的中核参加」の有無だと賛同する。なぜなら、常連客が仕切ってしまったのでは、折角の「越境」(セレンディピティ)の効果が薄れてしまうからである。

3.ベルリンで感じた日本との違いは?

日本とベルリンとの比較においては、我が国におけるコワーキングスペースは「働き方改革」の一環として「企業」をターゲットとしているのに対して、ヨーロッパ諸国では主体者として「個人」が設定されているという差異がまず議論される。その意味では日本の「働き方改革」は「働かせ方改革」かもしれない。


働き方に関する両者のスタンスの違いを示す好例が「サバティカル」だ。日本人研究者はサバティカル中も勤勉で驚かれる。ヨーロッパでは「ワーケーション」(ワーク+バケーション)の一環として、どのように働きたいのか、(例えば引退後)どういったライフスタイルを求めるのかを再考する期間としても重視されるのとは対照的である。

4.教育手法としてPBLを取り入れた理由

ここからインタビューの主題が教育へと移る。松下さんが教育面で重点的に取り組んでいるのは産学連携PBL(Project Based Learning)だ。特に「オフライン」のフィールドワークに注力している。ただしここでいうオフラインとは、従来の「オンライン」との二項対立概念ではなく、「オンライン行動を前提とするオフライン行動」(ex. 渋谷のハロウィンやタピオカミルクティー)である。この指摘に対して若林会長も、専門のマーケティング分野の「循環型消費」や、教育における「反転授業」を引き、現代の一般的傾向だと解説する。


PBLを重視する理由としては、“実践”女子大学はその名の通り“実践”重視の校風であり、なおかつ渋谷という立地が、産学連携PBLを実施する上で、絶好のロケーションとなっていることも挙げられる。だが第一の理由は、実社会はペーパー試験とは違い、何が問題かもわからない中で、個人ではなくチーム単位で取り組むことが常であるからに他ならない。この「トランジション」(遷移、移行準備)という点に関して、若林会長も、現代の高等教育における課題を反映しているとした上で、大学での専門が就職後にどう繋がるかを理解するためには、大学で学んだことを一般化して、応用・展開・活用できる実践の場が不可欠であり、「PBLは、むしろ学びのデフォルトであるべき」と指摘する。

5.PBLをデザインする際のポイント

PBLでは、「企業」と「学生」がインタラクティブな関係にある。学生がどの程度のアウトプットができるのかを企業側が「練習問題」として試すだけでなく、学生も企業側にとって「本当・実際に」取り組んでいるその課題に “真正性”がない限り、本気で取り組まない。もう一つ難しいのが第三の立ち位置としての「教師」だ。一方では提案を考える学生の味方でもありながら、他方では企業のように講評する立場でもある。実際に教師がどこまでサポートするかは状況依存だが、教員の手を離れて学生が完全に主体的に活動できることが最終ゴールであることは言うまでもない。


その補助機能として実践女子大学人間社会学部で試験導入しているのがLF(ラーニング・ファシリテーター)だ。LFは教員と学生の間に入り、後輩をサポートする「先輩」である。その効果が絶大であることは、京大のゼミで同じ仕組みを取り入れている若林会長も強く同感。松下さんがPBLで心掛けている点を「メタ」(学んだ知識を抽象化して一般化すること)と「ベタ」(学んだ知識を実際に使いこなすこと)の両立だと述べれば、若林会長からも、PBLは繰り返すこと、すなわち、一度何もわからない下級生として経験し、次は全体像を見渡せる上級生として指導に当たる2つの経験が重要だと語られる。

6.PBLを超えた将来ビジョン

PBLにおける目覚しい成果によって、2016年に実践女子大学ベスト・ティーチング賞も受賞している松下さんだが、近年、PBLの弊害も感じ始めているという。一つは学生たちの目的意識が「パワポを綺麗に作りたい」「プレゼンが上手くなりたい」に向けられ、本来のPBLの趣旨から逸れてきている点。そしてもう一つは、「問題解決」の経験に慣れてしまうことによって、社会に出てから直面するであろう「そもそも何が課題なのかわからない問題」に対処できなくなる恐れがあるからだ。したがってサバティカルから帰ってきた2019年度は、あえて具体性の低い課題を与えたり、自分たちで問いを投げかけるようにし、スペキュラティブ(探索的)な作品制作を目指した教育活動を行っている。


また最近では、ソーシャル・デザインの観点から、「デザイン態度」という概念に注目している。代表的なのは「Good Movie」か「Nice Party」かという議論だ (*註)。前者は限定された選択肢の中からどれを選ぶかという価値づけ重みづけなのに対し、後者は組み合わせが無限大で拡張可能である。実際の社会問題は「Good Movie」ではなく「Nice Party」だと捉えており、松下さんが理想とする学生像も、「Good Movie」を選ぶ学生ではなく、「Nice Party」を創れる学生だ。若林会長も一定の期間内に成果を出す点ではPBLは優れているが、一方で「当たって砕ける」経験を許容し、「失敗しても、それも学び」という寛容な姿勢が大切だと補足する。そして、現代は「ほしいものは選択」する、消費型の欲求充足が標準的だが、制約のある状況下でやりくりし、「創造して楽しむ」ことが大切であるとも。そして二人共通して、大学は「小さな社会人」の量産だけではなく、「未来の社会人」を育成する場であってほしいと願いを込める。

* Hatchuel, A. (2002) Towards Design Theory and expandable rationality : The unfinished program of Herbert Simon. Journal of Management and Governance 5:3-4 2002.

7.CIECへの期待

最後に「CIECへの思い」を尋ねた若林会長に対して、これまで会誌編集委員として数多くの査読に携わってきた松下さんは、投稿論文にしてもPCカンファレンスでの発表にしても、脱中心的に、既存分野のピラミッド構造に囚われることなく、「CIECらしい」さらにいえば「CIECだからできた」という研究がもっと出てきてほしいと語る。


松下さんがCIECに期待するのは、ある種コワーキングスペース的な熱気のある雰囲気だ。「実践共同体」的にいろいろな知識が共有されることはもちろんのこと、「スタイル共同体」として、新たな研究スタイルを披露し、シェアされる場である。これに若林会長が、参加することで“リフレッシュ”もできる「ワーケーション」機能もあると付け加え、笑いが起きる。だが「PCCにも学園祭を創るようなワクワク感がほしい」と語る松下さんの目は真剣そのものであった。