• 2014年度定時社員総会の議案書および議事録を公開

    2014年度定時社員総会の議案書および議事録を公開しました。「総会記録」のページからご覧いただけます。

  • 2015PCカンファレンスが終了

    2015PCカンファレンス(8月20 - 22日)が開催されました。多くの方々にご参加いただき、誠にありがとうございました。


  • 団体会員の入会申し込み

    団体会員 [ 年会費 1口 30,000円 ] 以下の団体会員入会申込書にご記入ご捺印のうえ、事務局までお送りください。 いただいた情報に関する取り扱いについては個人情報の...

  • PCカンファレンス優秀論文賞

    2025PCカンファレンス (鹿児島大学 郡元キャンパス) 最優秀論文賞 「細分化した学習項目に基づく数学学習用問題のAI自動生成に関する検討」 石田 崇 (高崎経済大学)・須...


  • CIEC春季研究会2016 研究報告募集

    *受付を終了しました。ご応募ありがとうございました。 春季研究会は、CIECが扱う研究分野に関して研究発表会を行い、会員の成果発表•情報交換の機会を増やし、会員相...

  • 7.CIEC Typing Club 利用者の声

    [鹿児島○○短大の1年生] ある短期大学の英語専攻の学生の声を紹介します。週1回、計10回程度の授業で、個人差はありますが、クラス全員がキーボードを見ないで英文タイプ...


  • 6.CIEC TypingClub(Windows版、Macintosh版)について

    タイピング練習ソフトは、数多く市販されていますが、CIEC TypingClubは、サーバ・クライアント型であり、授業での利用がしやすいことが特徴の1つです。また、名前(club...

  • 5.CIEC TypingClub式ローマ字表記法

    CIEC TypingClubでは、ローマ字を知らなくても容易にローマ字入力ができるような、画期的な表記法を考案して用いています。キーボード図では、キートップに、「A-Z」...


  • 4.CIEC TypingClub式手指表記法

    CIEC TypingClub(練習ソフトおよびテキスト)では、独自の表記法により、使う指と打つ位置を、3文字のみで表記して打つべきキーを示します。慣れると一目でキーの位置が...

  • 3.「TypingClubの設定」画面の説明

    各設定項目とも、四角の窓(□)にチェックマークが入っているとONになっています。 練習者名 現在の練習者名です。 所属(10バイト以内) 登録時に入力した所属は、ここで変...


2020年8月19日(水)、CIEC総会後に「2020PCカンファレンス論文賞」の表彰式が行われました。CIEC理事および大会実行委員から選出された10名の論文賞選考委員が、発表論文計87本を査読し、最優秀論文賞1本、優秀論文賞1本、学生論文賞1本を選出しました。Special第23回では、2020PCカンファレンス論文賞の各賞に輝いた皆さんの「喜びの声」をお伝えします。

2020PCカンファレンス最優秀論文賞

長岡健(法政大学 経営学部)
「対話型大規模講義のオンライン化―受講生/教員間インタラクションに関する考察―」

このように素晴らしい賞が受賞できたのは、研究対象の授業に参加してくれた学生たちの「学び」が評価されたのだと思います。この授業では100名程の学生がtwitterを活用した双方向型の学習に取り組みましたが、「主体的な情報発信者」としての彼女/彼らの学習活動は本当に素晴らしいものでした。そして、授業という「空間」の意味、つまり、「同じ時間、同じ場所に集う」ことの意味が揺さぶられ続けた結果が、本研究に埋め込まれたメッセージへと繋がっています。


2020PCカンファレンス最優秀論文賞受賞者の長岡健さん

一方で、私個人の正直な気持ちとしては、「驚いている」という部分もあります。何故ならば、研究活動に数年間のブランクがあったからです。私ごとで恐縮ですが、今から5年前の2015年2月、食道がんに罹患した私は食道全摘出の外科手術を受けました。幸い治療は成功しましたが、体力・体調の回復には時間がかかり、研究活動を再開するまでに数年間を要しました。その間、当時のCIEC会長・熊坂賢次先生をはじめ執行部・事務局の皆様には本当にお世話になりました。

そして、多くの皆様のご配慮や励ましのおかけで、研究活動を少しづつ再開でき、今回、病後最初の研究報告が、このように素晴らしい賞を受賞することができました。お世話になった方々はあまりに多く、ここで一人ひとりのお名前をあげることはできませんが、皆様に心から感謝の意を示します。

また、授業運営については、ゲスト講師として登壇して頂いた方々に加え、OBOGを含めた、長岡研究室の学生たちの協力が不可欠でした。学生たちには感謝の気持ちで一杯です。今後も学生たちと力を合わせて、参加者の主体的学習を引き出す「場のデザイン」にチャレンジしていきたいと思います。

最後にもう一人、感謝の意を示したい人がいます。病に倒れた時、最も近くで私を支えてくれたのは、パートナーの川島典子です。がんサバイバーとして新たな人生を歩みだして5年、節目の年に頂いたこの賞を彼女に捧げます。

2020PCカンファレンス優秀論文賞

矢野浩二朗(大阪工業大学 情報科学部)
「ビデオ会議システムのVR空間への拡張による、ライブ感を高めたオンライン授業配信」

この度は2020PCカンファレンス優秀論文賞にお選びいただき、誠にありがとうございます。このような素晴らしい賞を頂き、著者としてとても光栄です。ここ数年、VR教育にかかわる研究と授業実践を行っており、過去にもPCカンファレンスで成果をご報告させていただいております。その中で得られた様々な学びが今回の受賞に繋がったと思っています。


2020PCカンファレンス優秀論文賞受賞者の矢野浩二朗さん

新型コロナ感染の広がりにより、イベントなどでVRゴーグルを生徒さんたちに使って頂く機会を作ることが出来なくなった一方で、オンライン授業が広く行われるようになったことで、VRを授業配信にどう生かすかが課題になりました。そこで本研究では、今までのVR空間におけるアバターの活用、VRシーンの録画と言った技術をZoomやGoogle Meet等のオンライン会議システムとつなげる方法を提案することで、VRアバターを使ったオンライン授業を行えるようになり、受講生からは「本当の対面授業を受けているようだ」と言っていただけるまでになりました。

まだ、開発したシステムを広く使って頂くには至っていませんが、今回の受賞を励みにシステムの更なる改良と普及に努力したいと思います。今後とも、何卒よろしくお願いいたします。

2020PCカンファレンス学生論文賞

田中海舟・川添綾・堀川遥夢・山口竜ノ介・山﨑一輝(長崎県立長崎南高等学校)
「児童虐待のない未来のために‐高校生意識調査の分析に基づいた啓発活動とその検証‐」


2020PCカンファレンス学生論文賞受賞者の(左から)山﨑一輝さん、堀川遥夢さん、田中海舟さん、山口竜ノ介さん、川添綾さん


今回は、このような栄誉な賞に私たちを選んでいただき、誠にありがとうございます。私たち5名はSSH※の課題研究で「児童虐待問題の予防的解決策」を研究してきました。児童相談所へのインタビュー、高校生への意識調査、啓発活動、検定を用いての効果検証、法改正に関する考察とこつこつ作り上げた論文が、このような形で評価していただけたことに大きな達成感を感じています。

長崎こども・女性・障害者支援センターの柿田多佳子所長(当時)、長崎総合科学大学の繁宮悠介先生、指導くださった長崎南高の先生方に深く感謝申し上げます。そして、PCカンファレンスで私たちのつたない口頭発表を温かい目でご覧いただいた皆様、ありがとうございました。会を運営していただいた方々、この賞をくださったCIECの皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。この受賞を励みに受験を乗り越え、それぞれの専門分野で研究に打ち込んでいきたいと思います。ありがとうございました。

※編集部注釈

SSH(Super Science High schools)とは、文部科学省が将来の国際的な科学技術関係人材を育成するため、先進的な理数教育を実施する高等学校等を認定し支援する制度のこと。
【文部科学省】スーパーサイエンスハイスクール(SSH)
【国立研究開発法人科学技術振興機構】次世代人材育成事業 スーパーサイエンスハイスクール

受賞者の皆さん、おめでとうございました。
PCカンファレンス論文賞の表彰は来年度も実施予定です。
たくさんの論文投稿をお待ちしております。


会長が自らインタビューを行う企画の第7回。今回は、コロナ禍で大学がオンライン授業を導入する以前からZoomを活用した様々な教育を実践している筒井洋一さん(ツツイラーニングラボ、元京都精華大学教授、元CIEC副会長)にインタビューを行いました。

筒井さんはインターネットの黎明期よりドイツの大学とのネット授業を実施するなど、時代の最先端を行く授業を模索しつづけています。2001年11月に京都精華大学へ転勤してからも、学外の社会人が参加する授業を実践する等、常に従来の大学教育の枠組みを超えた取組みをしてきました。2008~2013にかけてはCIECの副会長も歴任し、さらに近年はZoomを活用したリアルとバーチャルを融合した学びの場を構築実践しています。また2019年のPCカンファレンスでは、Zoomを用いた基調講演やシンポジウムのオンライン中継実現においても中心的な役割を担いました。

新型コロナウイルスのため大学を含む全国の学校が休校を余儀なくされ、多くの教員がオンライン授業の準備に追われる中、筒井さんの「教室という閉鎖空間」に風穴をあける今までの実践、そしてコロナ後の世界における教育の在り方について、大変示唆に富むお話を伺うことができました。
なお、前回に引き続き今回もビデオ会議サービス「Zoom」でインタビューは行われました。 

(インタビュー日:2020年6月2日 編集: CIEC広報・ウェブ委員会 古賀暁彦)



若林会長(下)による筒井教授(左上)へのZoomインタビュー(右上:聞き手の古賀)


先生方、本日はどうぞよろしくお願い申し上げます。


おはようございます。(若林先生の背景を見て)今日は出勤されているのですか?


いや、(バーチャル背景を研究室のものに変更して)出勤しているように見せているだけです。


一同(笑)


アリバイ工作用の写真のようなものです。ちょうど、自分が座っている席から後ろを撮った写真なので、ほぼ、このように映るはずだということを確認してやったという、本当にアリバイ工作です。実は、これをよく見てみると、後ろに撮っている私が映っています。


さて、筒井先生は以前よりズームを活用したり、外部協力者の方に授業に参加していただいたりというような、古典的な既存の授業の形態と比べれば、新しいやり方に積極的に挑戦されています。ちょうど、この新型コロナウイルスの広がりで、一挙に全教員が全科目でオンラインにならないといけないというような状況になったこの時期に、是非、お話をお聞きしたい方ということで、筒井先生にお願いしました。ありがとうございます。


こちらこそ、どうもありがとうございます。


まずは、今、本当にいろいろなお問い合わせや、いろいろなご協力などが、3月、4月、5月とあったのではないかと思います。全国の大学のオンライン教育の状況に、どのように関わっているか、どのように見ているかなど、そのあたりはいかがでしょうか。

全国の大学のオンライン教育の状況について


私の場合は大体3年ぐらい前から、実際にオンライン授業的なことを、対面授業の中に入れていましたから、ノウハウはかなりたまっているので、その点で言うと、対面からオンラインに変わってもそれほど違いはないのです。しかし、そういうことを想像もしていない先生方にとって、急に4月から突然、「オンラインにせよ」と言われたら、対面とオンラインの対立といいますか、違いを非常に気にされると思います。


もともと対面でかなりの成果を上げている先生方は、オンラインの方でもいろいろと工夫をされてされるので、むしろ、そのような方の新しい可能性のようなものを非常に感じています。


ただし、そのような先生方ばかりではないので、まだ非常に苦労していて、とても大変だとおっしゃっている方もいらっしゃいます。今まで私とつながりのあった方や関係のある方の相談には最優先で取り組み、まず自分の周辺のところから確実に支援している状況です。幸いオンラインの場合、私の自宅からサポートできるので、非常に対応しやすいというところはあります。


自粛が緩和されてきてもう一度対面にと戻ってしまうと、ほとんどオンライン授業のノウハウが蓄積されない状態になってしまいます。今後さらに大きな感染症の問題や気候変動などが起こりオンラインに戻るときに、また苦労されるかと思うので、今はいろいろなトライアルをされて、オンラインでの授業のノウハウを先生方に積んでいただくことが大事だと考えています。

ZOOMを活用したオンラインミーティング~チーム教育の重要性~


学生に議論させたい、学生の受け止め方をきちんと大事にしたい、学生同士の学び合いを重視したいなどとなると、どうしてもズームその他のオンラインのインタラクティブなミーティングができる環境が必要です。そうした対面に近い授業をやろうという方々が、筒井先生のところに相談に来ているところだと思います。このオンライン・ミーティング、ズームその他を使った授業に取り組まれる先生方の受け止め、あるいは出会った障害というものは、どのような感じだったのでしょうか。


100人以上、何百人の授業を対面でされていた方が、そのままオンラインに移行するというところがかなりあって、そこのところで先生方が非常に苦労されているというところが大きいのかと思っています。


私はオンライン授業のときに、コンテンツを提供する人と、それを支えるズームその他のテクニカルなところを持つ人といいますか、いわばデリバリーをやるということと、コンテンツを伝えること、これを分けた方がいいですということをずっと言っています。


具体的な役割分担は、どうなるのですか?


例えば、ズームに入る前にトラブる学生や受講者がいますから、そこを先生が対応すると、もう始まりません。その辺の部分は、テクニカルな人にお任せすればいいし、例えば、途中でさまざまな機能を使うときに、先生がやると進行が止まってしまいますから、それはもう別の方にお任せすればいいということを、ずっと言っています。


全部の授業に一人ずつサポートスタッフを付けると、とてもではないがコストが見合わないという話になります。しかしオンラインの場合は、1人のサポートスタッフが2~3の授業をパラレルに担当することができます。だからその点で、コスト的に言うと、やはり対面とはだいぶ違うといいますか、安くなるだろうというところは、正直なところあります。


確か教育工学ではかなり前から、授業は教師1人でやるのではなくて、例えば授業設計の専門家などのような人たちと協力してやりましょうということを言っておられたと思います。しかし、それがほとんど浸透していないということから、対面は教師1人であるという前提になってしまっているのが問題なのです。それをやっていないから、オンラインも教師1人でいいでしょうという話になっているのです。


チーム医療という言葉が言われて久しく、メディカルの方がコメディカルということで、さまざまな医療専門職の皆さんが、チームで患者やその家族の皆さんをサポートするということが言われています。教育の世界も全く一緒で、しっかりと組み立てられた授業を運営する上で、これから「チーム教育」の考え方がますます求められますね。


そうです


たとえば、チャットでたくさん書いてもらうという授業をすると、しゃべりながらスライドを見てチャットを見るということは結構大変です。なので私はティーチング・アシスタントの院生に、そのチャットの部分をお願いしたり、あるいは逆に院生にしゃべらせている間、私がチャットを見るというようにしたりしています。


そういう意味では、オンライン・ツール云々というよりも、やはり教育を高めていく際に、チームで取り組むということが、これからの教育の質を高めていく上で、とても大事なアプローチあるいはシステムと言えるかもしれません。


オンライン授業のオンとオフ


対面の場合は、勉強するという場に居るという強制力といいますか雰囲気が働くことで集中するということも生まれるわけです。しかしオンラインの場合は先ほどまでだらだらとゲームをやっていたその流れの中で、つまりオンとオフの切り替えがはっきりしない状況の下でやってしまうわけです。そのような状況の場で、これから勉強するという雰囲気を、オンラインの場合はしばしば意識的に作り上げないと、もうグダグダになります。先生はそのあたりのオンとオフの境界をどう考えてらっしゃいますか?


やはり、パブリックとプライベートの境目がかなり変わってきているという感じがします。家に居ると自分のプライベートを分けるということは難しいです。放っておいても、子供が走ってきたり、犬が来たり何かするものですから、これに対応してやらなければいけません。 その一方で対面授業の場合は、授業を受けるということ自体というよりも、その前後が割と楽しいのです。授業に来る前に、同級生や知り合いと少し雑談しているなどということが楽しいのです。


本当に、オンラインだと雑談がなかなか設計できないというところは、課題だと言われていますね。


それを、僕らの仲間で言うと、「放課後」ということをよくやるのです。つまり、授業が終わった後、15分なり30分なり空けておくので、授業のことで聞きたければ来ればいいし、それ以外でも何か友達同士で話したいのであれば、「少しブレイクアウトへ飛ばすから、そこで雑談をどうぞしといて」という余白の部分です。これを作らないと、要は、「授業ですから始めます、終わります」でやってしまうと、余白の部分がありません。そうしたプライベートのないパブリックな授業は非常に浅薄なものになるので運営上の工夫が必要だと感じます。

開かれた授業~授業公開の実践~


さて、筒井先生は以前から半ば公募のような形で外部協力者の方が参加する授業を実践されています。しかも、最初は見学者なのかと思ったら、授業の作り手になったり、授業にコメントをしたりということでした。立ち位置も単なるオブザーバー参加ということを超えた役割、働きをしているケースもあるようです。 なぜこのような授業を設計されているか、しかもその授業をずっとされてきて、手応えといいますか、学びの場としてどのように見ておられるのかお聞かせいただけますか?


はい、ありがとうございます。 僕は、そもそも授業公開をするということは、50代半ばになって初めてやったのです。それまでは自分の授業を、知り合いならいいですが、不特定多数の人に見せるなどいうことは絶対に嫌でした。


互いの大学教員が、お互いの授業についてはあまり文句を言わないようにしておこうというところが、暗黙の前提として、多分今でも存在していますね。


そうですね。やはり、授業公開をしたくなかった最大の理由は何かと言うと、知らない人に自分の弱点を突かれたら嫌だし、格好の悪いところを見せることが嫌だというようなところです。


実は50代に5年ぐらいスランプの時期があり、どうしていけばいいかと思っていたときに、自分が上手くいっていないところを見てもらって、場合によれば厳しい批判もあるのですが、見てもらったところで、何とかそれを改善するために協力してもらえるような構造を考えました。 つまり、自分の弱みを見せることによって、弱みだったら私でも協力できますという人たちが来るというような仕組みを作っていくということを思いついたのです。だから、かなり厳しいご批判をされる方には、きちんと頭を下げて、「すみません、われわれの現状ではこれしかできないので、是非ご協力いただけますか」と言うと、間違いなく協力してくれます。


なるほど


はい。厳しい批判は、そのときはもう本当に、のたうち回るほど嫌なのですが、その人に真摯に頭を下げて、「われわれができるのはここまでなんで、是非、何とか改善したいので協力してください」と言うと、やはり厳しい批判者というものは非常に強力なサポーターといいますか、助言者になってくれるということを何度も経験しています。


それと、特にやはり学習者が変わります。教師に教えられるということではなくて、ボランティアや見学の人などが来ると、教師が言うと正解を教えられたというような感じですが、社会人の見学者やボランティアの人になると、同伴しながら一緒にやっている仲間なので、お互い気楽にお話ができるというところで言うと、その人たちに見守られながらやっていくと、やはり変容の程度が半端ないのです。


よき授業を作るためには、外部者の目というものが有効であるということ、そして外部協力者というものが入ることで学生にとって学びの場が変わっているというお話でしたが、こうした授業から、教員中心の普通の授業とは違って、生まれてくるものとは何なのでしょうか?


私が15週のシラバスやフレームワークだけ作って毎回の授業に関しては全て外部協力者にお任せします。そして自律的な学習者を育てるという共通のゴールだけはお互いに握り合った上で、外部協力者に権限を委譲しています。そうした教員と学部協力者とのフラットな関係を学生に明示することで、学生は教師に許可を求めに来なくなり、自律した学習者として育っていきます。


ボランティアも、授業が始まったときに学生と一線ではありません。事前に集まってもうまくいかない。初めて会ったばかりの人たちは、能力が高くても上手くいかないのです。その上手くいかないところを、何とかして授業に持っていくというようなところがあり、学生はそれをよく分かっています。 言葉では、「皆さん、初対面の人でもちゃんと集まって、成果を出すようなチームになりましょう」と言うことはできますが、やはり自分たち自身がやって上手くいかないところもあるけれども、それを何とか克服してやっている人の言うことだから、多分、学生は一緒にやるのでしょう。


そこは結構おもしろい点ですね。 外部協力者の皆さん自身が、まさに自律的な学習者、自己調整型の学習を、個人としてもチームとしても、工夫をしながら進めているというプロセスが存在していて、そこに学生が、見て、関わって、自らもそれに学びながら、自己調整型学習としてのプロセスを体験をしながら、そのような能力、あるいは態度というものを学んでいるのですね。


オンライン授業になってもあまり変わったことがないといいますか、元々対面でやっていたことをオンラインにしても、あまり変えなくてもよかったということで言うと、非常に楽です。 一方でオンラインの見学者は増えました。今までは、見学者が実際に教室に足を運んでいただいた方が多かったのですが、そうなると、やはりどうしても近くの方になります。それが、オンライン見学者にすると、全国あちらこちらから来られるのです。 先日もオンライン見学者を募集したら、15分ぐらいで4名集まりました。オンライン授業、オンライン・セミナーをライブで見せるというところはまずありませんから。

CIECの魅力 CIECのこれから


最後に、CIECの魅力やこれからということで一言お願いします。


90年終わりぐらい、ちょうどCIECが立ち上がった頃から加えていただいて、もう本当に最初は、全国の大変な方々が集まって、理系に限らず、学校の先生もいらっしゃいますし、さまざまな人たちが新しいものを作るのだというエネルギーは、やはりすごいと思いました。だから、そこで関わらせていただいて、副会長もさせていただきました。転換点のときに、そのような役員をさせていただいて、僕は非常にありがたかったと思います。


今、様々な学会からコロナで大会ができないのでオンラインの要請がたくさん来ます。だから、PCカンファレンスにしてもオンライン学会の道もせざるを得ないと思いますが、やはり学会というものは懇親会も含めて人的なつながりの部分をどこかに残さないといけないのです。 今は現地開催ができないから完全オンラインですが、現地開催ができるようになった時が、おそらく次の飛躍なのです。だから、現地で開催するもので全部やらなければいけないということは多分なくて、現地で集まるからこそいいものをしっかり厳選することと、あとは、その場でなくてもいいものはオンラインで実施すれば、多分経費的に非常に安くなります。かなり安くなりますから、そのような経費は下げつつ、成果を上げるような感じの学会になっていただければいいと思っています。


ありがとうございます。確かに教育も、このような学会活動も、対面で人と人とのつながりで、それがいろいろな新しいクリエイティブなものを生み出せて、一緒にやっていこうという協同が生まれるというところがあるのです。これからますます、対面の価値というものも上がるけれども、オンラインでどんどんできることもあります。 ちなみにPCカンファレンスは今回は完全オンライン開催をする予定です。ただ、基調講演とシンポジウムは対談形式があるので、今のところ基調講演とシンポジウムの講師は同志社大学に集まって、そこから配信する予定になっています。


そうなのですか。


あとはもう基本、分科会などは、それぞれの研究室や自宅から発表者が入ってくる、参加者も入ってくるという形にしようなどという話をしています。今回は、そういう意味では、完全オンライン開催でがんばりますが、これからは現地でもやるし、オンライン配信もあるというようなインタラクティブなブレンド型の学会大会、カンファレンスの開催というように、おっしゃるとおり、是非、バージョンアップしていきたいと思います。またそのときには、ご相談、ご協力をお願いするかもしれませんが、よろしくお願いいたします。 本当に今日はどうもありがとうございました。


こちらこそありがとうございました。