MERLOT(Multimedia Educational Resource for Learning and Online Teaching)とは,米国・カリフォルニア州立大学(CSU)が中心となり高等教育に おける学習・教育の質向上のためのオンライン教材の集約・開発を目的とした国 際協力団体で,高等教育機関,企業,非営利団体等との連携により運営されています。今回,CIECがグローバル化の一環としてMELROTとのプロジェクトに参画することになったのを機会に,MERLOTをより多くのCIEC会員に紹介し,このプロ ジェクトへの積極的な参加を促したいと考えています。

特に,CSUとしてCIEC側への要望として,現在全世界で日本語を学習している人々へのために,「日本語学習用コンテンツ」だけでなく「日本語によるコンテンツ」が求められていて,MERLOT内にそのコンテンツを充実させたいと考えているとのことです。それは大学教育対象のみならずK-12 対象も含めてであり,CIECとの協力体制を確立させることで,より充実したOER(Open Educational Resources)の実現を考えているようです。

そこで第1回ワークショップでは,まず会員にMERLOTがどのようなものかを 知っていただき,いずれは会員によるWEBコンテンツの提供体制の確立を考えています。

そしてさらに今回は,今後の初等中等教育および高等教育におけるMERLOT型ラーニングコミュニティ支援のあり方をも皆さんで議論していきたいと考えます。

内容

  • 2017年1月4日 (水) 13:30 - 16:30:以下の詳細をご確認ください
  • 2017年1月5日 (木) 10:00 - 12:00:MELROT体験(Webコンテンツを作成・運用している参加者がいれば,コンテンツに関する情報交換も実施する予定です)

対象と定員

  • 対象:大学および小中高の教職員
  • 定員:約20名

注意事項

ノートPCもしくはタブレットPCをご持参ください


2017年のPCカンファレンスについてご案内申しあげます。

2017PCカンファレンス
日時:2017年8月5日(土)6日(日)7日(月)
会場:慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス

分科会論文発表の受付開始は2017年2月20日を予定しています。
皆さま奮ってご応募ください。

詳細は決まり次第ご案内申し上げます。


九州PCカンファレンスinおおいたが 「IoT時代に生きる若者たち ~おんせん県の新たな源泉~」をテーマに2016年11月5日(土)~6日(日)に大分大学において開催された。

カンファレンスは西野実行委員長(大分大学)のご挨拶に引き続き科学技術振興機構さきがけ専任研究者の藤木淳氏による基調講演Ⅰ 「物理の人間化」で幕を開けた。

藤木氏はPSPゲームの「無限回廊」を初めとする、ゲームや映像作品を監修してきた研究者であり、 基調講演では研究成果物がデモを交えて紹介され、聴衆はその世界に引き込まれた。 その成果物の魅力は文章や静止画ではとても伝えきれるものではないので、 ご興味のある皆さんには氏のWebサイトなどから作品群を一度ご覧頂きたい。

http://jun-fujiki.com/

氏は制作にあたってのキーワードとして「外への接近」と「内なる探求」の2点を挙げていた。 「外への接近」は外=体験者に向けた導入や体験のデザインであり、「どうやって体験者がすんなり入っていけるのか」という点を考えているという。また、「内なる探求」は内=自らの関心「こうすればどうなるかな」 を中心においた実験的アプローチであるという。そして両者の相互触発を常に意識しているという。 この点は、教育における実践と研究の両立にも繋がるスタンスであるように思われた。

基調講演1の後はITフェアが開催され、出展31社により、パソコン、プリンタ、電子黒板、サポートサービス、教材やコンテンツなど多岐に渡る最新あるいは今後発売予定の商品・サービスの展示やデモが行われ、参加者との活発な情報交換が繰り広げられた。それらの商品・サービスは今後、各生協を通じて教職員や学生に届けられることが期待される。

続く基調講演Ⅱは「地方から世界へ~コンテンツビジネスを通して観る世界から」。モンブランピクチャーズ株式会社エグゼクティブプロデューサ平田武志氏と西日本テレビ 事業局長 木下茂憲氏のトークショー形式で行われた。

【モンブランピクチャーズ 】http://mtblanc.jp/

海外5カ国で同時公開、イタリアでは250館以上で上映されたアニメーション「放課後ミッドナイターズ」http://afterschool-midnighters.com/ のプロデューサである平田氏から聴き手へのメッセージは「人生のうちだいたいのことはPhilosophy(思想・思い)とPassion(情熱)を持って、Action(行動)していけばなんとかなる。」というもの。このメッセージに沿って「シン・ゴジラ」や「君の名は」といった最近のヒット作を中心に、コンテンツビジネスの今についてトークが展開された。

印象に残ったのは「ネット時代の今、東京というフィルタを考えなくてもよくなりつつある。以前はコンテンツを売っていくには『東京を通らなければ 』というところがあったが、今や、東京で成功しなければ海外に進出できないということは無くなってきている」という指摘で、これは地方発のコンテンツビジネス(エンタテイメントのみならず教育コンテンツも含め)の可能性を強く感じさせるものだった。

その後の懇親会では、大分大学生協による心のこもった大分郷土料理や大分産の食材を活かした料理、地酒やワイン、焼酎などの飲み物に舌鼓を打ちながら参加者同士の交流が深められた。


2日目の午前中は3つの分科会が行われ、様々な分野の研究や実践に関する7件の発表や、電子教材に関するワークショップが行われた。

カンファレンスの最後はシンポジウム「新しい時代を生きる若者たちを育てるために取り組み ~学校教育現場と大学における教職員への支援・人材育成~」。大分大学の山下茂氏の進行のもと、パネリストの大分大学教育福祉科学部4年生の久保拓史氏、大分県教育庁教育財務課情報推進班の土井敏裕氏、佐賀大学全学教育機構教授の穂屋下茂氏が報告を行った。

久保拓史氏は現役大学生の立場で、Microsoft OneNoteを用いた授業ノートの集約や再利用といった自身の学習方法や中学校での教育実習における動画を用いた生徒の動機付けを紹介した上で、大学生にもっとパソコン・タブレットに触れる機会を増やすことやICTを楽しむための情報教育の必要性を提起した。

土井氏は小中学校CIO研修、「スマートデバイスを活用した学校・市町村における授業作りの先駆者、授業デザイナー」であるICTスマートデザイナーの育成や支援の事例について、行政の立場から報告した。氏はICTスマートデザイナー育成事業を通じて見いだした教育のICT活用指導力向上のキーとして「必要な機器が常時使える環境」「協働できる仲間の存在」「適度なミッション」「研修、指導体制」「サポート体制」の5つを挙げ、研修と整備の一体化、県と市町村の密な連携の必要性を述べていた。

【大分県教育庁教育財務課】 http://kyouiku.oita-ed.jp/zaimu/

佐賀大学全学教育機構教授の穂屋下茂氏からは佐賀大学ICT活用教育共同利用拠点「クリエイティブラーニングセンター 」について、その背景となる大学教育改革の必要性を述べた上で、クリエイティブラーニングセンターの体制や取り組みが報告された。

【佐賀大学eラーニングスタジオ】  http://net.pd.saga-u.ac.jp/e-learning/

また、大分大学の山下茂氏からも大分大学の取り組みについて報告された。

【大分大学高等教育センター】http://www.he.oita-u.ac.jp/

活発な質疑応答の後に、コーディネーターの山下氏よりまとめとして、本カンファレンスのテーマでもある「IoT時代」に向けたステップとして、学校現場での授業において普通にICTが活用される前提での学力の再定義と再構築の必要性が述べられ、シンポジウムは締めくくられた。

九州PCカンファレンスinおおいたは約160名の参加者を得て成功裏に幕を閉じた。生協職員、学生、教員・研究者、ICT関係者が一体となった交流や議論が今回も大変に活発に行われ、今後の九州内外の連帯が大いに期待された。主管となった大分大学生協のきめ細やかな「おもてなし」に心から感謝したい。

報告:北村士朗(CIEC副会長理事)


【関連Webサイト】 九州PCCinおおいた 公式Webサイト http://kyushu.seikyou.ne.jp/pcc/ IT Pro 教育とICT「「コンピュータ活用教育」の研究・交流イベント――2016 九州PCカンファレンス」 http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/14/090100053/111400210/