2025PCカンファレンス2日目の8月22日(金)に分科会表彰式が行われ、大会実行委員長の髙橋 玄一郎(鹿児島大学)から各賞の受賞者に対して表彰状が読み上げられました。受賞者の皆さんの「喜びの声」を、(1)論文賞 と (2)U-18研究奨励賞 に分けてお伝えします。

最初は論文賞に輝いた皆さんの声です。論文賞は、投稿された一般・学生論文74本(ポスター発表含む)を対象に、全分科会座長12名と大会実行委員1名の計13名による1次選考、大会実行委員8名による2次選考という厳正な審査を経て、最優秀論文賞1本、優秀論文賞1本、学生論文賞1本が選出されました。

2025PCカンファレンス最優秀論文賞

「細分化した学習項目に基づく数学学習用問題のAI自動生成に関する検討」

石田 崇 (高崎経済大学) 須子 統太 (早稲田大学) 小林 学 (早稲田大学) 雲居 玄道 (長岡技術科学大学) 隈 裕子 (九州産業大学) 平澤 茂一 (早稲田大学)


<受賞コメント>
この度は、2025PCカンファレンス最優秀論文賞にご選出いただき、誠にありがとうございました。著者一同、大変光栄に存じます。心より御礼申し上げます。

本研究は、生成AIを活用した教育支援の可能性を模索する中で、学習用練習問題の自動生成において、問題の難易度や出題範囲などの制約条件をAIに正確に伝え、生成する問題を適切に制御するための手法を検討したものです。階層構造を持つ学習項目群に対して適切なプロンプトを設計することで、高精度な問題生成が可能であることを示し、様々な学習領域への応用の可能性も見出すことができました。

本論文の著者は、生成AIの登場以来、ほぼ毎週オンラインで議論を重ねてきた研究グループのメンバーです。この受賞を励みに、今後もAI技術の急速な進歩を懸命に追いかけつつ、教育等への応用研究に取り組んでまいります。

改めまして、査読をしてくださった先生方、カンファレンスを運営してくださった皆様に感謝を申し上げます。ありがとうございました。

2025PCカンファレンス優秀論文賞

「AI翻訳・生成は自分の言葉になり得るか?―思い入れと専門性に着目したケーススタディ―」

近藤 雪絵 (立命館大学) 木村 修平 (立命館大学) 山中 司 (立命館大学) 八木 暢昭 (株式会社みらい翻訳/京都大学大学院) 小池 享子 (株式会社みらい翻訳)


<受賞コメント> 「優秀論文賞」という素晴らしい賞をいただき、心より感謝申し上げます。 本PCカンファレンスの企画・運営に携わられた皆様に深く御礼申し上げます。

私たちの研究は、AI翻訳や生成AIを介して生まれた英文が、いかにして学習者自身の「自分の言葉」となり得るのか、そのプロセスを探究したものです。分析を通じて、人間ならではの要素といえる専門知識や思い入れが、テクノロジーとの協働を通じて大きな力を発揮することがわかりました。

立命館大学のプロジェクト発信型英語プログラムでは、2022年度から「みらい翻訳」を導入しており、教育現場での活用と検証を産学連携で進めています。こうした挑戦を積み重ねた成果を評価いただけたことを、大変うれしく思います。

最後に、大切な学びのプロセスを共有し、本研究に協力してくださった学生の皆さんに心から感謝いたします。 この受賞を励みに、今後も教育とテクノロジーの協働による新たな可能性を模索してまいります。

2025PCカンファレンス学生論文賞

「学校部活動の地域移行における競技意欲と自己調整力向上を目指した支援サービスの構築」

駒井 叶登 (公立千歳科学技術大学大学院) 石田 雪也 (公立千歳科学技術大学大学院) 曽我 聡起 (公立千歳科学技術大学大学院)


<受賞コメント>
この度は,学生論文賞という名誉ある賞を賜り,大変光栄に存じます。
本研究では,学校部活動の地域移行に伴い生じる課題に着目し,生徒が変化の中でも主体的に学び続けられる仕組みを構築することを目的として,ICTを活用した振り返り支援に取り組みました。その成果として,部活動における学びの質を高める可能性を明らかにすることができました。
今後も,地域移行の時代にふさわしい新たな部活動の在り方を探究し,生徒の成長を支える仕組みづくりに尽力してまいります。
最後に,本研究の推進にあたりご指導・ご協力を賜りました皆さま,ならびに本カンファレンスの運営にご尽力いただいた関係者の皆さまに,心より御礼申し上げます。