CIEC 第120回研究会
開催趣旨
「理数探究(仮称)に関する資料」(文部科学省)等によると、様々な事象に対して知的好奇心を持つとともに、教科・科目の枠にとらわれない多角的、複合的な視点で事象をとらえ、科学的な見方・考え方や数学的な見方・考え方を豊かな発想で活用したり、組み合わせたりしながら、探究的な学習を行うことを通じて新たな価値の創造に向けて粘り強く挑戦する力の基礎を培うために、総合的な学習の時間は、総合的な探究の時間に名称が変わり、「総合的な探究の時間」への変更とは別に、「理数探究」が新設される。
本研究会では、中学生の数学および高校生の物理で学ぶ放物運動を題材にMathWorksのMATLAB/Simulinkソフトウェアを用いて、ワークショップ形式で実施する。MATLABは、MathematicaやMapleなどの数式処理システムと同様、数式処理のほか、行列演算などを使った数値解析に特化したプラットフォームであり、データサイエンスをベースとする工学分野への応用など活用は多岐にわたる。また、Raspberry PiやArduinoとデータの送受信を行ったり、システムのシミュレーションに活用されるSimulinkを利用すれば、ハードウェアにプログラムを組み込むことが可能で、スタンドアロンでデータ処理が可能。センサーから取得したデータをもとにリアルタイムに制御、あるいは、取得したデータ・ログから予測をさせるなど、技術科や情報科のプログラミングの単元での利用も可能であると考えられる。
今回のワークショップでは、物理的な実験「放物運動」を取り上げる。ボールを実際に投げ、そのボールをスマートフォンなどで撮影し、その動画から画像処理を施しボールの部分だけを抽出、分析をおこなう。分析の過程では、学習者の興味に従って試行錯誤がおこなえる要素が含まれており、教示とは異なる探究的な学習も可能であると考えられる。分析の流れを実際に体験していただき、その体験をもとに、探究的な学習について議論したい。
対象・人数
参加人数:約40名