報告者

辰己丈夫 (東京農工大学総合情報メディアセンター)
平野伸彦 (横浜国立大学生協専務理事・大学生協東京事業連合 教材・学習用PCプロジェクト委員長)

開催趣旨

「2006年問題」まであと1年となりました。 2003年度の学習指導要領改訂により、高等学校において新たに普通教科「情報」が新設され、必修科目となったことはご承知のとおりです。2006年は、教科「情報」を3年間学んだ新入生が初めて大学に入学してくる年となります。これに伴い、大学における情報教育がこれまで以上に大きく変化することが予想されます。これがいわゆる「2006年問題」と言われるものです。

CIEC生協職員部会ではこの数年にわたり、大学におけるパソコン必携化の状況と大学生協のパソコン提案活動について研究会を開催してきました。2005PCカンファレンス開催地企画「PC必携科時代の教育/教育環境を考える」では、以下のような感想文が寄せられています。

「来年から情報科目を履修した新入生が本格的に入学してきます。その点とPC必携化を考えたときに、これから大学生協は何をするべきなのか?」(生協職員)

これまでの到達点を踏まえて、第56回研究会では、「大学の情報教育における『2006年問題』について考える」をテーマに、実際の高校における教科「情報」の現状について学ぶとともに、教科「情報」を学んだ新入生が入学するにあたって、大学の情報教育がどのように変化していくかを展望します。またそういった大学の情報教育や新入生のスキルの変化に際して、大学生協としてどのようなパソコンの提案、サ ポートを行っていくことが必要かについて考えます。

まず、東京農工大学の辰己先生より、教科「情報」の現状についてご報告をいただきます。辰己先生は、情報処理学会内の情報処理教育委員会で、シンポジウム「高校教科『情報』の現状と将来」の企画運営に参画されており、主にシンポジウム内で話されたことを元にご報告をいただきます。

次に、横浜国立大生協平野専務より、大学生協のパソコン提案活動の到達点についてご報告をいただきます。平野専務は、昨年から大学生協東京地区の教材・学習用PCプロジェクトの委員長として、機種選定や講習会・サポートのあり方など、大学生協が新入生にPCを提供するにあたっての論議全般の座長をお務めで、来年度に向けた準備状況も含めてご報告いただきます。

二つの報告を受け、2006年を迎えるにあたり、大学内でどのように情報教育が変化し、それに伴って大学生協でのパソコンの提案活動、サポートがどのように変化するかについて、考えていければと思います。 今研究会では、実際にパソコンの提案活動に関わっている生協店舗の担当者、店長はもちろん、新学期の提案活動全般について責任を持つ専務理事や学生・教職員理事の皆様、また大学で情報教育に携わる教職員の皆様にも興味を持っていただけるテーマではないかと考えています。ご参加をお待ちしています。

参加費

CIEC 会員及び大学生協組合員は無料、その他の方は500円となっています (どなたでもご参加いただけます)。


プログラム

13:30 - 14:30 (10分ほどの質疑応答を含む)

iPod nano の紹介と語学学習用としての iPod 活用事例

秋間 亮 (アップルコンピュータ株式会社 チャネルセールスアカウントマネージャー)

14:40 - 15:40 (10分ほどの質疑応答を含む)

資格教育・語学教育における iPod の活用事例

斉藤 敦 (株式会社東京リーガルマインド WEB事業部制作課長)

15:50 - 16:50 (10分ほどの質疑応答を含む)

iPod への語学教材取り込み -VOA 素材の活用について

上村 隆一 (北九州市立大学国際環境工学部 教授)

16:50 - 17:00

質疑応答

(敬称略)

開催趣旨

前回、大変好評の iPod に関する研究会 (第53回研究会:テーマ「iPod の教育への活用・実践そして可能性」) の第2弾。

iPod は携帯音楽プレーヤーの代名詞とも言われるようになり、Apple の楽曲管理ソフト「iTunes」は、音声ファイルを自動的に収集できる仕組みをサポートしました。この機能は、欲しい音楽などを登録しておけば、自動的にダウンロードしてくれるため、新しいコンテンツ配信の仕組みとして注目を集めています。そして、iPod が、ただ単に音楽を再生する機器ではなく、学習用機器としても、いつでもどこでも必要なリスニング教材を聴ける語学教育などへと利用が広がっています。

今回の研究会ではアップルコンピュータ株式会社の方をお招きし最新の iPod nano についてご紹介いただき、各教育機関での語学学習への iPod 活用事例などについてお話していだだきます。

また、資格の総合スクール東京リーガルマインドでは、iPod の圧倒的な記憶容量を利用して膨大な講義を収録し、iPod クラスを開講されていますが、今回は iPod を利用した新しい資格学習講座の「TOEIC 基礎力養成講座 iPod クラス」などに関する話題を。

さらに、CIEC の外国語教育研究会では、「VOA (Voice of America) プロジェクト」として、VOA 素材から外国語 e ラーニング教材の開発を行ってきました。今回は VOA 素材から外国語学習教材を iPod を利用した教育に使用できる英語教材の作成に関する具体的な方法についてわかりやすくお話いただく予定です。

そして、広い意味での携帯用音楽プレーヤーの教育への利用の可能性が探れ、少しでも、これからの教育や研究現場で活用する上でのヒントになれば幸いと考えています。

参加費

CIEC 会員は無料、その他の方は500円となっています (どなたでもご参加いただけます)。


プログラム

第1部 CIEC 関西支部設立集会

設立集会挨拶

CIEC 生協職員部会関西支部設立に寄せて
遠藤 久満 (京都工芸繊維大学生協 理事長)

CIEC 生職員部会関西支部への期待

内赤 尊記 (CIEC 生協職員部会 副代表)

CIEC 生協職員部会関西支部設立

設立趣旨および組織 (世話人会) 今後の活動計画
CIEC 生協職員部会設立準備世話人代表

参加者からの発言、意見交換

第2部 CIEC 第54回研究会 (関西支部設立記念研究会)

CIEC 生協職員部会関西支部への期待

若林 靖永 (CIEC 副会長、京都大学 教授)

CIEC 小中高部会からの報告

小西 浩之 (滋賀県立水口高校 教諭)

各生協取り組み報告

京都大学生協 松永 剛士 (京都大学 情報学院生)

龍谷大学生協 加藤 由美 (龍谷大学生協 職員)

兵庫県立大学西部生協 末松 泰信 (兵庫県立大学西部生協 専務理事)

金沢大学生協 梅原 建次 (金沢大学生協 職員)

第3部 懇親会

京都工芸繊維大学生協食堂

(敬称略)

プログラム

14:00 - 14:40「よのなか科」体験授業
14:50 - 15:50藤原和博校長の講演
15:50 - 16:00休憩
16:00 - 17:00意見交換、討論

開催趣旨

基礎学力低下論のなか「授業時数」や「総合的な学習の時間」の扱いについてさまざまな議論が巻き起こっています。そして「ゆとり教育」の是非についても論じられています。しかし、このような議論において「授業」そのものが語られることはほとんどありません。そこで、CIEC 小中高部会では今後研究会等の活動のなかで、子どもの視点にたった「授業」について考えていきたいと思います。

今回は、杉並区立和田中学校を会場に、同校で「よのなか科」を実践されている藤原和博校長による授業を参加者に体験していただきます。その後、藤原校長からこの「よのなか科」についてご講演いただく予定です。

そして、初等中等教育において「授業をデザイン」する意義について参加者と共に考えていきたいと思います。

※藤原和博氏と「よのなか科」

藤原氏は株式会社リクルートの「フェロー」として第一線のビジネスマンでしたが、2003年に都内で初めて民間人の公立中学校校長として和田中学校に就任しました。そして、さまざまな学校づくりのアイディアの一つとして取り組んだ授業改革がこの「よのなか科」の実践です。これは、社会人と教師がタッグを組み、通常の教科授業で学ぶ知識をどのように使えば世の中で役立つ知恵や技術に変えられるのかを学ぶ授業です。

多数の皆様のご参加をお待ちしています。

参加費

CIEC 会員は無料、その他の方は500円となっています (どなたでもご参加いただけます)。


2004年度のプロジェクト事業には以下の7件が選ばれました。

学生と共に作るマルチメディア英語学習教材

代表者:竹内 勝徳 (鹿児島大学)
支給額:40万円

インターネットの検索能力の差異に及ぼす要因

代表者:生田 茂 (東京都立大学)
支給額:40万円

無線LANを利用した遠隔会議への参加実験

代表者:和田 武 (愛媛大学)
支給額:40万円

アニメーション手法を用いた参加型中国語会話学習教材の制作

代表者:呉 靭 (山口大学)
支給額:40万円

日英パラレルコーパスを利用した外国語学習教材の制作と授業実践に関する研究

代表者:中條 清美 (日本大学)
支給額:40万円

アニメーションを用いた工学教育の支援プログラムの開発

代表者:穗屋下 茂 (佐賀大学)
支給額:40万円

CALL システムと携帯電話を統合利用した英語教育研究

代表者:小張 敬之 (青山学院大学)
支給額:40万円