開催趣旨

東日本大震災では多くの尊い命が一瞬にして奪われました。同時に情報メディア基盤のインフラ整備についても整備や運用の問題も浮き彫りになりました。特に、身近な情報端末としての携帯電話についても改めて問題となりました。今回の地震による災害避難情報が携帯に伝わらなかったこと、被災した方々の気持ちとは裏腹に日本全国に震災に絡んだチェーンメールが出回ったこと、またマスメディアにおいても様々な情報が錯綜し「本当の情報は?」といった情報の信憑性やマスコミの対応に疑問視する声が日増しに多くなるなどいわば「情報の影」の部分が浮き彫りになった震災ではなかったと思います。このことは普段「情報モラル」を指導している私たちにとって改めて考えさせられる経験でした。

今回の研究会では、この震災を通じて「情報とは何か」について改めて考え、震災から学び得たものや改善すべきものを整理するとともに、校種別 (小・中・高・大) に今回の震災を影響について問うてみたいと考えています。

また、参加された東北・関東地区の先生方から実践報告も兼ねた研究会にしたいと考えております。

プログラム

10:00 - 10:10
[ 開催趣旨説明 ] (小中高部会)
10:10 - 11:00
[ 講演 ]

「震災とメディアの活用~リテラシーと情報支援を中心に~」
講師 藤川 大祐 氏 (千葉大学)

11:00 - 11:15
[ 休憩 ]
11:15 - 12:50
[ 実践報告 ]

* 研究会の参加者から「震災の影響について」のご報告をいただければと考えております。
参加対象:情報モラルに関心のある方は、是非、ご参加ください。

参加費

CIEC 会員は無料、その他の方は500円 となっています (どなたでもご参加いただけます)。


「CIEC春季研究会 2011」開催のお知らせ

ご無事であることを心よりお祈り申し上げますと共に、被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。

CIEC会長、副会長からの「東北地方太平洋沖地震お見舞い」メッセージにも書かれておりますが、ネットワークメディア活用による情報対応能力が極めて重要であることは明らかであり、情報弱者への対応も大きな問題になっております。

このような緊急事態だからこそ、教育と学びにおけるコンピュータおよびネットワークの利用のあり方等に関する研究成果に、数多くの課題があることに「気づき」、そこから何を「学び」、そして何を「考え」「行動」すべきかを議論できるかもしれません。我々にできることは、教育・研究者として、いかなる事態でも、教育や研究を継続し、比較的被害の少なかった東京で予定されていた平常の活動や研究会を粛々と進めることも重要であると考えます。

東日本大震災以降、このような研究会などは、中止が当然という流れで、全国的に様々な学会や研究会などが次々と中止されていますが、教育・ 研究活動に支障が生じていることについて懸念を表明している発表者や参加者が複数いますし、逆にこのような事態であるからこそ、教育や研究に関わる者が集まる必要があると考える発表者や参加者がいることも事実です。

発表は、当初のプログラム通りに行う予定にしております。しかしながら、様々な事情等により、空白となる時間帯や発表順序の変更、発表会場の合併等が生じる可能性があることを、ご了承ください。

会場 (〒166-8532 東京都杉並区和田3-30-22 大学生協会館) の建物は、幸い損害もなく使用可能の状態です。

一定の落ち着きを取り戻しつつありますが、いまだ、交通事情、停電等における突然の事態により、開催直前・開催中に中止・中断せざるをえない可能性は否定できません。

発表・参加についてはこのような条件を考慮し、くれぐれも無理のない範囲でご参加ください。

都合により、以下の発表は中止となりました。 [ 2011.3.24現在 ]

  • B会場 セッション3 実践論文「タブレットPCを用いた韓国語電子教科書の試作および評価」
  • B会場 セッション3 研究速報「更なる携帯電話機の活用による韓国語学習の拡大へ ‐ハングル検定5級試験対策用の学習アプリ‐ 」
  • B会場 セッション4 研究速報「Web作成技術に関する基礎知識の測定」
  • A会場 セッション5 資料論文「Podcastによる電子書籍 (PDF・EPUB) の配信」

開催趣旨

学びとコンピュータやネットワークの利用に関する教育や研究をされている多くの方々のご協力とご支援をいただき、CIEC研究委員会では、昨年度に続き、査読付論文誌『CIEC研究会論文誌Vol.2』を発行いたします。

コンピュータやインターネット、そして、ケータイなどの情報コミュニケーションツールが急速に高機能化し、高度化するだけでなく様々に関係しながら我々の社会生活に大きな影響を与えています。このような背景の中で、教育の質の向上のために、ICTを活用した教育に関する新しい方法がいくつも開発され、また、実際の教育の現場で多く試みられながら実践され、成果をあげていることがこの研究会での報告からもわかります。

そして、これらの成果を積み重ねることで、主観的で感覚的な評価も次第に客観的で具体的な目標とそれを達成すべきレベルとして明確に示すことができるようになると考えられます。

この研究会では、『CIEC研究会論文誌Vol.2』に掲載される教育と学びにおけるコンピュータおよびネットワークの利用のあり方等の研究やその実践の報告が行われますので、会員のみなさまの積極的な参加を期待しております。

プログラム


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論文発表プログラム (PDF形式, 291KB)

参加費

CIEC 会員は無料、その他の方は500円 となっています (どなたでもご参加いただけます)。



開催趣旨

「デジタル教科書」がいくつかの学校で活用され始めています。今年8月に文部科学省より発表された「教育の情報化ビジョン(骨子)」では、デジタル教科書・教材として「指導者用デジタル教科書」と「学習者用デジタル教科書」が分類され、「学習者用デジタル教科書」については、協働的な学びを創造していくために、教員と子どもたち又は子どもたち同士の双方向性を確保し、ネットワークを介した書き込みの共有、学習履歴の把握、理解度に応じた演習や家庭・地域における自学自習等に役立てるなどと記述されています。

総務省の実証研究である「フューチャースクール推進事業」においても、全ての児童・生徒にタブレット型PCを配布し、通常の教室すべてに電子黒板を設置するとともに「協働教育プラットフォーム(教育クラウド)」の環境を各実証校に構築するとのことです。

次の世代の担い手であるすべての子どもたちが、デジタル教科書や電子教材を日常の情報環境で使いこなすことは、書籍の電子化やその流通、著作権までを含んだ変化をもたらし、社会への影響も非常に大きなものになると考えられます。

この研究会では、小学校から大学・大学院の専門教育の領域まで、デジタル教科書・電子教材のあり方とそれらの有効な活用方法について4つの講演を開催します。

プログラム

13:00 - 13:10
[ 開会挨拶 ]
13:10 - 14:00
[ 講演1 ]

それは2005年の教室をめざしたときから始まった。
講師 原 久太郎 氏 (イーテキスト研究所)

2000年4月に政府はミレニアムプロジェクトで、「2005年度を目標に、全ての小中高等学校等からインターネットにアクセスでき,全ての学級のあらゆる授業において教員及び生徒がコンピュータを活用できる環境を整備する。」と打ち上げた。それにむけて、学校現場や教材各社が、2005年の教室で求められるデジタル教材について研究を開始した。

14:10 - 15:00
[ 講演2 ]

9年も待てない!2010年の「デジタル教科書」という言葉が与えてくれたポイント
講師 眞壁 豊 氏 (東北文教大学)

文部科学省が2020年度の完成予定を打ち出したフューチャースクール全国展開までに、いまもなお現在進行形で進んでいる情報化社会の変化の中で、我々は「今」「何に」学んでおいたほうが良いのか。カリキュラムの構造、教材づくり、デザイン、そして音楽の観点から、個人的に即効性があると思われる論点を提示する。

15:10 - 16:00
[ 講演3 ]

医学教育における電子教材の効果的な活用について
講師 三谷 正信 氏 (札幌医科大学)

eラーニング等に利用される電子教材の作成とその利用方法について、医学教育での事例を中心に紹介します。

16:10 - 17:00
[ 講演4 ]

『「デジタル教科書」推進に際してのチェックリストの提案と要望』について
講師 辰己 丈夫 氏 (東京農工大学)

日本数学会、日本化学会、情報処理学会など、理数系の8つの学会が合同で、デジタル教科書についてのチェックリストを公開した。本講演では、このチェックリストの作成の経緯と、その内容について紹介を行う。

* 研究会終了後、有志による懇親会も計画します。

参加費

CIEC 会員は無料、その他の方は500円 となっています (どなたでもご参加いただけます)。


開催趣旨

平成20年3月に告示された学習指導要領 (高等学校は平成21年3月告示) では、「言語活動」が重視されており、たとえば、高等学校学習指導要領の中には、「各教科・科目等の指導に当たっては、生徒の思考力、判断力、表現力等をはぐくむ観点から、基礎的・基本的な知識及び技能の活用を図る学習活動を重視するとともに、言語に対する関心や理解を深め、言語に関する能力の育成を図る上で必要な言語環境を整え、生徒の言語活動を充実すること。」とあり、国語や外国語だけでなく、教科「情報」でも言語活動について重視することになっている。

このように新しい学習指導要領で言語活動が取り入れられた背景には、ケータイの普及による対面による会話の不足、作文をかけない学生、面談や電話の応対のできない新入社員、など教育現場をはじめとして様々な場所における言語活動の不足が、社会人全体の言語力の不足につながり、さまざまな社会問題として取り上げ始められていることがある。また、2009年10月には文字・活字機構による言語力検定が行われている。

CIEC小中高部会では、初等中等教育における言語活動に関してさらに理解を深めるとともに、情報教育と言語活動や今後の学習活動のあり方について議論していきたいと考え、このような研究会を企画した。会員のみなさまの積極的な参加を期待しています。

プログラム

13:00 - 13:10
開会・開催趣旨の説明
13:10 - 14:40
[ 講演1 ]

学習指導要領と言語力
講師 北川 達夫 氏

14:40 - 15:00
[ 質疑応答 ]
15:00 - 16:00
[ 講演2 ]

対話学習の創造と評価(仮)
講師 前川 明 氏

16:00 - 17:00
[ 討論 ]

情報教育と言語活動に関しての討論

北川 達夫(きたがわ・たつお)

元外交官・教材作家、日本教育大学院大学客員教授

1966年東京都武蔵野市の生まれ。高校生の時に儒家の拝師門徒となり、四書五経などを北京・上海・台北などを巡りつつ6年かけて学ぶ。文武兼修として武芸十八般を修める。早稲田大学法学部卒業後、外務省入省。ヘルシンキ大学歴史言語学部に学び、フィンランド専門官として養成される。在フィンランド日本国大使館在勤 (1991~1998年)。在エストニア日本国大使館兼勤。帰朝後に退官したのち、英語・フランス語・中国語・フィンランド語などの通訳・翻訳家として活動しつつ、フィンランドで母語・文学科の教科教育法と教材作法を学ぶ。日本とフィンランドをはじめ、旧中欧・東欧各国の教科書・教材制作に携わるとともに、国内の学校では、グローバル・スタンダードの言語教育を指導している。財団法人 文字・活字文化推進機構調査研究委員。現在、学習指導要領の改訂に伴い、英語と国語の教科書作成に携わっている。

著書に、『知的英語の習得術』(学習研究社 2003)、『「論理力」がカンタンに身につく本』(大和出版 2004)、『図解フィンランド・メソッド入門』(経済界2005)、『知的英語センスが身につく名文音読』(学習研究社 2005)、編訳書に「フィンランド国語教科書」シリーズ (経済界 2005 ~ 2008)、対談集に演出家・平田オリザさんとの対談『ニッポンには対話がない?学びとコミュニケーションの再生』(三省堂 2008)、組織開発デザイナー・清宮普美代さんとの対談『対話流?未来を生みだすコミュニケーション』(三省堂 2009★新刊★) など。『週刊 東洋経済』にて「わかりあえない時代の『対話力』入門」連載中

前川 明

元東京都公立小学校教諭

元町田市公立小学校教育研究会国語部長

児童言語研究会中央委員

現在、町田市の小学校で講師として国語科授業研究に関わる

参加費

CIEC 会員は無料、その他の方は500円 となっています (どなたでもご参加いただけます)。