開催趣旨
「デジタル教科書」がいくつかの学校で活用され始めています。今年8月に文部科学省より発表された「教育の情報化ビジョン(骨子)」では、デジタル教科書・教材として「指導者用デジタル教科書」と「学習者用デジタル教科書」が分類され、「学習者用デジタル教科書」については、協働的な学びを創造していくために、教員と子どもたち又は子どもたち同士の双方向性を確保し、ネットワークを介した書き込みの共有、学習履歴の把握、理解度に応じた演習や家庭・地域における自学自習等に役立てるなどと記述されています。
総務省の実証研究である「フューチャースクール推進事業」においても、全ての児童・生徒にタブレット型PCを配布し、通常の教室すべてに電子黒板を設置するとともに「協働教育プラットフォーム(教育クラウド)」の環境を各実証校に構築するとのことです。
次の世代の担い手であるすべての子どもたちが、デジタル教科書や電子教材を日常の情報環境で使いこなすことは、書籍の電子化やその流通、著作権までを含んだ変化をもたらし、社会への影響も非常に大きなものになると考えられます。
この研究会では、小学校から大学・大学院の専門教育の領域まで、デジタル教科書・電子教材のあり方とそれらの有効な活用方法について4つの講演を開催します。
プログラム
- 13:00 - 13:10
- [ 開会挨拶 ]
- 13:10 - 14:00
- [ 講演1 ]
それは2005年の教室をめざしたときから始まった。
講師 原 久太郎 氏 (イーテキスト研究所)
2000年4月に政府はミレニアムプロジェクトで、「2005年度を目標に、全ての小中高等学校等からインターネットにアクセスでき,全ての学級のあらゆる授業において教員及び生徒がコンピュータを活用できる環境を整備する。」と打ち上げた。それにむけて、学校現場や教材各社が、2005年の教室で求められるデジタル教材について研究を開始した。
- 14:10 - 15:00
- [ 講演2 ]
9年も待てない!2010年の「デジタル教科書」という言葉が与えてくれたポイント
講師 眞壁 豊 氏 (東北文教大学)
文部科学省が2020年度の完成予定を打ち出したフューチャースクール全国展開までに、いまもなお現在進行形で進んでいる情報化社会の変化の中で、我々は「今」「何に」学んでおいたほうが良いのか。カリキュラムの構造、教材づくり、デザイン、そして音楽の観点から、個人的に即効性があると思われる論点を提示する。
- 15:10 - 16:00
- [ 講演3 ]
医学教育における電子教材の効果的な活用について
講師 三谷 正信 氏 (札幌医科大学)
eラーニング等に利用される電子教材の作成とその利用方法について、医学教育での事例を中心に紹介します。
- 16:10 - 17:00
- [ 講演4 ]
『「デジタル教科書」推進に際してのチェックリストの提案と要望』について
講師 辰己 丈夫 氏 (東京農工大学)
日本数学会、日本化学会、情報処理学会など、理数系の8つの学会が合同で、デジタル教科書についてのチェックリストを公開した。本講演では、このチェックリストの作成の経緯と、その内容について紹介を行う。
* 研究会終了後、有志による懇親会も計画します。
参加費
CIEC 会員は無料、その他の方は500円 となっています (どなたでもご参加いただけます)。