プログラム(敬称略)

13:30 - 15:00

講演:「勉強と学び」

  佐伯 胖 (CIEC会長, 青山学院大学教授)
15:10 - 15:55

実践事例

  下山 裕子 (小野市立大部小学校教諭)
橋場 弘和 (神戸大学発達科学部附属明石中学校教諭)
吉田 賢史 (甲南高等学校・中学校教諭)
16:00 - 17:00

討論まとめ

講演要旨

青山学院大学 / 佐伯 胖

「勉強」ということばは、習得すべき知識や技能があらかじめどこか(学習者自身とは別のとろころ)で決まっていて、学習者は、それを一定の定められた時間内で習得しなければならないという義務感、あるいは外部(教師、親など)からの圧力(プレッシャー)のもとに行われることである。それに対し、なんらかの「のぞましいこと」(いわゆる「善い」こと)が、「わかるようになる」こと、あるいは「できるようになること」が、外部から与えられた基準(達成度や習得時間について「・・・ねばならない」とされること)とは無関係に、学習者自身の自己決定(コミットメント)にもとづくなんらかの実践活動を通して、結果的に「わかるようになる」、あるいは「できるようになる」という事態に至ることを、「学び」と名付けてみよう。もちろん、人は「学び」だけで生きていくわけにはいかず、たまには「勉強」も必要だ。だが、「勉強」だけでも生きていけないことも確かだ。したがって、私たちの課題はこの両者の違いを認めつつ、両者をどのように関係づけて、あたらしい「教育」を切り開くかが大きな課題となる。

参加費

無料 (どなたでもご参加いただけます)。


開催趣旨

中学校では、技術家庭に必修化された「情報とコンピュータ」領域が、高等学校では、新教科「情報」がスタートして1年が過ぎました。自ら学び自ら考える力などの「生きる力」をはぐくむために、既存の教科等の枠を超えた横断的・総合的な学習の実施を目指す「総合的な学習の時間」も多く行われてきています。

また、2005年度までに国内すべての学校のすべての教室にコンピュータと高速インターネットが準備されることになっています。教科「情報」以外の教科についてもさらにわかりやすい授業を作るために教育現場全体を IT 化し、さまざまな先生が、情報機器を利用するだけでなく、学校や地域が有機的に組織的にそして、効率的に高度に情報化を行うことができるようになってきたように思われます。

世界最大の半導体メーカであるインテル社は、ワイヤレスコンピューティングをベースにしたモバイルコンピューティング分野にも重点を置き、新たなコラボレーションツールの提案を行っています。また、教育とテクノロジの融合を目的として教育支援活動を行い、科学、数学、エンジニアリング、テクノロジなどに関する教育の向上を通して、学生と地域社会に貢献する教育支援プログラムを展開しています。

アップルコンピュータ株式会社は、世界中の学生、教育者、プロのクリエイターそしてコンシューマに、革新的なハードウェア、ソフトウェア、およびインターネット関連の製品・テクノロジを通じて最高のパーソナルコンピューティング環境を提供しています。

東京大学では、この4月より、UNIX 端末として iMac 1149台の NetBoot 環境が稼働しはじめておりますし、このほかにも、さまざまなプラットフォームのコンピュータが混在するネットワーク環境を、最新テクノロジーで効率的に管理・運用を行っている教育システムが、増えています。

この研究会では、インテル社とアップルコンピュータをお招きし、事例報告を交えながら、ワイヤレスコンピューティングの急速な変化とこれからの方向性や、ストリーミングなどのマルチメディア関連に強い Unix ベースの Mac OS X についての最新の話題をわかりやすくお話しいただく予定です。そして、少しでも、これからの教育や研究現場で活用する上でのヒントになれば幸いと考えています。

プログラム(敬称略)

報告

1:330 - 14:50 (10分ほどの質疑応答を含む)

「最新の次世代モバイル CPU とワイヤレスコンピューティング」

  株式会社インテル
プラットホーム&ソリューションマーケティング部 菅原 直人
15:00 - 16:20 (10分ほどの質疑応答を含む)

「アップルコンピュータの最新テクノロジーによる教育活用」
~教育現場に於ける Mac OS X の導入事例~

  アップルコンピュータ株式会社 ディベロップメントエクゼクティブ
サーバーソリューション 安田 伸幸
16:30 - 17:00

質疑応答

参加費

CIEC 会員は無料、その他の方は500円となっています (どなたでもご参加いただけます)。


2003年度のプロジェクト事業には以下の8件が選ばれました。

学生と共に作るマルチメディア英語学習教材

代表者:竹内 勝徳 (鹿児島大学)


支給額:20万円

統計科学教育・学習のためのデータ及び解析シナリオ集の作成

代表者:宿久 洋 (鹿児島大学)
支給額:30万円

留学生のための科学技術日本語教育 e-Learning 化に伴うコンテンツ制作用テンプレートの開発研究、及び同 Learning Objects 発信システムの検証と開発研究

代表者:山本 敏幸 (金沢工業大学情報処理センター研究員)
支給額:30万円

情報環境支援プロジェクト (小中高部会)

代表者:奥山 賢一 (竜王町立竜王小学校)
支給額:40万円

次世代型 e-Learning 規格に基づくマルチモーダル外国語学習教材の制作

代表者:野澤 和典 (立命館大学)
支給額:30万円

情報教材作成プロジェクト (小中高部会)

代表者:武沢 護 (神奈川県立厚木南高等学校)
支給額:40万円

SMIL を用いた Multi-Media 教材の作成と授業への適用に関する実践的研究

代表者:森 夏節 (酪農学園大学)
支給額:30万円

大規模中国語語法コーパスを利用した Web 中国語動詞句辞典の開発

代表者:砂岡 和子 (早稲田大学政治経済学部)
支給額:30万円

プロジェクト事業活動における成果物


開催趣旨

米国政府系機関 International Broadcasting Bureau (IBB) を通じて提供される Voice of America (VOA) のビデオ素材は教育目的の利用に限り、著作権に抵触することなく二次利用することができます。

これらの良質な視聴覚学習素材をコンピュータ支援による言語学習 (CALL) の現場で有効に活用するには、デジタルビデオの編集加工と配信技術、分散型の能動学習を実現するための体系的なコースウェア構築が不可欠です。

外国語教育研究部会では、そうした動向を考慮しながら、ネットワーク委員会の協力の下で、複数の教育研究機関で共同利用可能な英語 e-Learning コンテンツの作成を試みています。

これまでの準備経過としては、まず、幾つかの VOA プログラムを衛星受信設備を使って受信、DVD 録画しました。次に、各プログラムのビデオ・データを、ノンリニア編集・ファイル変換し、ストリーミング方式で外部配信しながら、プロジェクト・メンバーの所属する大学や自宅での受信状況を検証しました。その結果、VOD コンテンツの閲覧自体については、ファイル形式の如何に関わりなくほぼ安定した状態で受信できるものの、利用する端末が接続しているネットワークの環境、ファイア・ウォールの有無の他、OS の相違によって受信状況に相当の差があることが判明しました。

本部会では、プロジェクト・メンバーの分担作業により、スクリプトの書き起こしを行い、それを元にどのような学習内容を構築できるかを検討しながら、教材作成を進めています。今回の研究会は、各担当者から開発経緯や問題点などを含めて中間報告してもらい、会場からの質疑応答等を通じて今後の開発改善に寄与することを目的とします。

プログラム(敬称略)

報告

1.「実験用サーバの運用とコンテンツ作成環境について」
  上村 隆一 (北九州市立大学)
2.「VOA素材を利用したオンライン・パーシャルディクテーション教材の開発
  吉田 晴世 (大阪教育大学)
3.「VOA配信素材Snapshotを利用した教材開発(1)」
  松田 憲 (立命館大学)
4.「VOA配信素材Snapshotを利用した教材開発(2)」
  野澤 和典 (立命館大学)

討論と意見交換

  司会 カンファレンス委員

参加費

CIEC 会員は無料、その他の方は500円となっています (どなたでもご参加いただけます)。


概要

タイトル 「大学改革と研究助成 ~大学の独自性と文部科学行政を考える~」
主催 CIEC (コンピュータ利用教育協議会)
日時 2004年3月13日 (土) 17:00 - 20:30
会場 大学生協会館2階 201-203会議室 (東京都杉並区和田3-30-22)
講演者 文部科学省研究振興局学術研究助成課長 岡本 薫 氏
文部科学省高等教育局主任大学改革官 小松 親次郎 氏
司会 CIEC 副会長 矢部 正之
参加費 無料

開催趣旨

20世紀に確立された日本の大学制度は、91年の「大綱化」を契機として、今世紀に入り更に大きくその姿を変えようとしています。4月からの国立大学の法人化は言うに及ばず、多くの私立大学においても、この数年で学部、学科制度に多様な変化が表れています。また、公立大学の法人化や改革も急を告げています。更に、法科大学院を始めとする専門職大学院構想やその設置など、極めて重要な制度改革も大学設置基準、設置認可行政の新たな動きのなかで現実のものとなってきています。

少子化と高学歴化、財政状況の悪化はこうした改革の直接的な引き金になっているのは事実ですが、その一方で、大学が従来の伝統的な秩序や制度の中だけではもはや成り立たなくなってきているのもまた事実です。これは、大学を取り巻く「規制緩和」や「競争原理の導入」という、これまでに経験したことのない社会状況の変化と国際的な競争力への対応が求められているからであり、このことが内外圧として強く作用しています。

大学は、その設置主体がどうであれ、自由な学問を創造し、社会に貢献する役割を負っています。そのような学術の創造と発展は、それを支える財政面において、多くの助成を受けなければ成り立ちません。大学自らがその教育・研究の成果を社会に公表し、社会からの批判にも積極的に耳を傾けること、つまり大学改革とアカウンタビリティーとは表裏一体をなす課題と言えましょう。その為には、大学自らが主体的にグランドデザインを描き、その自主的判断によって教育・研究を維持、発展させなければ、大学本来の責務を果たすことはできないと言っていいでしょう。

ところで、このような基本政策に関わる課題を、文部科学省は今後どのような方針で臨むのでしょうか。「規制緩和」と「行政指導」の間にどのような政策が絡むのでしょうか。そして、何よりも文部科学省が描く高等教育政策のグランドデザインとはどのようなものなのでしょうか。更に、大学が従来の財政基盤に事寄せてばかりいたのでは、もはや成り立たなくなっているのは自明なこととしても、外部資金に大きく依存することは基礎研究や人文系研究等の推進に影響を与えないのでしょうか。ことに21世紀 COE は、いわば「戦略的研究拠点」を築くものとして位置づけられていますが、大学の「基礎体力」をつける上でこれがどのように位置づくのでしょうか。また、この21世紀 COE は「理系に厚く、文系に薄い」という問題は生じないのでしょうか。そして配分基準とはどのような考え方に基づいているのでしょうか。「特色ある大学教育支援プログラム」の設置理念や設置経緯、配分基準はどのようになっているのでしょうか。

CIEC では、これら大学の教育・研究をめぐる重要な諸問題を考えるにあたり、以下の要領で文部科学省の担当者をお招きしての講演会を開催することにいたしました。国立大学が間もなく法人化する直前でもあり、また、研究振興局学術研究助成課長と高等教育局主任大学改革官のお二人を同時にお招きするのは、余り例のないことと思われます。

年度末の繁忙期とは存じますが、どうぞお誘い合わせのうえ、多数ご参加くださるようご案内いたします。