報告

韓国のコンピュータ利用教育ならびに情報教育について

小林 昭三 (新潟大学) / 原田 昭子 (兵庫大学) / 橘 孝博 (早稲田大学高等学院)

米国インテルツアーレポート

板倉 隆夫 (鹿児島大学)

(敬称略)

司会:武沢 護 (早稲田大学高等学院)

開催趣旨

CIEC では学術研究団体としての特徴を一層発揮するため、国際交流のプロジェクトを設置し、海外の企業、大学、研究団体や研究者等との交流のネットワークづくりを推進して来ました。過去には、PC カンファレンス 2003 においてアジア物理教育ネットワークの事務局長である A.マゾリーニ氏をお迎えし、講演をしていただきました。今回、小中高部会のメンバーと国際活動のメンバーが韓国の国立全北大学ならびに同市内の高等学校 2校を訪問し、韓国における中等教育や高等教育におけるコンピュータ利用教育や情報教育の現状を視察・見学して来ましたので、この様子を報告します。

また、大学生協・CIEC とインテルとの共同企画で、CIEC 理事 2名と大学生協職員 3名が、米国のインテル本社、ケース・ウェスタン大、セント・ジョーンズ大、ニューヨーク大、ダートマス大を訪問し、無線 LAN の活用状況ならびに e-Learning の現状を視察しましたので、米国の先進的事例についての報告し、韓国視察と合わせて CIEC の国際交流研究会として企画しました。

多数の皆様のご参加をお待ちしています。

参加費

CIEC 会員および大学生協組合員は無料、その他の方は500円となっています (どなたでもご参加いただけます)。


報告

アメリカにおけるe-learningの現状

吉田 文 (メディア教育開発センター教授)

e-learningの実践例

鈴木 恒雄 (金沢大学総合メディア基盤センター教授)

e-learningの実践例

小林 昭三 (新潟大学教育人間科学部教授・教育実践総合センター長)

(敬称略)

司会:立田 ルミ (獨協大学経済学部 教授・キャリアセンター長)

開催趣旨

インターネットの高速回線が安く利用できるようになり、企業や大学で e-learning の導入が始まっています。いくつかの e-learning を実現するためのシステムが開発され、パッケージソフトとして手軽な価格で販売されるようになってきました。第47回研究会では、このような e-learning システムを用いると本当に教育効果が上がるのか、どのような場面で利用するとよいのか、利用上でどのような問題点あるのかを議論したいと思います。金沢大学で e-learning を実践されている鈴木恒雄先生と新潟大学で実践されている小林昭三先生から、実践例を通じて講演していただくことになりました。今回は e-Learning WORLD 2004 の実行委員でもありメディア教育開発センター教授でもある吉田文先生に、日本よりも一歩先に e-learning を導入したアメリカで現在どのような状況にあるのかも講演していただきます。

これらの講演を参考に、大学だけでなく高等学校や中学校あるいは小学校で e-learning を利用する場合の問題点についても討議したいと思います。今後 e-leaning を導入しようと思っている方、現在導入して問題を抱えていらっしゃる方が集まって、e-learning について考えてみたいと思います。

今回は交通の便を考慮して、新潟大学のサテライトキャンパスである新潟駅南キャンパスを会場にして実施します。 またライブ配信も予定しておりますので、新潟には来られない方も是非ネット上で参加くださるようお願いいたします。

多数の皆様のご参加をお待ちしています。

参加費

CIEC 会員および大学生協組合員は無料、その他の方は500円となっています (どなたでもご参加いただけます)。


インテル(株)協賛の2004年度プロジェクト事業には以下の5件が選ばれました。

統計科学教育におけるデータ収集・解析・公開サイトの作成

代表者:宿久 洋(鹿児島大学)
支給額:50万円

ピアサポート活動を支援する Centrino 端末の活用

代表者:山本 洋雄 (信州大学)
支給額:49.7万円

SMIL を用いた Multi-Media 教材配信システムの One CD-ROM 化に関する実践的研究

代表者:森 夏節 (酪農学園大学)
支給額:50万円

大学におけるセントリーノパソコン購入者の利用スキルアップにつながる大学生協のサポートのあり方について

代表者:石原 裕 (埼玉大学生活協同組合)
支給額:50万円

無線 LAN 利用促進のための学生の行動パターン・意識調査と普及事業計画研究

代表者:尾畑 裕 (一橋大学)
支給額:49.5万円


開催趣旨

ここ十数年来、大学生協では新入生向けのパソコン提案を重点的に行ってきました。提案内容も、「価格が安い」、「必要なものがそろう」といった販売中心のものから、セットアップに始まり、アプリケーションやインターネットなどにわたるパソコン講座、学内環境にあわせたサポートなど、活用スキルアップに重点をおいたものへと変遷してきました。

2004年に大学に現役合格した新入生は、新学習指導要領に基づき、義務教育における情報教育に加え、高校での『教科「情報」』を受けてきた最初の世代となります。また大学においても、パソコンの必携化の動き等、ますますパソコンの活用の場面はふえていくことが予想されます。

しかし、実際のパソコン講習の場面では、日本語入力やマウスの操作を教える必要のない学生が増えつつある一方で、依然として初心者程度の操作に不安を持つ学生もまだまだ見受けられます。そういった意味では、大学生協をパソコンの購入先として選択する学生が求める提案内容とは何なのかを、私たち自ら改めて問い直す必要があるように思います。

第46回研究会では、そのような大学生協のパソコン提案活動をめぐる状況の変化をふまえ、特徴的なパソコンの提案活動を行っている東京学芸大生協と福島大学生協の事例についてご報告をいただきます。

東京学芸大生協では、昨年、大学がパソコン必携化をうちだした際に、学内でのサポート環境を整え、新入生の8割約900台を越える利用がありました。昨年同大学の伊藤先生よりご報告をいただき、大学としての意志、教師としての先生方の思いとご苦労、そして生協やメーカーへのご期待を伺うことができました。その後の一年間の様子と、それを踏まえた今年の取り組みについてご報告をいただきます。

福島大生協はこの数年、学生の「使える」という段階から「使いこなす」ということを意識したパソコン提案を進めています。それが「使いこなすパソコン講座~学生生活応援講座」(年間講座44,100円)です。この講座は、1,000名前後の新入生に対して、昨年320名、本年は400名を越える申込者を得る取り組みになっています。この経緯、思いと苦労、実際の受講者の反応などについて、専務理事からご報告をいただきます。

今研究会では、実際にパソコンの供給活動に関わっている担当者、店長はもちろん、情報教育に携わる教職員、また各大学でパソコン講習会の運営に携わってきた学生・院生のみなさんにも参加をよびかけます。 また大学生協にとって、パソコン提案を政策的にどうとらえるかということは、非常に重要な課題であると考えます。そういった意味で、専務理事をはじめ、各生協の理事の皆さんにぜひ参加していただきたいと考えています。

多数の皆様のご参加をお待ちしています。

参加費

CIEC 会員および大学生協組合員は無料、その他の方は500円となっています (どなたでもご参加いただけます)。


プログラム(敬称略)

13:30 - 15:00

講演:「勉強と学び」

  佐伯 胖 (CIEC会長, 青山学院大学教授)
15:10 - 15:55

実践事例

  下山 裕子 (小野市立大部小学校教諭)
橋場 弘和 (神戸大学発達科学部附属明石中学校教諭)
吉田 賢史 (甲南高等学校・中学校教諭)
16:00 - 17:00

討論まとめ

講演要旨

青山学院大学 / 佐伯 胖

「勉強」ということばは、習得すべき知識や技能があらかじめどこか(学習者自身とは別のとろころ)で決まっていて、学習者は、それを一定の定められた時間内で習得しなければならないという義務感、あるいは外部(教師、親など)からの圧力(プレッシャー)のもとに行われることである。それに対し、なんらかの「のぞましいこと」(いわゆる「善い」こと)が、「わかるようになる」こと、あるいは「できるようになること」が、外部から与えられた基準(達成度や習得時間について「・・・ねばならない」とされること)とは無関係に、学習者自身の自己決定(コミットメント)にもとづくなんらかの実践活動を通して、結果的に「わかるようになる」、あるいは「できるようになる」という事態に至ることを、「学び」と名付けてみよう。もちろん、人は「学び」だけで生きていくわけにはいかず、たまには「勉強」も必要だ。だが、「勉強」だけでも生きていけないことも確かだ。したがって、私たちの課題はこの両者の違いを認めつつ、両者をどのように関係づけて、あたらしい「教育」を切り開くかが大きな課題となる。

参加費

無料 (どなたでもご参加いただけます)。