開催趣旨

情報教育の先進国である英国では1995年から教科「IT」が初等中等教育で独立した必修教科となっており,1999年に「ICT」,2013年には「Computing」と名称を変えながら,アルゴリズムの理解やプログラミング言語の学習を取り入れ,コンピュータサイエンスの内容を充実させてきた。英国ではBBC(英国放送協会)が教育事業に力を入れており,学校教育にも大きく貢献してきたという歴史がある。昨年,そのBBCが7年生(11歳と12歳)のすべての子どもを対象にMicro:bitというマイコンボードの配布を始め,話題となっている。

日本でも次期学習指導要領では初等教育段階からプログラミング教育が必修化されることとなり,現在,それに対応すべく,ICT環境の整備,教材の開発,指導案の検討が進められているところである。本研究会ではBBC Micro:bitの日本向け互換機であるChibi:bitを教材として用い,プログラミングを体験していただく。BBCが新世代の情報教育のために企画し,Microsoftを初めとした多くの著名なパートナー企業の協力を得て作ったボードでどのようなことができるかを理解し,また,それを日本の学校の現場でどのように使うことができるか,参加者がアイデアを出し合う機会としたい。

対象・人数

参加対象:大学および小中高の教職員
参加人数:約30名


2017年6月18日(日) にCIEC第112回研究会(会場:札幌北口カンファレンスプラザ)を開催いたします。テーマは「韓国でのプログラミング教育と教員養成」です。詳細は、告知ページをご覧ください。

会員・非会員を問わず、多数のみなさまのご参加をお待ちしております。


開催趣旨

CIEC国際活動委員会では、2017年3月末に「韓国情報教育視察」を行いました。これには同委員会メンバーを含む希望者10人が参加し、KERIS(韓国教育学術情報院)、五星中学校、高麗大学などを訪問しました。また、今夏のPCC2017に於いては、同委員会は小中高部会と共同で、この韓国視察に絡めた内容のセミナーを企画しています。
 今回の研究会は、PCC2017のセミナーのプレ企画としての位づけを持つもので、高麗大学の金子美准教授に講演していただきます。研究会では、高麗大学の李元揆教授に通訳および情報提供のご協力をいただく予定です。
 日韓での「学校における情報教育環境」、「情報系の教員養成」、「コンピュータプログラミング教育と教員養成」など幅広い視点での講演と議論がなされること期待しています。なお、本研究会は国際活動委員会と北海道支部との共催企画です。

対象・人数

参加対象:小学校、中学校、高等学校、大学 教員、研究者、関連企業
参加人数:約20名


写真左:古賀委員、写真右:TERADA.LENON宮崎氏


※ Special第11回は、TERADA.LENONインタビューを2号(上・下)に分けてお送りします。今回はその「下」です。


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キャリアとしてのコンピュータ利用教育業界


さて、最後に3点目の(宮崎さんの)キャリアについてお話をおうかがいしたいと思います。まず、どういう経緯で社員数名のベンチャー企業に新卒で入社することになったのでしょうか?


私が在学中に、うちの社長が産能大に弊社のシステムを導入する仕事にかかわっていて、当時の学部長と色々とシステムのことで相談する機会もあったことから就職先として紹介されたのがきっかけです。当時は社員2名しかおらず、私が入社した数か月前に親会社から独立したばかりの会社でした。


入ろうと思った決め手は?


これから発展していく会社かなと思ったことと、「こうやりたい」「ここが問題ですよね」といった自分の意見を理解してくれて会社の経営に反映できる会社だったことですね。これは小さな会社でしかできない事だと思います。


ベンチャー企業に就職することに対して親御さんからは何か言われましたか?


いや、うちの親は自分の進みたい方向に行けという人だったので、特に言われませんでした。それに私が就職活動をしていた頃はちょうど氷河期だったので、なかなか決まらなくて、内定が取れればそこにいくという感じだったですね。


今は何年目?


8年目です。


宮崎さんが入社したことで、会社が急成長したって聞いていますが


いえいえ、そんなは事ないです(笑)


宮崎さんの何が会社を変えたのかな?


2人だけだとなかなかフットワークを発揮できなかったのですが、私が入社したことでそれができるようになった事が大きかったと思います。それと私が大学時代に勉強していたネットワーク技術を製品の改善に役立てることができた点も大きかったと思います。


インタビューを受けるTERADA.LENON宮崎拓也氏


今後の展望


会社あるいは個人として取り組んでみたい領域はありますか?


我々の製品(クリッカー)は、出席を取ったり、テストをしたりして、日頃から膨大なデータが自動的に蓄積されます。そうしたさりげない情報を分析することで、一人ひとりの動向や学習履歴が閲覧できるような仕組みを作ってみたいですね。


ビッグデータですね。


さらに、そうしたデータを単に大学教育の中に留めるのでなく、社会人になってからも継続して活用できるようにして、人材の登用や育成のためのデータとして活用できるようなポートフォリオを構築してみたいですね。


大学単体でポートフォリオを考えるのでなく、学校~社会をシームレスでつなぐようなポートフォリオということですか?


はい。実現に向けては個人情報保護など乗り越えなければならない障壁は大きいです。ですが今まで誰もやっていないことをいかに取り組むかが、こういう企業(ベンチャー企業)ならではかもしれないです。小さい会社だとなかなか開発費も出ないので、いつかどこかと組んでそういうのをやれたらいいなあと思っています。


先ほどの質問と重複しますが、CIECに対する期待や要望はありますか?


企業展示ブースがちょっと目立たないところにあったりするので、もう少し展示場所とか考えて欲しいなあと思うことはあります。それから分科会で、同じ時間に聞きたい発表が被ってしまって見ることができない場合もあるので、ビデオに収録して後から視聴できるようにしてもらえると嬉しいですね。


最近の学生さんに一言。


やりたい事とやれる事の違いをわかってほしいです。学生の狭い視野で発見できる「やりたい事」ってごくわずかなんですよね。視野を広く持ってほしいです。それと趣味と仕事は一緒にしない方がいいですね。一緒にすると休みの日の趣味がなくなってしまいますから(笑)。

インタビュー後記


広報・ウェブ委員会 古賀暁彦

残念ながらインタビューワーに在学中の宮崎氏の記憶は全くなく、学生時代の彼と今の彼を比較することはできない。しかし、わずか8年の社会人経験でこれだけ立派に成長するというのは、ベンチャー企業での仕事経験によるところが大きいのではないかと感じた。
また、単にクリッカーを販売しているのでなく、販売した後の地道なフォロー活動によって顧客の課題解決に貢献している点が、今のTERADA.LENONの好業績を支えているのだと実感した。

2号に分けてお送りしてきたSpecial第11回「クリッカー専門のベンチャー企業TERADA.LENONインタビュー」は以上です。次回のSpecial記事にもご期待ください!