開催趣旨

テレビやビデオゲームなど、従前にも初等中等教育への影響が懸念された製品やサービスは存在しました。それらと携帯電話との決定的な違いは、身に付け、もっぱら家庭外とのコミュニケーションに利用し、一目で何をしているのか判らず、しかしその一方では防犯を目的として父母がある程度積極的にこどもに持たせるケースも多いところにあるでしょう。善用も悪用も使い手次第であるのは全ての技術に共通したことではありますが、こどもにその手ほどきをするのが教育的配慮であることには間違いありません。「持込禁止」もアプローチの一つですが、学校では禁止されているが持って行っている中学生が45%に上るという民間の調査結果もあり、単に禁止するだけでは実効性に疑問があります。また、有害サイトへのアクセスを未然に防ぐ「フィルタリング機能」も充実してきましたが、こどものケータイ依存に拍車をかけているのはむしろメール機能であり、フィルタリングを解除しなければ安心、と単純に考えるわけにもいきません。

安全・安心は社会全体の問題ですので簡潔な解決策はありませんが、携帯電話がこどもにも広く普及している今、我々は少なくともその現実に真正面から向き合う必要があります。本研究会は、PCカンファレンス北海道2008シンポジウム「児童・生徒の生活に入り込む携帯への対応~求められる学校・家庭・社会の取組み~」の続きとして、携帯電話にまつわる諸問題に対し、より具体的な対応を会場全員で立場を超えて議論していきたいと考えています。多数のご参加をお待ちしています。

プログラム

12:30 - 13:00
[ 受付開始 ]
13:00 - 13:05
[ 開会挨拶 ]
13:05 - 14:05
[ 講演 ]

子どもたちのケータイ問題の解決には
桑崎 剛 氏 (熊本県阿蘇郡南小国中学校 教頭)

14:05 - 14:15
[ 休憩 ]
14:15 - 16:00
[ パネルディスカッション ]

こどもとケータイにまつわる諸問題への対応を建設的に議論する
桑崎 剛 氏 (熊本県阿蘇郡南小国中学校)
高瀬 敏樹 氏 (北海道札幌旭丘高等学校)
荒島 晋 氏 (札幌市立向陵中学校)

コーディネータ:立田ルミ (獨協大学)

参加費

CIEC 会員は無料 (当日会場での入会申し込みにも適用されます)、その他の方は500円 となっています (どなたでもご参加いただけます)。


2009年度のPCカンファレンスは、2009年8月9日 (日) 〜 11日 (火) の日程で、愛媛大学 城北キャンパスにて開催されます。

テーマは「変わる社会 変わる学び 変わるコンピュータ ─産官学民際連携ネットワークの探求─」です。

詳しくは、2009 PCカンファレンス 特設サイト をごらんください。


開催趣旨

CIEC小中高部会ではこれまでコンピュータを活用した初等中等教育に関してその実践やその研究について議論や体験する機会を設定してきました。実際の授業実践の方法については,2008年6月に京都女子高等学校を会場に実施した第75回研究会「なぜ協調自律学習は必要か」では,ワークショップという形態で実際の授業を参加者に体験していただきいただきましたが,今回はその研究会の結果を受けて,子どもたちに対する授業実践を見学していただくとともに,その授業についての意見をいただき様々な議論をするきっかけとしていきたいと考え,このような企画をいたしました。

この公開授業は,2008年6月2日の朝日新聞の「花まる先生」でも大きく取り上げられ,過去のPCCでも様々な実践研究について発表していただいている八王子市立由木中央小学校の尾池先生の「クレイアニメーション制作」の小学校の児童の実践を小学校の協力を得て実現したものです。皆様のご参加をお待ちしております。

>>> asahi.com:仮想世界で夢のイス 東京・八王子市立由木中央小学校 尾池佳子さん - 花まる先生公開授業 - 教育 -

プログラム

13:00 - 13:30
[ 受付 ]
13:40 - 14:25
[ 公開授業 ]

授業者 尾池 佳子 氏 (八王子市立由木中央小学校)

14:30 - 15:30
[ 研究協議 ]

参加費

無料 (小中高の授業実践に関心のある方は、どなたでもご参加いただけます)。


開催趣旨

昨年6月に登場して以来、従来の携帯端末とは全く異なる操作性と斬新なデザインで話題となった iPhone / iPod touch* はその後大幅な改良がなされ、インターネット端末としても十分実用的なレベルに達しました。この研究会では、まず iPhone と iPod touch の違いも含めて、メーカー側から製品概要と最新情報を提供していただき、教育機器として活用する上で具体的にどのような可能性があるか、問題提起します。さらに、教育現場からの実践事例として、国内で初めて理科教育に iPod touch を活用し、着実な実績をあげておられる高校の先生に、導入に至る経緯、教育的効果などをご報告いただいた後、参加者も一体となってメーカーと教育現場それぞれの立場から自由に議論を行い、この「次世代モバイル学習機器」のユニークな活用法を考えます。

* (注) iPod touch の発売は昨年9月です。

プログラム

13:00
[ 開会の挨拶 ]
13:05 - 13:50
[ 講演1 ]

次世代モバイル学習機器としての iPod touch および iPhone 3G
講師 坂本 憲志 氏 (アップルジャパン株式会社 東日本営業部部長)

13:50 - 14:40
[ 講演2 ]

iPod touch & Podcast でモバイルラーニング
講師 奥田 宏志 氏 (芝浦工業大学柏高校 SSH研究部)

14:40 - 15:00
休憩 (展示見学、デモ含む)
15:00 - 16:00
[ 質疑応答と自由討論 ]
16:00
閉会

講演2要旨「iPod touch&Podcastでモバイルラーニング」

本校は私立中高一貫校である。10年前より中学校に入学してくる生徒にノート PC を一人一台購入させるなど、『情報教育』に力を入れている。また海外姉妹校とのメール交換等『国際教育』も行い、ネットを使った調べ学習や校外行事のレポート作成・プレゼンテーションソフトを使ったグループ発表等にも積極的に活用してきた。

このような背景の中、本校が文部科学省により SSH (スーパーサイエンスハイスクール) に指定され理科教育のプログラム開発を行う中で、『情報教育』と『理科教育』の融合を目指し新たな授業方法の研究を開始した。当初は「遺伝子・DNA」に関する生命科学分野の授業や実験に関して、SSH 専用 HP を通じて予習用の WEB 授業、実験手順動画を配信し、自宅の PC で予習させ、その後実験を行っていた。数年前からはノート PC を実験台に置き、無線 LAN 経由で実験手順動画を見せながら実験を行ってきた。事前の予習に加え、手順を確認しながら実験することで安全性が向上し、失敗も少なくなった。しかし上記の方法では、予習を行う場所が限定されることや、ノート PC が実験台に置くには少々大きい等の問題点があった。

これらの問題点を解決するため iPod touch を導入し、生徒一人に一台貸し出した。専用 HP (www.experiment.jp) 上の Podcast から iTunes 経由で動画等のデータを iPod touch にダウンロードすることで、好きな時に授業の予習と復習を行うことが可能となった。小型で映像が美しく、操作性に優れている iPod touch は、上記の取り組みに最適なツールであると言える。今講演では、本校での実践例や生徒の感想、さらに iPod touch と Podcast の今後の可能性についても報告していきたい。

参加費

無料 (どなたでもご参加いただけます)。


開催趣旨

子どもたちにどのような『情報』能力をつけさせればよいのかが、最近のいろいろな事件をきっかけに重要な問題となっています。これらの問題を考える上で、教育工学会会長で長年教育工学を研究してこられ、現在コンピュータ教育開発センター理事でもあり、様々な審議会委員を経験された東京工業大学教授の赤堀侃司先生の大分大学の「大分県における教育の情報化のための『情報教育イノベータ』育成プログラムの開発」(社会人の学び直しニーズ対応GP) が開催する講演会でのご講演をお聞きすることは、大変参考になると思われます。また、中学校と高等学校の現場で『情報』教育をされておられる先生方から、子どもたちの現状と問題点などを伺うことも大変重要です。パネルディスカッションは、フロアーからの意見も交えて行う予定です。大分県で研究会を行うのは初めてですので、これをきっかけに大分での会員拡張に繋げられれば幸いです。

プログラム

13:30 - 14:45
[ 講演・質疑応答 ]

赤堀 侃司 氏 (東京工業大学)

14:45 - 15:00
休憩
15:00 - 16:30
[ パネルディスカッション ]

ICTの活用で子どもはどう変わってくるのか
パネリスト:平田 義隆 氏 (京都女子中学校・高等学校) 他

参加費

無料 (どなたでもご参加いただけます)。