2018PCカンファレンス開催中の8月25日(土)、CIEC定例総会の会場において「2018年度 CIEC学会賞 論文賞」の表彰式が行われました。CIEC学会賞論文賞とは、CIEC表彰規定第1条(2)に定めるように「本会の会誌に論文を発表し、コンピュータ利用教育の発展に独創性および将来性をもって寄与したと認められる者」に授与されます。Special第18回では、表彰式にて賞状と副賞を授与された受賞者の皆さんの「喜びの声」をお伝えします。

2018年度 CIEC学会賞 論文賞

安藤公彦・柴田千尋・稲葉竹俊
「深層学習技術を用いた自動コーディングによる協調学習のプロセスの分析」
(『コンピュータ&エデュケーション』Vol.43, p.79-p.84)

受賞理由
協調学習において生じるダイナミックなプロセスを捉えることにはこれまで一 定の限界があったものが、本研究で開発された深層学習技術を用いた手法によっ て、大規模な会話データを分析し、その特徴を自動的に抽出することが可能になります。アクティブ・ラーニングが推進される教育パラダイムの転換期にあって、複雑な学習のプロセスの「見える化」を可能にする技術開発は、新しい教育の展開に多大に貢献するものと考えます。


写真左から、熊坂賢次CIEC会長理事、安藤氏、柴田氏、稲葉氏。


安藤公彦 (東京工科大学片柳研究所・専任講師)

この度は名誉ある賞をいただき大変に嬉しく、光栄に思っております。本研究はコンピュータ上でのグループ学習において、チャット内容を深層学習により分析することで、従来捉えることが難しかったグループ内の議論の質を推測するものです。しかしながら、議論の内容や質を捉えることは非常に難しく、未だ発展段階にある研究です。現在も分析精度の向上を目指し、多くの学生とともに分析手法の開発や、実際のチャットや文章を読み解く作業を行っております。その成果はメジャーなLMS(学習管理システム)であるMoodleの協調学習プラグインとして実装していますので、皆様にもご利用可能な形で公開できるよう取り組んで行きたいと思います。最後に、選考していただいた先生方、研究プロジェクトに協力いただいた学生や教員の皆様に心より感謝申し上げます。

柴田千尋 (東京工科大学コンピュータサイエンス学部・専任講師)

このたびは大変栄誉のある賞をいただきありがとうございます。本研究において、深層学習(AI)の部分を担当させていだきました。いまのところ、深層学習(AI)の技術を用いた協調学習時の対話の分析は、実際の評価との結びつきなどまだまだ研究・調査すべき点が多数残っていると思います。しかし、本研究の成果をより発展させ、将来的に、どのような形であれ、実際の教育の現場で使いやすい形で提供でき、教育学の発展と教育の質の向上にわずかながらでも貢献することができるよう、この受賞を励みに、引き続き頑張っていきたいと思います。

稲葉竹俊 (東京工科大学教養学環・教授)

このたびはCIEC学会論文賞という大変光栄な賞をいただき、ありがとうございます。オンラインでの協調学習用のシステム構築やログデータの評価などをテーマにしてここ10年ほど研究をしてきました。その中でMoodle上にシステムをモジュールとして再構築し、学内の様々な講義から大規模な教育データを取得することができることが可能になったことで、深層学習による自動コーディングを着想したのが約4年前です。その後も様々な試行錯誤がありましたが、今回の受賞を励みに、分類の精度の改善や教員や学生への分析結果の可視化などのテーマに取り組み、教育現場でも有用な仕組みにしていく所存です。

受賞者の皆さん、おめでとうございました!!
CIEC学会賞論文賞は、学会誌『コンピュータ&エデュケーション』の掲載論文が対象となります。CIEC会誌編集委員会では常時、会員の皆様の論文をお待ちしております。
是非ふるってご投稿ください。