写真左:古賀委員、写真右:TERADA.LENON宮崎氏


※ Special第11回は、TERADA.LENONインタビューを2号(上・下)に分けてお送りします。今回はその「下」です。


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キャリアとしてのコンピュータ利用教育業界



古賀

さて、最後に3点目の(宮崎さんの)キャリアについてお話をおうかがいしたいと思います。まず、どういう経緯で社員数名のベンチャー企業に新卒で入社することになったのでしょうか?



宮崎

私が在学中に、うちの社長が産能大に弊社のシステムを導入する仕事にかかわっていて、当時の学部長と色々とシステムのことで相談する機会もあったことから就職先として紹介されたのがきっかけです。当時は社員2名しかおらず、私が入社した数か月前に親会社から独立したばかりの会社でした。



古賀

入ろうと思った決め手は?



宮崎

これから発展していく会社かなと思ったことと、「こうやりたい」「ここが問題ですよね」といった自分の意見を理解してくれて会社の経営に反映できる会社だったことですね。これは小さな会社でしかできない事だと思います。



古賀

ベンチャー企業に就職することに対して親御さんからは何か言われましたか?



宮崎

いや、うちの親は自分の進みたい方向に行けという人だったので、特に言われませんでした。それに私が就職活動をしていた頃はちょうど氷河期だったので、なかなか決まらなくて、内定が取れればそこにいくという感じだったですね。



古賀

今は何年目?



宮崎

8年目です。



古賀

宮崎さんが入社したことで、会社が急成長したって聞いていますが



宮崎

いえいえ、そんなは事ないです(笑)



古賀

宮崎さんの何が会社を変えたのかな?



宮崎

2人だけだとなかなかフットワークを発揮できなかったのですが、私が入社したことでそれができるようになった事が大きかったと思います。それと私が大学時代に勉強していたネットワーク技術を製品の改善に役立てることができた点も大きかったと思います。


インタビューを受けるTERADA.LENON宮崎拓也氏


今後の展望



古賀

会社あるいは個人として取り組んでみたい領域はありますか?



宮崎

我々の製品(クリッカー)は、出席を取ったり、テストをしたりして、日頃から膨大なデータが自動的に蓄積されます。そうしたさりげない情報を分析することで、一人ひとりの動向や学習履歴が閲覧できるような仕組みを作ってみたいですね。



古賀

ビッグデータですね。



宮崎

さらに、そうしたデータを単に大学教育の中に留めるのでなく、社会人になってからも継続して活用できるようにして、人材の登用や育成のためのデータとして活用できるようなポートフォリオを構築してみたいですね。



古賀

大学単体でポートフォリオを考えるのでなく、学校~社会をシームレスでつなぐようなポートフォリオということですか?



宮崎

はい。実現に向けては個人情報保護など乗り越えなければならない障壁は大きいです。ですが今まで誰もやっていないことをいかに取り組むかが、こういう企業(ベンチャー企業)ならではかもしれないです。小さい会社だとなかなか開発費も出ないので、いつかどこかと組んでそういうのをやれたらいいなあと思っています。



古賀

先ほどの質問と重複しますが、CIECに対する期待や要望はありますか?



宮崎

企業展示ブースがちょっと目立たないところにあったりするので、もう少し展示場所とか考えて欲しいなあと思うことはあります。それから分科会で、同じ時間に聞きたい発表が被ってしまって見ることができない場合もあるので、ビデオに収録して後から視聴できるようにしてもらえると嬉しいですね。



古賀

最近の学生さんに一言。



宮崎

やりたい事とやれる事の違いをわかってほしいです。学生の狭い視野で発見できる「やりたい事」ってごくわずかなんですよね。視野を広く持ってほしいです。それと趣味と仕事は一緒にしない方がいいですね。一緒にすると休みの日の趣味がなくなってしまいますから(笑)。

インタビュー後記


広報・ウェブ委員会 古賀暁彦

残念ながらインタビューワーに在学中の宮崎氏の記憶は全くなく、学生時代の彼と今の彼を比較することはできない。しかし、わずか8年の社会人経験でこれだけ立派に成長するというのは、ベンチャー企業での仕事経験によるところが大きいのではないかと感じた。
また、単にクリッカーを販売しているのでなく、販売した後の地道なフォロー活動によって顧客の課題解決に貢献している点が、今のTERADA.LENONの好業績を支えているのだと実感した。

2号に分けてお送りしてきたSpecial第11回「クリッカー専門のベンチャー企業TERADA.LENONインタビュー」は以上です。次回のSpecial記事にもご期待ください!