2018年8月25日(土)、CIEC学会論文賞の表彰に続き「2018PCカンファレンス論文賞」の表彰式が行われました。本年度は審査基準を初めて公開し、CIEC理事会および大会実行委員から選出された8名の論文賞選考委員が、分科会(口頭発表・ポスター発表)論文計120本を査読し、最優秀論文賞1本、優秀論文賞3本、学生論文賞1本を選出しました。Special第19回では、2018PCカンファレンス論文賞の各賞に輝いた皆さんの「喜びの声」をお伝えします。

2018PCカンファレンス最優秀論文賞

鈴木公貴・木村聖・高瀬治彦・北英彦・川中普晴(三重大学大学院工学研究科)
「解答の入力停滞からの学生の自信がない語の検出の試み―停滞の判定基準に関する検討―」

受賞理由
総合評価第1位。センター試験に代わる新しいテストが模索されている中、“正解”ではなく解答の“振る舞い”に着目した点で興味深い。教育上の活用用途も広く、今後の発展に期待が持てる。


写真左は安藤新二2018PCカンファレンス実行委員長(熊本大学教授)


このたび、2018PCカンファレンス最優秀論文賞という大変光栄な賞をいただき、ありがとうございます。大変嬉しく思っております。これも共に研究しご指導いただいている先生方のおかげだと心から感謝しております。
本研究では、学生の理解状況を解答だけでなく、解答の入力過程という学生のふるまいからでも読みとれないかという目的のもと、研究を進めてまいりました。昨年までは、学生の入力が10秒以上停滞した箇所を学生の自信がない箇所として、その周辺の語を抽出していましたが、今回は入力が平均入力よりも2秒以上遅れている箇所に着目する新たな手法に目を向けました。
この受賞を励みにし、本研究をより大きく発展させ、教育分野にとどまらず様々な課題に取り組んでいきたいと思います。

2018PCカンファレンス優秀論文賞

岡本真由子(愛知県立瀬戸窯業高等学校)
「多様な創発手法の体系化と実践事例の分析」

受賞理由
新規性評価第1位。商業高校生にベンチャー企業が協力した教育実践もユニークだが、特殊事例の報告として終始するのではなく、創発手法として一般化、体系化を試みている点が斬新である。


写真左は安藤新二2018PCカンファレンス実行委員長(熊本大学教授)


この度はこのような素晴らしい賞を頂き大変光栄です。ありがとうございます。
わたしの所属する愛知県立瀬戸窯業高校は全国で唯一[窯]の名前が残るセラミックを専門的に学ぶことができる学校です。まさに手の技を学ぶことができるフィジカルな現場です。それに対して前職のソフトピアジャパンはIT企業の集まるデジタルな現場でした。
今回の論文はその2つの現場のフィジカル、デジタルと相反的に見える要素を創発手法という両者のクリエイティブが交わりで融合させ、体系化し実践しました。IoT等デジタルとアナログとのデジタルツインが注目されるなか、その試みは面白く受け取って頂けたのだと思い大変有難く、嬉しいです。
この度は大変ありがとうございました。

2018PCカンファレンス優秀論文賞

佐藤和彦(室蘭工業大学大学院)・Bishnu Prasad Gautam(稚内北星学園大学)​
「異国間児童の交流を支援するアプリケーション開発とネパールでの試用実験の報告」

受賞理由
総合評価第2位。ノンバーバル・コミュニケーションを重視したアプリ開発は、国際交流の本質に根差している。また実際にネパールの小学校2校との間で実践している点も高く評価できる。


写真左は安藤新二2018PCカンファレンス実行委員長(熊本大学教授)


このたびは、2018PCカンファレンスの優秀論文賞にご選出いただき誠にありがとうございます。大変嬉しく思います。本研究は、2010年度にネパール山村地域の学校に無線ネットワークを整備し、インターネットを利用した学習環境を整える活動から始めた研究です。スマートフォンの普及にともない、ネパールの過疎地域にも高速無線ネットワークが整備され始めたことで、本研究はその上で子ども達が実際に利用する学習支援アプリケーション開発に移行しました。ネパールは環境格差が大きく、街なかの学校と山村部の学校では教育インフラやコンピュータ環境に大きな差があります。今回はその実態調査を兼ねて、我々が開発した学習支援アプリを使ってもらった結果を報告させていただきました。将来的には、ネパールと日本の子ども達を結ぶ遠隔交流を実現したいと考えております。今回の受賞を励みとして、これからも教育に貢献できるよう努力していきたいと思います。

2018PCカンファレンス優秀論文賞

渡邉ゆきこ(沖縄大学人文学部)・大前智美(大阪大学サイバーメディアセンター)
「発話を促す多言語教材の開発 ―外国語教育における音声認識・合成APIの可能性―」

受賞理由
応用可能性評価第1位。中国語の発音に十分な指導時間を割けない課題を、Web翻訳機能の逆転発想(発音→文字出力の正解診断)で打開しようとした意欲的な試みであり、多言語にも展開しうる。


写真左は安藤新二2018PCカンファレンス実行委員長(熊本大学教授)


この度は2018PCカンファレンス優秀論文賞を賜りありがとうございます。望外の喜びであり、誠に身に余る光栄です。 語学教育におけるe-Learning教材は、英語以外の言語では未だ限られており、その多くがインプットに比重が置かれているため、アウトプットである発音や発話は限られた授業時間の中での教員による指導に頼らざるを得ないのが現状です。なんとか発音や発話を独習できる環境を作れないかと模索してまいりました。 今回開発したソフトは、まだまだ稚拙な技術ながら、音声認識と音声合成APIを使って構想を形にしたものです。このような形で認めていただけたことを本当に心強く思っております。拙文のタイトル通り、今後は多言語対応に向けて努力を続けていく所存です。

2017PCカンファレンス学生論文賞

近藤崇祥・福澤力也・鎌田洋(金沢工業大学情報フロンティア学部)
「双方向授業システムのグループ集計機能」

受賞理由
色カードの画像認識による集計は、携帯端末やクリッカーがなくても実施できる汎用性がある。グループ集計機能が加わることにより、双方向授業での活用用途が広がった。


写真左は安藤新二2018PCカンファレンス実行委員長(熊本大学教授)


この度は、2018PCカンファレンス学生論文賞にご選出いただき誠にありがとうございます。本論文が選出されるとは思いもよらず、大変驚き感激しております。本研究は、一斉授業のコミュニケーションを改善するために、教員の問いかけに対して学生が回答として挙げた色カードをWebカメラで捉えてパソコンでリアルタイム集計する簡便なシステムの機能に関するものです。本システムは当研究室で長年研究をしてきたものであり、今まで研究成果を積み重ねてくださった研究室の方々に心より感謝申し上げます。今回発表させていただいた研究は、これまでになかったグループごとの集計機能に関するものであり、さらに活用用途を拡大することを目的にしたものです。今回の受賞を励みとして、一斉授業を円滑に運営するための一助となるために、今後も本システムの研究にさらに取り組んで参ります。

受賞者の皆さん、改めておめでとうございました!!
PCカンファレンス論文賞の表彰は来年度も実施予定です。たくさんの分科会発表のお申込み、そして論文のご投稿をお待ちしております!!