開催概要

テーマ 小学校から高等教育機関までの外国語教育の接続:ICTがどのような役割を果たせるか
開催日 2016年5月29日(日) 09:30 - 15:00
会場名 立命館大学大阪いばらきキャンパス B棟4F 研究会室1

概要

iPad等のモバイル端末を参加者に持参してもらい、アクティブ・ラーニングの実践者5名による教育実践例の紹介やアプリケーションの活用事例を中心としたセミナーを実施します。各自のICT活用の外国語教育・学習の事例報告後、全体会で討議します。


プログラム

9:30 - 9:35
【 開会の辞 】
野澤 和典(外国語教育研究部会世話人代表)
9:40 - 10:25
【 事例報告1 】 マルチメディアを使用した読後の活動:ブックトレーラーについて
箱根 かおり(アメリカンスクール・イン・ジャパン)
ブックトレーラーとは、学習者が本を読んだ後に、映画の予告編のように、テクノロジーを駆使して、映像や音声でその本の面白さを伝える学習活動です。 学習者は本の内容を理解し、本の世界を作り上げ、見ている人に本を読みたいと思わせることを要求されます。活字離れが進む10代の学習者が苦手意識を抱くことなく取り組めるため、YouTube 世代に最適です。言語能力の向上が期待できるだけでなく、問題解決型の課題を通して、恊働作業やテクノロジーを駆使したクリエイティブな活動を体験できるなど、21世紀型スキルを育成する本校の教育方針にも即しています。ここではインターナショナル・スクールの日本語クラスで行われている実践を紹介します。
10:30 - 11:15
【 事例報告2 】 クラウド技術を活用したモバイル外国語学習: 学校授業と自宅学習をつなぐICTの最新動向
上村 隆一(グローバルコミュニケーションクラウドサービス)
ネット環境の充実により、タブレット、スマートフォンなどのモバイル機器を外国語学習に活用する事例は、大学だけでなく、小中高の教育現場でも急速に増えてきました。しかしながら、セキュリティ上の制約や学習用モバイル端末の費用負担等の理由で、学校外、特に通学時や自宅学習時に学校内と同じモバイル学習 環境を実現することは、なかなか困難な情勢にあります。そうした現状を打開するために、教育ベンチャーや次世代情報通信サービスを手がける企業が協力する形で進めている「いつでもどこでもモバイル学習支援」への取り組みと発表者自身の実験的な試みを紹介します。
11:20 - 12:05
【 事例報告3 】 Garage Bandで外国語チャンツ・歌教材を作成する
眞崎 克彦(関西大学)
2011年度から小学校高学年に外国語活動が導入され、カリキュラムの問題、指導者の問題、教材の問題と課題はありますが、小学校現場では着実に外国語活動実施の成果が上がってきています。2020年度からは、高学年では教科化に移行するのに加えて、3,4年生では活動型の導入が始まろうとしています。さらに、授業へのパソコンの利用が進む中、全国的にタブレットを使用した授業も開始されています。このような状況の中、本発表では、小学校の外国語活動で教材として頻繁に使用される歌やチャンツ教材を自作する方法をワークショップ形式で紹介します。使用アプリケーションはApple社製‘Garage Band’ です。フリーソフトですが、高機能で直感的な操作により、比較的簡単に歌・チャンツ教材を作成することができます。参加者には、事前に、iPad等にアプリケーションをインストールしておくことをお勧めします。
12:05 - 13:00
【 昼食休憩 】
13:00 - 13:45
【 事例報告4 】 TA(ヒト)とiPad(モノ)を活用したアクティブ・ラーニングのこころみ~初級中国語CALL授業における実践
田邉 鉄 (北海道大学)
北海道大学では2008年から、選択必修科目の初修外国語のうち半期一コマを教員を置かない自習型のCALL授業として実施しています。対面で学ぶ文法や語彙を復習するためのe-Learning教材だけを使った授業は、学生によっては無味乾燥に感じられ、学習意欲を大きく削がれます。成績不振者が減ったので全体成績は下がっていないが、成績上位者が「行き迷って」成績を大きく落とすケースが目立ちはじめました。そこで、中国語CALL授業では、e-Learning教材以外にタブレットを活用したアクティブ学習を取り入れ、自習授業を複線化することで、意欲のある学習者が「ヒマにならない」学習プログラムを考案、3年にわたって試行してきました。今回は、この試みについて報告し、ICTを利用した授業における人的リソース、特にティーチング・アシスタントの役割について検討します。
13:50 - 14:35
【 事例報告5 】 iBooks AuthorとBook Creatorを使うeBookを作成する試み
野澤 和典(立命館大学)
学部英語教育の中で、iPadとアプリケーション・ソフトウエアを使った短期間の小グルームによるプロジェクト型学習として、自由選択のテーマに沿ったプロモーション・ビデオの作成を含むeBookの作成とプレゼンテーションをさせたりしている一方、大学院共通演習科目の1つのマルチメデイア教材開発クラスでも多様な教材開発ツールの1つとして紹介し、履修者の興味のある教材作成をさせたりして実践的なモバイル端末活用の英語教育をしてきています。本発表では、プロジェクト型学習を促進するアプリケーション・ソフトウエアであるiBooks AuthorとeBook Creatorを使った事例を紹介し、その利点と欠点などを考えます。
14:40 - 15:00
【 全体討議 】
15:00 - 15:05
【 閉会の辞 】

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