外国語教育研究部会とは

本部会は2000年8月に発足し、英語、中国語、仏語等を中心とした外国語教育に携わる会員の情報交換と研究活動の質量両面での一層の向上を図る役割を果してきました。メーリングリストでの情報交換と共に、PC カンファレンス以外に、最新テクノロジーを活用した教材開発や教育実践の課題等、多様なテーマを扱う研究会を年数回開催しています。

目的

コンピュータに関わるマルチメディア技術の進展やネットワークの普及による「新しい外国語教育・学習」をどう創り出し、それをどう支援していくのかという視点で外国語教育・学習のあり方を見直すことを主目的としています。 文部科学省が「IT新改革戦略」(平成18年1月IT戦略本部決定)に基づき、教員のICT活用指導力の基準の具体化を図り到達目標を明確にするため、平成18年10月に「教員のICT活用指導力の基準の具体化・明確化に関する検討会」を設置し、教員のICT活用指導力を高めること検討をしている一方、先進的な実験校を中心に、コンピュータ利用教育に関わる様々な実践的研究が進められています。しかし、多くの学校では、管理職側の理解不足、担当教員の人材不足に加え、知識・技能不足等の問題があり、克服すべき課題は多いと思われます。 一方、高校での選択学習幅の拡大、大学進学希望者の増加、そして少子化の影響による大学生の一層の多様化が生じており、魅力ある学習環境の創造、個別の興味や学力・技能に応じた「学習者中心の新しい学びの創造」が大学教育において求められ、コンピュータ利用の外国語教育は、その解決策の一つと考えられます。また、CALL教室の設置と利用が増加し、コンピュータ・リテラシー教育の外部委託も進む中で、外国語教育・学習用ソフトウエアや e-Learning / m-Learning 環境の開発で最新技術を持つ企業側との協力関係は不可欠です。 こうした状況変化のもと、PCやスマートフォン・タブレット等のモバイル端末、インターネット利用の「外国語教育・学習方法の創造や異文化理解の促進」という視点で、情報メデイアの積極的な活用方法を会員間で共有することを目指しています。

活動内容

本部会は、2000年8月の理事会で正式に承認された後、直ちに活動を開始しました。同年10月には、PC カンファレンスのイブニングトーク参加者を中心にして、部会加入者向けメーリングリストが立ち上がり、これまで有益な情報共有ならびに意見交換を行ってきました。 部会独自の活動としては、2000年12月9日に第1回研究会 (於:立命館大学) を開催し、2003年度以降は、平均年2回 (通例12月と3月) CIEC研究会として開催してきました。2014年度以降は同様の頻度で秋と春にセミナーなどのスタイルで学習会を開催しています。外国語教育と情報科学、教育工学など各分野の有機的な統合によるワークショップ・スタイルの集中的な研修や、具体的で実証された研究成果に関する自由な意見交換の場となり得るようなテーマと企画内容を提供しています。 部会出版物としては、2002年度に「最新外国語CALLの実践」、2007年度に「ICTを活用した外国語教育」、2013年度に「最新ICTを活用した私の外国語授業」(いずれも共著) を出版するなど、本部会メンバー個々の研究成果と教育事例の公開を積極的に行っています。さらに、部会企画として、2008年度には国際活動委員会の支援を受ける形で海外の国際学会に本部会から代表を派遣、研究発表を行うと同時に、当地の大学におけるe-LearningおよびICT活用教育の実情視察を行うなど、外国語教育を通しての国際交流にも意欲的に取り組んでいます。