今回のSpecialでは、PCカンファレンス初の試みである「ラーニングスタジオ」の報告を掲載します。ラーニングスタジオは同時刻に、8つのテーマでパラレルに展開されました。ご自身が参加したスタジオはもちろん、他のラーニングスタジオについても“創造する学び”の一端をお楽しみください。

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世界地図と地理とペーパークラフト
Cartography, Geography and Paper Modeling

鳴川肇 (慶應義塾大学環境情報学部准教授)


鳴川肇 (慶應義塾大学環境情報学部准教授)

講演者が考案した世界地図図法を用いたワークショップを行いました。オーサグラフ世界地図は面積比を極力正しく表現しつつ、形などの歪みも抑えた長方形の世界地図です。当日は以下の内容の講演と製作作業を行いました。

  1. 最初にこの地図の特徴とそれを用いた主題図、1つのテーマを視覚化した世界地図を手短に説明しました。続いて地図図法に関する質疑を行いました。
  2. この地図の立体的な仕組みを知るために参加者が各自、地図の仕組みがわかるペーパークラフトを組み立てます。製作しながら本当に重要な質疑を誘発することが目的です。実際に造り方から質問が始まり、重要な質問が相次ぎました。正四面体の頂点の位置はどうやって決めた?ずらすとこうなるのか?など。
  3. さらに現代の社会を反映させる地政学的なテーマをこの地図に描き込み。主題地図を製作させました。
  4. 製作した主題地図を各テーマに基づいてわかりやすく示す。そのことを念頭にはさみとセロテープを用いて切り貼りを行い地図の中心を最適化します。
  5. こうして出来上がった一人一人の主題地図をみんなで閲覧し、秀逸だと思われるものに投票し、発表を行いました。たとえば、「第2次世界大戦で沈没した戦艦の所在地とその海戦」では、もちろん参加者の知識に驚くべきものがあったのですが、普段、陸地を図に捉え、海を地に捉えて世界をみている我々に対し、その参加者は海での戦いを視覚化した。そしてなぜここで大きな海戦があったのかを地政学的に解説した。以上の2点で我々が全く知らなかった世界を視覚化したものでした。「ドイツとイギリスが存亡をかけてアルゼンチン沖で戦った」というトピックはその一つでした。

まとめ

世界地図図法を考案したり理解したりするには幾何学の知識が必要ですが、数式を理解する力以上に、球体を平らに切り開く図画工作(美術)の作業がものを言います。

またこの地図の活用の仕方を考えると、今の世界観を伝える地理や地政学、地学などの着眼点(社会科)と視覚的に描くためのインフォグラフィックスのアイデアが必要になってきます。(デザイン)

これら複数の「学科」を一体化して、参加者一人一人の世界観を世界地図で表すアクティブラーニングを実践できました。


2017PCCラーニングスタジオ「世界地図と地理とペーパークラフト Cartography, Geography and Paper Modeling」(鳴川肇 慶應義塾大学環境情報学部准教授)

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