'98PCカンファレンス


シンポジウム        

7月29日(水)13:30〜17:00

コンピュータ利用教育の原点をさぐる

-------教える側と学ぶ側からの問題提起-------

 私たちがコンピュータ利用による教育を行う上で、10年以上前からの教育実践の中でのさまざまな試みにもかかわらず、ポイントとなる「基本的問題」は大して変わっていないように思われます。そのポイントの一つは、いかなる教育であれ、教員の創意工夫が無ければ良い教育は成立しないという問題です。もう一つのポイントは欧米と基本的に異なっている点として日本にはキーボード文化が存在しないため、これがコンピュータ利用教育の導入に際して大きな障壁となっているという問題です。  そこで、今年のPCカンファレンスでは、教育工学の分野で精力的にご活躍中の赤堀先生(東工大教授)とキーボード教育に関して精力的な研究と経験をお持ちの大岩先生(慶応義塾大教授)のお二人をパネリストに迎えて、「コンピュータ利用教育の原点をさぐる--教える側と学ぶ側からの問題提起--」というテーマでシンポジウムを企画しています。パネリストとしては、お二人以外にコンピュータ利用教育を支える立場として大学生協から、また、学ぶ側の立場として学生・院生からそれぞれ1名の報告者を加えて、教育場面におけるコンピュータ事情で、何がどう欠けているかを考えながら、今後のコンピュータ教育の改善へ、ともに、新しい学びを創造していく方向を見つけ出したいと思います。

パネリスト:
赤堀 侃司氏 (東京工業大学 教育工学開発センター教授)
大岩 元氏(慶応義塾大学 環境情報学部教授)
大学生活協同組合から1名 学生・院生2名

司 会:   
小林 昭三氏(新潟大学 教育人間科学部教授)
三根 浩氏(同志社女子大学 短期大学部教授)

パネリストの発言要旨とプロフィール

赤堀 侃司(かんじ)氏  
 小学校から大学に至るまで、近年において学習の考え方が変わってきた。学習者中心の考え方(Learner Centered Learning)であり、問題解決能力を育てる学習方法 (Problem Based Leraning)であり、現実の状況の中での学習(Situated Learning )への指向であった。この学習を可能にするために、道具と言うよりも環境が重要視されるようになった。その環境の1つが、コンピュータを中心とする情報環境である。

東京工業大学教授、工学博士。1944年7月21日広島県呉市生まれ、東京工業大学大学院理工学研究科修士課程修了、東京学芸大学を経て、東京工業大学助教授、教授、現在に至る。現在、教育工学開発センター、大学院社会理工学研究科人間行動システム専攻に所属。専門は、教育工学、教育情報科学。著書は、「学校教育とコンピュータ」(NHKブックス)、「大学授業の技法」(有斐閣選書)など。

大岩 元氏
 コンピュータの普及に伴って、情報教育が必要となってきた。その内容の多くは中等教育で行なわれるべきものであるが、日本ではここしばらくは行なわれないので、大学で行なわざるを得ない。 情報教育の目的は、コンピュータの本質を理解し、必要とされる場面でこれを活用できる能力を養うことである。特定のシステムの使用法を覚えることは、こうした考え方とは相入れない。しかし、現実に行なわれている教育の大部分は使用法教育となっている。
 コンピュータの本質を理解するには、通常の使い方を体験することが第1歩として必要となる。タッチタイピングは成功の決め手となるが、簡単な訓練であるにもかかわらず実行されない場合が多い。プログラムを書く体験はコンビュータの理解に有効であるが、これも使用法的教育が横行していて、効果が上っていない。

東大理学部物理学科卒業、同大学院修了(理博) 東大における応用物理学の研究を経て豊橋技術科学大学で情報教育、ソフトウェア工学の研究に従事する。この間、キーボード練習ソフト、日本語入力法の開発、KJ法の計算機支援、都市景観設計支援など、世の中に存在しないソフトウェアの開発を行ってきた。現在、慶応大学環境情報学部でシステム技術者のみならず、ゲームなどのマルチメディア・コンテンツなどの創作者の育成方法を研究中である。

  • プレカンファレンス(CIEC第5回研究会・98/5/31)のビデオ・音声はこちら
  • PCC98シンポジウム(7/29、日本福祉大半田キャンパス)のビデオ・音声はこちら
  • 98PCCトップページへ 98PCCトップページへ

    連絡先 98PCカンファレンス実行委員会事務局

    〒166-8532 東京都杉並区和田3-30-22 大学生協会館5F
    TEL:03-5307-1123、03-5307-1195 
    FAX:03-5307-1196 
    e-mail:ciec-jim@ciec.or.jp