'98PCカンファレンス
分科会レポート要旨

98PCCトップページへ 98PCCトップページへ

【7月28日(火)13:30〜16:00】

■ コンピュータ、ネットワークを利用した学習者中心の教育

○日本文化理解のための日米コラボレーションシステムの開発

立田 ルミ  獨協大学

 日本文化が若い世代にどのように捉えられているかをインターネットを通じて知らせ、また、英語圏の外国人学生が日本文化に対してどのようなイメージを抱いているかの意見を載せ、ホームページを見た人達がこれらに対してどのように感じるかの意見交換の場を設けることにより、よりよく日本文化を理解してもらうことを目的として、インターネットを用いた日米コラボレーションシステムを開発した。ここでは、このシステムについて報告する。

○インターネットを活用した日独国際関係セミナーー三年間の総括

筒井 洋一  富山大学

 ドイツの大学とインターネットを活用して共同セミナーを開始した95年10月当初は、セミナーの準備も、学生の英語力・技術力も不十分であったが、三年間を経て、日独双方の学生のレベルが飛躍的に向上してきた。シラバスや技術的な準備、日独間の議論のほとんどすべてを学生が中心になっていくようになった。  昨年秋から今年1月までおこなわれた日独共同授業(パート4)では、これまで報告者個人の力量に依存していた方法を改め、日独学生をグループにして、グループ内での報告準備を中心にしたことで、グループワークとしての取り組みにインターネットが効果的な役割を果たした。その結果、報告や議論の活発化という本来的な目的へと関心が向くようになった。  本報告では、三年間のセミナーの総括をしつつ、その成果と問題点について指摘する。   

○学習者を支援するネットワーク形成: 慶應SFC「社会調査法」における学内外連携の試み

妹尾 堅一郎   産能大学

 昨夏の本会で報告したように、慶應SFC「社会調査法」ではホームページとメールを活用したプロジェクト型授業を試みている。97年度は、さらに外部の社会人に「サポーター」をお願いし、プロジェクト進行の支援をしてもらった。学生は、従来のスタッフ(教員とStudent Assistant)だけでなく、社会人からの支援や指導によってさらに活性化された。これはメディア環境における学習者を中心としたネットワーク形成の試みでもある。この概要について報告する。      

○協調学習支援システム「ReCoNote」を用いた授業実践の報告と分析

益川 弘如 院生  中京大学

 ノートやメモなど自分が書いたものを見直す時、作成時に利用した資料が参照できると、作成時の文脈を再構成しやすく書かれた内容を発展的に利用できると考えられる。そのような相互参照の履歴を活用する「相互リンク機能」を備えた協調学習支援用ノートシステム「ReCoNote」を試作、実際に大学の授業で使用した。システムの相互リンク機能がグループ内での共同作業にどのような効果をもたらしたのかを報告する。

■ 教育・研究用ソフト開発

○Javaを用いたScheme学習システムの構築

坂井 雄介  青森大学

共同発表者 山本 修身、堀端 孝俊

 ネットワーク機能とグラフィックス機能を付加した教育用SchemeインタプリタをJavaシステム上に構築した。このインタプリタはサーバとクライアントから構成され、それぞれのクライアントはサーバからインタネットを介してインタプリタの一部を取り込むことができる。このような構造にすることにより、それぞれの授業形態に対応したフレキシブルな教育環境を手軽に構築することができた。Javaシステム上で実現されていることから、種々のOS上でそのまま実行させることができる。     

○Javaアプレットを利用した多言語エディタの開発とその応用例

赤間 啓之  東京工業大学

共同発表者 大和田 洋平

 Latin-1を使用する西欧言語のhtml文書およびJavaソースコードを作成するための、簡単なエディタソフト、Latin1 Html Editorの開発例を中心に、Javaアプレットを利用した人文科学系教材の可能性を模索する。        

○異分野でのネットワーク型ソフトウェアの共同制作とその有効性

児玉 満  東和大学

共同発表者 松崎 浩士、沖田 千代(純真女子短期大学)

 文系、理系を問わず、依然としてコンピュータに対して苦手意識を持つ者が多い。 そこで、いかに無意識のうちにコンピュータの初歩を習得させ、情報学習への興味を動員させることができるかということを目的とし、操作性、対話性を重視したネットワーク型のソフトウェアを開発した。また、食教育とタイアップさせているため異分野での共同制作の利点を有効に活用し、より興味を引く内容にすることができ、目的の実現を容易なものにしている。        

○科研費TeXスタイルマクロの作成と配布

星野 勉  京都大学

共同発表者 青木 健一(金沢大学)二宮  尚(宇都宮大学)

 文部省科学研究費の申請書類をTeXやLaTeXで清書出力するためのマクロパッケージです。金沢大学の青木先生の努力で1988年に始められ、メーリングリストで改良がされています。メーリングリストへの参加方法は、 kakenhi-macro-request@yukawa.kyoto-u.ac.jp 宛に subscribe とだけ本文に書いたメールを送って下さい。 なおこのメーリングリストは常設で維持し、「科研費の調書をTeX でつくる」事と同等な他の件も含めて、情報交換の場と致しますので、興味のある方は続けてご参加下さい。 このマクロパッケージの作成と配布の舞台裏について報告します。

■ 大学キャンパスの情報環境とそのサポート体制

○計算機利用者へのサービスと教育

中西 通雄  大阪大学

共同発表者 齊藤明紀,山口文雄,門田修

 大阪大学情報処理教育センターでは,全学生約14000人に計算機のアカウントを与えているが,計算機の空きを待つ行列ができたり,パスワードを忘れる学生,利用規則やマナーを守らない学生がいる.これらの問題に,計算機を運用する立場からどのように対処してきたかを報告する.また,今後の方針について述べる.

○学内LANを用いた情報教育支援システム

黒田 登美雄  琉球大学

 本学では学生がいつでも(9時から20時まで)自由に利用できるパソコン教室をオープンした.オープン教室に設置されたパソコン等の機器管理には,学内LANを活用して,小人数(1名)のティーチング・アシスタントと事務官(不特定)により行っている.事務室からのCU-SeeMeによるモニターで十分に管理できることが明らかになったので報告する.

○甲南大学における情報環境の今後

鳩貝 耕一  甲南大学

 本学では以前より学内にインターネット環境を整備してきた.これにより,研究室レベルやセンター内での効率の良いインターネット接続が可能となっている. 一方,学部学生が利用する場合,センターや研究室以外での利用は難しく,インターネットの教育/学習への応用を阻む一要因となっている. 本学では,本年度より郵政省/文部省の支援を受け,今後3年の間,無線LAN環境の構築実験を行う.これにより,学生がいつでも学内のどこでもマルチメディアによる学習のできる環境を整えていく.

■ 物理系教育におけるコンピュータ利用 

○インターネット利用による力学系教育の例

宮本 裕  岩手大学

共同発表者 岩崎 正二、出戸 秀明、中澤 廣、吉田 等明

 学内LAN、インターネット整備を終えて、自分のPCでホームページも立ち上げることができた。さらに階段教室に大画面高輝度プロジェクターを設置した。 このようにインターネットを技術者教育に使う環境ができた。これらのシステムを使って、構造力学や設計の講義・演習に活用した例を報告する。 この中で、この方式の利点と欠点を説明する。           

○インターネット・Java活用による物理教育教材の開発

小林 昭三  新潟大学

 インターネット・マルチメディアやJavaなどを活用した物理分野の教材の開発とそのネットワーク化を進める、Java物理教材メーリングリストを通じての活発な実践例やJava教材の開発例を報告する。 

○ビジュアル・ベーシックによる力学教材の作成

中西 健治  滋賀文化短期大学

 建築・土木系あるいは住居系学科で開講されることの多い構造力学という科目は、一般に学生から敬遠される授業科目である。その理由は、この科目の名称が物理学や数学の延長であるという印象を直感的に与えやすいという宿命からきている。そのため、昔からさまざまな模型実験による視覚的授業が行われてきた。このレポートでは、これらの模型実験をパソコン上で行うことのできる教材プログラムを試作したので報告し、議論に供したい。   

■ 英語学習と英語理解のためのコンピュータ活用

○CALLにおける学生アシスタントの意義と役割

五十嵐 義行  東京国際大学

共同発表者 堀口 六壽、渡辺 浩行、山本 涼一(帝京科学大学)

 本学CALLシステムの組織的・効果的運用においてその成否の鍵を握る支援システムの中で、おそらく最も重要な役割を担うものの一つとして学生アシスタントの活躍がある。彼らは、大学から正式に雇用され、責任を持って授業の補助を行う。のみならず、状況に応じて教師の教育・研究パートナーとして、team teaching的な役割を果たし、またCALLに関する研究活動の一翼も担っている。本発表では、このように補助的役割を越えて教師の教育・研究パートナー的位置付けも与えられている本学学生アシスタントの役割と具体的活動、およびその意義について論じる。     

○PCを利用した英語学習の可能性

畠山 義啓  高田短期大学

 CALLではなく、自らの意志によるPCを利用した新たな英語学習スタイルについての提案である。具体的にはスペル・グラマーチェックソフト、スキャナー、OCR、翻訳ソフト、各種事典CD-ROMの利用といった自己学習とネットワークを使ったe-mail、MS NetMeeting、Vocaltech Internetphone release 4,5 or 5等のアクテイブな学習形態の可能性についての報告       

○英語語彙学習ソフトの開発

佐伯 林規江 同志社女子大学

共同発表者 吉田 晴世、三根 浩、吉田 信介、竹内 理

 インターネットを中心とした情報ネットワーク社会では、英語読解力が重要なスキルの一つとなってきている。ところが、一般的に日本人の英語語彙力は不足がちであり、未知語の頻度と英文の理解度とは逆相関する。本報告では、英語の語形成(接辞+語根+接辞)の構造に基づき、合理的に学習者の動機づけを高める学習システムを試作したので紹介する。    

○言語障害者のためのテクスト簡素化

佐良木 昌  長崎純心短期大学

 言語障害者のために、複雑な英文を簡単な英文に再編するテクスト処理の計画(PSET)が、英国サンダーランド大学とサセックス大学で進められている。一方、本報告発表者は英語複文を単文に還元する方法を研究し、テクスト処理プログラムを開発している。このプログラムを英国の研究に提供する計画である。また、英語を母語としない人たちがWWW などで英字新聞を簡単に読めるようにするために、複雑な英文を簡素化するテクスト処理のツールを開発している。機械翻訳が複雑な英文であっても訳出できるようにするために、英文を簡素化するツールを発展させたものである。日英の研究者の間での研究交流と、英文テクストの簡素化の実際について、報告する。     

【7月29日(水)9:30〜12:00】

■ コンピュータ、ネットワークを利用した学習者中心の教育

○コンピュータ・ネットワークを利用した大学における作文授業の設計と実践

浦崎 久美子  院生 富山大学

共同発表者 山崎 一法、向後 千春

 大学1年生を対象に、コンピュータ・ネットワークを利用した作文授業を実践した。これまでの添削指導中心の作文教育では、学習者は教師以外に現実的な読み手が得られず、結果としてわかりやすい作文を書くという意識の形成には至らないという欠点があった。その欠点を克服するために、今回、Web教材と作文用の電子会議室を開発し授業を設計した。本レポートでは、授業設計、実践の様子、学生による授業評価について報告する。        

○表計算ソフトを活用した回帰分析の学習

鈴木 治郎  信州大学

 筆者がPCC97で発表した,表計算ソフトを用いたシミュレーションを通じて発見的に統計学の諸定理を学習して行くというアイデアを回帰分析の仕組みの学習に適用した.よく知られているように,線形回帰分析およびその派生は,実験データ解析において欠かせないものである.ここで作成した学習教材のひな型について発表する.   

○学習用ソフトの有用性

渡邊 智子  (株)ともクリエーションズ

 当社で開発した簿記学習用ソフト「エキスパートへの道!」シリーズを使って大阪府の阪南大学では「簿記論」の授業を行なっております。簿記の授業をコンピュータ教室で行なうというやり方は昨年度からはじめたものですが、それまでの教科書を使った授業と比べて学生の理解度はよくなったという結果がでています。 今回のカンファレンスでは、講義に簿記学習用ソフトを使うことでどのような変化が生じたのかを実証し、他の教科にも応用できないのかを検討します。   

○リテラシーとしてのWEB探索

妹尾 堅一郎  産能大学

 インターネットのホームページは情報収集の新しいツールと言われる。検索エンジンを活用し、欲しいデータを探せるからだ。しかし、これは「予め欲しい情報は何か」が分かっている前提にたっている。ゆるやかなテーマしかない場合は、どんな情報をどのように集めればいいのだろうか。それは情報化社会における一種のリテラシーと考えられる。この問題意識から試みた慶應SFC「情報活動論」と経済学部「情報学」におけるプロジェクトについて報告する。       

■ ネットワークと福祉・NPO

○ネットワークPC時代の社会福祉の形態

新井 寛  学生 日本福祉大学

 現在、情報化が進み、事業体はもとより一般家庭にまでクライアントPCが浸透してきた。私たち情報福祉研究会はネットワーク時代の情報分野における福祉として『インフォメーション ソーシャルワーク(ISW)』の研究を行っている。 クライアントPCを情報ツールとして使用する際に起こるトラブル・障害を社会問題として捉え、これを『福祉的な』見地から解決しようというものである。また高度情報化が進むに連れて起こる『情報弱者』の援助もこの範疇に含む。これは、既存の福祉事業のような厚生的なものではなく、『通産情報技術』の側から見た援助形態である。 本分科会では、高度情報化に即応した社会福祉活動の形態として、クライアントPCを導入した際に起こる障害群と社会的な構造問題を明らかにするための 1:アセスメントシートの開発報告、2:ここから得られるデータの分析方法、3:その後のユーザとその環境へのアプローチの仕方、及び 4:ISWの定義付け、を提示する。  

○地域情報化研究会の活動成果

糸数 明子  学生 日本福祉大学

 平成8年度より2年間活動してきた、先進的未来型福祉社会システムの構築調査のアシスタント組織としての地域情報化研究会のこれまでの活動成果を発表。地域住民、行政への情報教育の成果、市民ネットワークの広がりについて昨年のPCカンファレンス以降の動き等を踏まえて発表。       

○在宅介護サービスの情報提供システムのプロトタイプ構築

葛谷 潔昭  学生 日本福祉大学

 社会福祉の分野においても行政や公的機関の情報化は着々と進んでいるが、これらはあくまでも事務の効率化でしかなく、利用者の福祉や生活向上に至っていない。今後は、公的介護保険の導入などによって、福祉サービス供給主体についても民間や他分野の参入によって多元化していき、各供給主体のサービス情報の集約化が必要となっていく、また利用者自身の責任で福祉サービスを手に入れていくことになる。私たちは、この状況の改善による利用者重視の社会福祉サービス供給を目指して、特定地域を対象としたホームページや地理情報システムを利用した「社会(福祉)システムナビゲーター」のプロトタイプを作成中である。私たちの発表では、その構築過程や構築状況を報告することにする。   

■ 大学キャンパスの情報環境とそのサポート体制

○教材PC及び龍谷大学インターネットとサポートの取り組み


  石井 重邦  龍谷大学生活協同組合


1997年4月に初めて教材パソコンの取組みを行い、また12月より龍谷大学インターネットが始まりました。今年で2年目になる教材PCの取組みや課題、および龍谷大学インターネットが始まったことによる学内の変化やそれに対応したサポートについて述べてみたいと思います。

○名大「コープパソコンクラブ」の取り組みのご紹介

加藤 肇  名古屋大学消費生活協同組合

 名古屋大学生協では、専門商品に関わる組合員活動のひとつとして「コープパソコンクラブ」の取り組みを一昨年よりはじめ、98年度4月は、全体で650名を越える会員組織(そのうち1年生の新規加入が430名以上)となりました。 今年は、コンピュータ購入者の会員を中心に、「コンピュータ学習プログラム」というコンピュータ活用の動機づけとスキルアップを図る新たな取り組みを展開していますので、その内容を中心に学生の事務局員と生協職員が協力して紹介し、大学の中での学生の自主的な活動と商品を通じた生協の取り組み・役割についてご紹介します。

○大学、組合員の期待にこたえる98年新学期PC提案と 「パソコン連続講座」の取組みについて

清水 直美   中京大学生活協同組合

 98年新学期におけるPC提案の取組みと「パソコン講座」の提案における大学や組合員の行動、関心、変化と期待とこれからの展望について報告します。

■ コンピュータ・ネットワーク普及に伴う学生の勉学スタイルの変化

○一ゼミ連絡手段におけるパソ通→Iネット移行の考察

藤沢 大  研究生 中京大学

 私のゼミでは、2年生から3年間履修していたうち、ゼミのコミュニケーションツールとして、95年4月〜96年10月は学部内パソコン通信を用いた。しかし、時代の流れとともに96年11月〜はインターネット上のメーリングリストを用いる方法に変更されている。しかし、前者から後者の方法になるにつれて、大学側の管理が強化されることなどで、ゼミ生の自発的な使用がゼミ時ぐらいしか見られなくなってきている。 このように、一学生の視点でネットワーク環境の変化によるその影響について考察する。   

○サーチエンジンによる情報収集に関する一考察

藤沢 大  研究生 中京大学

 最近では、インターネットに存在するサーチエンジンを用いることで、従来の書籍などによる方法よりも効率的に情報収集することや調査することができるが、果たして、そうといえるのだろうか。これを検証するためにテーマやキーワードをあらかじめいくつか設定し、登録型とロボット型に分けるといわれているサーチエンジンに掛けた結果をまとめたものを発表する。     

○ハイパーレポートの試み

渡辺 仁美  学生 日本福祉大学

 ゼミのレポートというと紙を媒体にするのが通常である。しかし、コンピューターを使えば多様なメディアの利用が可能になるはずである。カラーの図表・画像、音などのマルチメディアが利用できる。また、レポートをインターネットのホームページとして作成すれば他のホームページとリンクすることにより、さらに世界が広がる可能性がある。このゼミのテーマ「自治体における福祉計画と福祉保健医療ネットワーク」の研究を通じ、紙を媒体とした場合と比較し、そのメリット・デメリットを明らかにしたい。    

■ 情報リテラシー・プログラミング教育

○一般情報教育においてプログラミングをいかに教えるか

綾 皓二郎  石巻専修大学

 この報告では,一般情報教育におけるプログラミング教育をプログラミング言語の文法教育としないために,プログラミングをどのような視点から教えたらよいかを考察し,実際にC言語を採用した場合の具体的なプログラミング教育法について論ずる. (1)言語を思考道具・コミュニケーションの道具として教える. (2)ノイマン型コンピュータの動作原理に遡って教える. (3)言語設計者の設計意図・設計思想を教える. (4)コンピュータ・サイエンスの「頻出概念」に基づいて教える.       

○文字処理のみの例題によるC言語教育の実践

田中 寛  青森公立大学

 大学における今までのC言語教育では、コンピュータのシステムプログラムや数値計算のプログラムが例題として取りあげられて来た。それらのプログラムを理解するには、C言語そのもの以外の知識がむしろ多く要求され、C言語を学ぶことの敷居を非常に高くしている。このような状況に対して、大学生なら誰でもが理解できる文字についての知識だけを例題とするC言語教育の実践例を紹介する。   

○プログラム初等教育におけるJavaの導入について

箕原 辰夫  千葉商科大学

 プログラミングの初等教育のための言語として、Javaを採用した場合どのような問題が発生するのか、技術的な視点から発表を行なう。問題点、有利な点などをC言語の場合と比較する。 千葉商科大学で1年間(半期2回)の実績がある。  

■ 創造性を引き出すためのコンピュータ利用

○ひらめきを支援する個人用データベースの提案

脊尾 篤弥  院生 早稲田大学

 ひらめきの支援に、個人用データベースの利用を提案する。アイデアがひらめくきっかけとなるものは、日常では見過ごしてしまうような事柄であることが多い。 以前に体験したことでも、タイミングよく思い出したり再経験したりしないと、ひらめきのきっかけにはならない。個人の経験を蓄積すれば、ひらめきを待つ時間が短縮でき、またユーザの個性を反映したアイデアが発想されると予想される。実験的に制作したシステムも紹介する。  

○読解過程の外化支援ツールの開発と評価

野田 耕平  院生 中京大学

 文章を読んでいる過程そのものを外に見える形で外化する支援法を提案し、それを実現するコンピュータ上のツールCArD(Card Arrangement Displayer)を紹介する。具体的には、文章を文や節毎にカード化し、それを自由に配置しながら読んでいく。そうすると、カードを文章順に直列に配置しながら読む場合と比べて、文章の構造を踏まえた理解が成されやすく、文章中の足りない点に気づきやすい等の傾向があることを実験によって確かめた。   

○3次元スケッチブックを使った創造的な建築デザイン手法

間瀬 実郎  呉工業高等専門学校

 筆者が作成した「3次元スケッチブック」は、建築のデザインの初期の段階を効果的にサポートするパソコンソフトである。これは従来の3次元CAD・CGソフトのように、モデルの入力方法が厳密でなく、スケッチを描く感覚でモデリングができる。また従来にはない絵のような描画方法でレンダリングする。 このソフトでは、形を「曖昧な状態」で扱えるため、利用者の創造力を規制することなくデザインの検討がより効果的に進められる。  

○3Dグラフィック環境破壊シミュレーションソフトの開発

山口 学  院生 独協大学

  社会的にも環境問題が大きく取り上げられている今日、学校教育においても例外ではない。そこで、オゾン層破壊による酸性雨問題に焦点を当て、マルチメディアソフトの開発を行った。教科書では数値でしか表現できなかった酸性雨濃度などをグラフィックで表現した場合、またシミュレーションを取り入れた場合、それぞれの理解度がどのように変化したかを示す。

■ 小中学校の分科会

○小学校におけるインターネットの教育利用について

丹波 信夫  半田市立亀崎小学校

 まず、CATV愛知の高速データ通信回線を使って日本福祉大学とLAN接続で結ぶことにより、快適なインターネット環境を実現することができました。学習活動への効果的な活用として、・他校との交流活動、・共同学習、・総合的な学習への活用などがあげられます。たとえば、4年国語科「ごんぎつね」の共同遠隔学習への参加、5年社会科「自動車工場見学での質問募集」、3、5、6年「全国発芽マップケナフの栽培」、6年、社会科「古代米の栽培」などがあげられます。

○ネットワークを使った学習設計

西谷 淳(院生) 兵庫教育大学大学院 (滋賀県甲賀郡甲西町立三雲小学校)

 地域の小学校3校の障害児学級がネットワークに参加して、実際にパーティで出会うまでの準備をお互いネットワークで連携して行った。わずか数人の障害児学級の子どもたちどうしのメールのやり取りは一ヶ月間で120通を超えた。  メールには各子どもの個性が存分に発揮され差出人を見ないでもお互い誰から来たのか分かる程であった。パーティで出会って、計画が終了してからもメールのやり取りは年度末までずっと盛り上がり、追加パーティが2回開かれた。このメールを交換する中でどのような学習が組織されていったかを述べる。

○学ぶ力を育てる学習活動を支えるコンピュータの活用法

林 明彦  岐阜県羽島郡川島小学校  

 川島小学校は、コンピュータを導入して約20年、最近では情報教育を推進しており、学習者が主体的に学ぶ力を育成することに力を注いでいる。2002年の指導要領の改定に向けて、系統的な情報教育の指導計画作りに取り組んでいる。その途中経過を報告する。 

【7月30日(木)10:00〜12:30】

■ ネットワークと福祉・NPO

○中部地区におけるNPOのネットワーク活動事例から

松浦 さと子  院生 名古屋大学

共同発表者   松浦 弘智(院生)

 中部地区におけるNPOのネットワーク活動事例から、「つなぐねっと」(旧市民フォーラム21情報ネットワーキンググループ)の、市民活動URLリスト(「市民メディア入門」(創風社出版)付録)作成やコンピュメンター事務局長ダニエル ベン・ホリン氏招聘などを活動実践をもとに報告する。 現在のNPO(非営利団体)の情報化に欠かせないネットワークに本やファクス、講演会など他メディアとのメディアミックスが現在のところ必要であるとの分析を事例紹介をもとに行いたい。  

○障害者と地域社会と情報ネットワーク

藤川 雄一  院生 東京工業大学

 埼玉県新座市の「ラッコ・インフォメーション」は,行政や市内の様々な活動,県レヴェルの障害当事者団体(のネットワーク)と連携しながら,コンピュータや情報ネットワークを利用した就労,コミュニケーション,地域のネットワークづくり,技術サポートなどに取り組んでいる障害当事者団体である。  地域で生きる障害者の暮らしにおける,情報ネットワークサーヴィスの役割,現時点における情報ネットワーク利用を阻害する要因(と打開のための試み),地域社会と情報ネットワークの関係づくりなどについて,「ラッコ・インフォメーション」に関わる障害者においては,どのような情報ネットワークサーヴィスが利用され,効果をあげているかなど,現在の埼玉県新座市における利用状況とサーヴィスの評価をふまえ,報告する。  

○JCA, JCA-NET での市民団体へのパソコン通信支援の実践

浜田 忠久  JCA-NET事務局

共同発表者 印鑰智哉,安田 幸弘,橘 雅彦,綾 皓二郎

 JCA(Japan Computer Access) は,市民団体や個人へのコンピュータ通信活用の普及や世界的なNGOのネットワークであるAPC(Association for Progressive Communications)の日本ノードの設立,また情報に関する市民の権利の確立を日本のNGO・市民運動団体と共に 実現するために,さまざまな活動を行っている.このレポートではJCAが1993年の発足以来これまでに蓄積した経験や技術について報告する.

■ 大学キャンパスの情報環境とそのサポート体制

○推薦Webサイト整備の試み

大道 直人  仙台白百合女子大学

 本学のネットワーク環境については昨年報告したが、平成10年度は学生用端末のスペックを幾分改善する。この情報環境で、リテラシーの質的向上を目的とした全学的推薦Webサイト整備を計画している。学部・学科の協力を得て、アカデミックな観点での推薦サイトを整備し、学内専用サーバに推薦Webサイトのホームページを設置する予定であり、その意図と効果について報告したい。

○アプリケーションの利用データを収集するソフトの開発

山口 巌  神戸親和女子大学

共同発表者 笠原 輝久

 パソコンOSがDOSからWindows95へと推移し、一般ユーザにとって使い易くなったといわれる反面、ますますブラックボックス化しシステムとしての工夫が難しくなる状況の中で、アプリケーションの利用データ収集用ソフトを開発した。  本ソフトの特徴は、Windows95のデスクトップ上のアプリケーションショートカットをダブルクリックし、そのアプリケーションを利用して終了すれば、利用データ(利用者ID、利用形態、科目名、アプリケーション名、利用年月日等)を自動的に収集できることにある。このソフトの概要を紹介する。      

○反インターネット的、教員・学生不在型「情報基盤整備」

山本 昭  

 インターネットの特徴として、公開性、双方向性、学術優先、相互援助、平等性などがあげられている。インターネットの社会に参加するには、これらの文化をある程度受容することが必要である。このようなインターネット文化とは正反対の文化を持つK学園において、「情報基盤整備」と称して行われたプロジェクトの顛末を紹介する。事務職員全員が「.ac.jp」のメールアカウントを持たされる一方で、教員は私費でプロバイダと契約し「.or.jp」を使わざるを得ないという、極めて歪んだ状態になっている。この現状と、それに至る来歴を紹介する。

○Javaを用いたC/S型教育組織用管理システム

佐野 洋  東京外国語大学

 情報システム設備のハードウェアコストは低下している。社会科学系や人文系の教育・研究機関でも比較的規模の大きな情報システム設備を導入することができる。ソフトウェア性能が向上し、さまざまのアプリケーションを利用できるようになったが、反面、複雑なシステムが分散して配置されることになったために、運用と管理のためのコストが上昇している。いわゆる総所有者コスト(Total Cost of Ownership)が上昇を続けており、こうしたコストの支払いが出来ない場合、いくつかのサービスを停止せざるを得ない。とりわけ情報技術層の薄い社会科学系や人文系の教育・研究機関では、教育機会の均等化の観点からもコスト上昇は深刻な問題である。 本学では、こうした問題に対し、低予算で実現が可能なC/S型教育組織用管理システムの作成を試みた。マルチプラットホームに対応させるためJavaで作成したこのシステムは学生向けサービスの運用を自動化することを目的としている。 

■ コンピュータ・ネットワーク普及に伴う教育・研究スタイルの変化

○ノートブックコンピュータの貸し出しによる教育実験報告

福田 敦  日本大学

共同発表者 石黒 充、金子 雄一郎

 一般の講義でコンピュータを使用することが進んでいるが、講義時間だけでのコンピュータ利用では不十分であるとの声が多い。このことから本学科では、学生に長時間コンピュータを貸し出す実験講義を行った。本発表ではこの実験講義によって、講義時間以外の利用が促され、理解が深められるかどうかについて、受講した学生に対して行った使用記録やアンケートの結果をもとに、その効果を検討する。

○キャンパスの資源を活用した公開講座

清水 淳   日本福祉大学

共同発表者 尾上 えり子

 日本福祉大学生涯学習センターでは、半田キャンパスの豊かな情報環境を活かし毎年多くのインターネット、プログラミング等の公開講座を実施している。 講座を運営するのは壇上の講師だけではなく、3〜4名の本学学生アシスタントが40名程度の受講生を巡回し個別の技術指導にあたる。 このキャンパスの施設環境と人的環境をフルに活用した地域住民への公開講座の実施について報告する。       

○学会講演申込みの電子化の試み

星野 勉  京都大学

共同発表者 佐藤 明男(金属材料技術研究所)

 年2回行われる低温工学・超電導学会(全国大会)の講演申込みの電子化を行って3回目となる。1997年春に電子メール申込みを開始し、1997年秋は100%電子メールによる講演申込みであった。1998年春はWebによる申込みも開始した。この作業と非情報系におけるインターネットのかかわりについて述べる。

○産学官共同研究とインターネット

国立 勉 財団法人ソフトピアジャパン

共同発表者 石田 亨

 「高度情報基地ぎふ」の構築を目指す岐阜県で、その中核を担うソフトピアジャパンの研究開発活動で得られた経験から、インターネット導入による研究活動や、日常業務の変化、企業等の情報化への取組みについてレポートする。研究開発部の中心事業である産学官共同研究を行う上でのインターネットの役割についても実例を基にレポートする。また、共同研究事業についての簡単な紹介も行う。

■ 情報リテラシー・プログラミング教育

○大学における新しい情報基礎カリキュラムの試み

生田 茂  東京都立大学

 本学においては、全学共通科目における情報基礎科目のカリキュラムの全面的な見直しを行い本年度より実施している。情報基礎A,B,C,D,を前後期に配置し、学生は自分のこれ迄の経験や能力に合わせて自分でどこからでもスタートできるようにした。また、文系学生を主な対象とした情報基礎Dを新設した。本講演では、新しいカリキュラムを紹介すると共に、学生の履修状況の分析、今後の課題について報告する。  

○Windows95環境下のプログラミング言語教育について

倉田 是  流通経済大学

 今やどんな大学でも、コンピュータリテラシー教育が常識となっている。Windowsの環境下ではできることは限られていて、ワープロと表計算+インターネットである。いずれにせよ、上手に扱えるかどうか、世間に出ても恥ずかしくない程度に使えるかどうかが教育の目標となっている。これはコンピュータを魔法の暗箱としてのみの位置づけである。 道具としてのコンピュータの位置づけには、思うままにコンピュータを扱えるという自信を与えなければならない。このためのプログラミング言語教育もWindowsでは魔法の暗箱となってきた感がある。Visual Basicなどを教えた経験を下にして、プログラミング教育を論じてみようと思う。 

○生物生産工学分野におけるコンピュータ利用教育

三浦 靖  岩手大学

共同発表者 吉田 純、小野寺 一宏

 ’95PCカンファレンスでは「農学部における情報処理教育のあり方」、’96PCカンファレンスでは「農学部における情報処理教育の展開」、’97PCカンファレンスでは「農学部における情報処理教育のさらなる展開」と題して農学部における生物生産工学分野の2年次学生を対象にした授業「プログラミング演習」の内容案を提示し、情報処理教育に造詣の深い諸先生方から貴重なる御意見を頂戴した。今回は工科系数学の処理手段として数式処理システムの使用方法、イベントドリブン型プログラミングの基本的事項の演習を行った結果と問題点および改善案を提言する。        

■ 創造性を引き出すためのコンピュータ利用

○科学的知性と芸術的感性の融合や統合への模索

玉木 保裕  岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー

 デジタル技術の急速な進歩は、広い意味での科学的知性と芸術的感性の融合や統合への可能性の扉を開いた。  そうした時代認識の中で、映像、テキスト、音声など従来のメディアの境界領域を統合する新しいメディアの表現者の育成をめざして発足した「IAMAS」における教育実践を、学生やアーチストの作品紹介、共同研究成果などを通して報告する。

○「ハイパーテキスト化」による文献理解の促進

妹尾 堅一郎  産能大学

 ホームページ等で使われているハイパーテキスト形式は、従来の文章の線形構造からネットワーク的階層構造への変換を意味する。産能大学の「文献研究」と「基礎ゼミ」において、筆者は文献のハイパー化を学生に行わせるプロジェクト授業を行っている。ハイパー化するためには、学生は文献の内容と構造を深く理解する必要がある。つまり、プロジェクトを通じて、自然と文献を読み込めてくるのである。 この概要について報告する。  

○創造的コンピュータ利用教育について

大窪 嘉壽  青森公立大学

 昨今の、すざましいコンピュータのハードウェア面の機能の向上に比べ、ソフトウェアの面は、さ程でないように思う。ここでのソフトウェアとは、コンピュータを利用するために必要とされる、広い意味での利用技術のことである。このような状況を解決するのが、コンピュータ教育の役割であろう。そこでは、創造的なことが、鍵となる。それを、創造的コンピュータ利用教育と言うとき、今、何をどのように実践しなければならないかを、実践例をもとに、明らかにしてみたい。  

○卓球のコーチングにおけるコンピュータの利用

牛山 幸彦  新潟大学

共同発表者 吉田 和人(静岡大学)

 日本卓球協会は、1993年の国際競争力向上プロジェクトにおいて、コーチングの質的な向上を重要課題に設定した。それにより、指導者の選手に対する評価などを即時記録し、それらを休息時間などの短時間に選手に伝達することを目的としたコンピュータの利用が検討されることになった。 本報では、これまでに開発された、競技場面における指導者から選手へのアドバイスに活用できるコンピュータによる情報収集伝達システムについて紹介する   

98PCCトップページへ 98PCCトップページへ