EDUCOM’93報告

 EDUCOM’93報告の概略を、参加者の一人、矢部正之(信州大学医療技術短期大学部)のまとめた「EDUCOM’93参加記」でお知らせいたします。


EDUCOM’93参加記

 10月13日から21日まで、大学の視察とEDUCOM’93の参加のためアメリカ合衆国に愛媛大の松本先生、連合会の小見、釜田両氏と立命館大生協の松下氏とともに行って参りました。 現地スタッフの大須賀さんがボストンで加わり、ダートマス、コーネルというアイビーリーグの大学の視察を行ない、17日からはシンシナティで開催されたEDUCOM’93に参加しました。
 前半の大学の視察も大変興味ある示唆に富むものでしたが、今回の報告では、旅の主たる目的で、本年度から始めた大学生協のPCカンファレンスの今後の進むべき方向のひとつのモデルとして位置づけておりますEDUCOMに関してお知らせしたいと思います。 今回参加したEDUCOM’93は、毎年開催されているEDUCOMの総会と言ったもので、学会と言うよりはセミナーに近いような会合と、メーカーの大々的な展示も同時に開催されておりました。
 ところで、EDUCOMと言う言葉を初めて目にした方もいると思います。ここで詳しく説明する紙数の余裕はありませんので、このEDUCOMが開いているanonymous FTP のアドレスを紹介しますので、その歴史、活動等に興味のある方はご自分で御覧ください。 アドレスは、educom.eduで、IPアドレスは、192.52.179.128です。 簡単に言ってしまえば、全米の高等教育におけるコンピュータ・情報教育に携わる教育機関、企業とその担当者の組織です。
 EDUCOM’93は種々のpre-及びpost- conferenceの会合も有りましたが、17日午後からが本番、初日は年次総会とレセプションで18日から20日までが実際のセミナー(一般講演、並行開催の講演、並行開催の討論会)とワークショップや大学見学ツアーが行われ、多方面にわたる討議がなされていました。 これと同時に大どころのほとんどの企業を含む展示が、大きな会場で行われておりました。 2日目にはホスト大学であるシンシナティ大学のレセプションパーティも行われました。
 参加者も多岐に渡り、大学の教官・研究者、教育等をサポートするスタッフ、運営側のスタッフ、企業の担当者などがおりました。 セミナーの題目も、かなり高度な技術的なものから、コンピュータ導入に関する苦労話や、女性や少数民族とコンピュータといった話題まで幅広く討議されていました。 最後の話題などは、まさにアメリカ的で興味深く聴いて参りました。
 一般講演では、基調講演や、年毎に決定され最初の一般講演で贈呈されるいくつかの賞の受賞者の講演などが行われ、優秀ソフトウェア・カリキュラムの開発や、情報技術による教育の変革に関する講演が聴かれました。 並行開催のセッションでは、discussion sessionという討論会形式のものが目を惹きました。 他の形式のものは、PCカンファレンスでも行われており、これに近い形式ではパネル討論がありますが、このような徹底した討論(一つの限られたテーマを約1時間半)というのは珍しく、かなかおもしろい形式の物でした。ただ、問題提起者兼進行役の力次第の所が有り、難しい面も有るようです。
   全体の講演の印象は、ダートマス大学の視察でも感じたのですが、アメリカでもかなり苦労をして、コンピュータを利用した教育を進めているのだなというものでした。 私の聴講した講演の題目の一部に、"How to Make Everyone a Computer Support Person"とか、"Faculty Uses of Computers:Fear, Facts and Perceptions"などという文言があり、日本に較べ、技術職員のサポートや機器の体制が整っているアメリカでも、大学でコンピュータを利用した教育等を推進することは簡単に出来たことではなく、また今でも、苦労をしながら進めているのだということが痛感されました。 かなり先進的なところだけが日本に紹介されていますが、それはそれとして参考にできますが、アメリカの多くの大学人も我々と同じ悩みを持ち、苦労をしているのだということも確かです。 無論、先程も述べましたように、我々の環境の方が更に劣悪なわけですから、生協などのサポートの下、全国の教職員の知恵と経験を集めて、重ねて推進する努力を怠るわけにはいかないでしょう。 EDUCOMは1964年設立で当初は我々の様な状況だったと想像できます。 何とか、PCカンファレンスを継続し、発展させて大学の情報環境の整備をしたいものです。


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